2007年 07月 18日

ふるさと納税:納税者からの見方

あるメーリングリストに「ふるさと納税」について書いたので、ブログにも転載しておきます。

「ふるさと納税の議論は様々な問題を含んでいて興味深いのですが、今まであまりふれられていない論点、つまり納税者側からの見方を少し。

1.世の中には転勤族というものがかなりの数います。私は東京都の出身で地方都市に住んでいますので、東京都に納税することになります。また、地方から都会の学校に行って、都会の会社に就職して転勤で別の地方に住んでいる人もたくさんいます。この人たちは地方から地方へ納税することになるでしょう。ふるさと納税が地域間格差の是正を目的とするなら、その「歩留まり」は地方交付税に比べればかなり悪いでしょう。


2.ふるさととはどこか、という問題があります。私のふるさとは東京都大田区田園調布1丁目です。私は大田区に納税するのでしょうか?大田区といえども、その中の地域によって解決すべき課題は異なります。大森や蒲田なら町工場の活性化や事業継承が課題です。私のふるさとは同じ大田区でも高齢化が進み、独居老人が多く住んでいます。老人施設も不足しています。もしふるさと納税をするのなら、田園調布1丁目の課題を解決するために使ってもらいたい。それ以外の用途は拒否です。

最近合併して浜松市になった旧水窪町の出身者は、70km離れた浜松市中心部の市街地活性化に自分の税金が使われたら納得できないでしょう。

3.地方自治体で、裏金はありません、官製談合もありません、無駄なハコモノは造りません、職員組合や同和団体など利権組織との裏取引はありません、首長や議員の利益誘導で無駄金を使うことはありません、爪に火をともすような努力で業務の効率化・歳出削減・行政サービスの向上に努めています、と言い切れるところがあれば、ふるさとでなくても納税しちゃいます。逆に、たとえふるさとであっても、税金を食い物にしているところにはびた一文払いません。

ある調査では、ふるさと納税について、もしやるなら、
納税する/しないを自由に選べる 61.6%
事前に税金の用途が明らかにされていること 59.9%
となっています。

私たち納税者は、首長、議員、行政職員に対して、税金の使途についてフリーハンドを与えたつもりはありません。
その意味で、ふるさと納税がカリフォルニア州で起きた「納税者の反乱」が日本でも起きるきっかけになる可能性でもあれば、なかなかおもしろい制度だと思います。」

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登録日:2007年 07月 18日 01:09:36

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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