2007年 07月 30日

二院制の意義

安倍首相、続投の意向を表明

【7月30日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相は29日、参議院選挙後も政権を担っていくとの意向を示した。
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(c)AFP

AFPBB News


参議院については不要論もある。政党中心で衆議院のカーボンコピーならいらない、という意見だ。

そう言われると天邪鬼の筆者としては、参議院必要論を考えてしまう。
それではその役割は何か?筆者の考えは「国体護持の機関」ということだ。

国体というのは、戦前の日本では万世一系の天皇が統治する国家体制のことだった。現代日本の「国体」は自由と民主主義の国、ということだ。

ソ連の崩壊による冷戦の終結までは、自由と民主主義はイデオロギーのひとつであり、それに対して社会主義というイデオロギーがあった。それぞれのイデオロギーを信奉する政党があり、どちらかが政権をとればそれこそ「国体」が代わった。

しかし今や自由と民主主義は我が国の唯一のイデオロギーとなり、それは「国体」になった(はずだ)。二大政党は自由と民主主義の「国体」を前提として、それぞれの政策を競い合う。「国体」を前提としない政党は選挙で淘汰される(はずだ)。

しかし、そこにはともすれば「逸脱」が起こる。例えば政権党による専横、官僚による恣意的な独断専行、あるいは「番人」としての司法の機能不全、さらにはネオコンのような勘違い集団の登場など(なぜ勘違いかと言えば、自由と民主主義を強制的に、軍事力で押し付けるのはそもそも自由と民主主義ではない)、様々な脅威にさらされる。特に反「国体」政党が登場し、大衆的な人気を博す時は脅威だ。

このような時、小選挙区の一院制は危険だ。ワイマール共和国で選挙で政権を取ったナチスのようなことがないとは言えない。自由と民主主義は日本の「国体」であり、高々1回の選挙でひっくり返っていいものではない。政権をとったそのような政党が、例えば言論の制限のような自由と民主主義の「国体」をひっくり返すような政策を取ろうとするとき、それをチェックし、その前に立ちふさがる役目が、「第二院」にはある。

そのような「第二院」にするためには、制度もあるが選ばれる議員の考え方と資質が重要だ。「国体護持」への固い信念を持ち、時の権力におもねらない個人。政党や組織、自らの利害にとらわれずに、自由と民主主義のために信念を曲げない自立した人間が集り、議論する場所になる必要がある。イメージ的に言えば、昔の市川房枝さんのような人ばかりが集っている感じだ。

このような観点から、今回の選挙では筆者は政党ではなく候補者の考え方を見て投票した。地方区では二大政党以外の無所属候補に好感を持ったが、その理由は「憲法の役割」について唯一筆者と同じ考え(憲法観)を述べていたからである。

残念ながら落選してしまったが、参議院にこのような役割を担わせることができるのは、私たち有権者だけであることを忘れてはならない。

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登録日:2007年 07月 30日 10:53:21

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Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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