2007年 08月 27日

千代田図書館に見る創造者へのリスペクト

行政経営フォーラム向けの千代田図書館見学ツアーに参加した。

この図書館は今年5月に開館したばかりで、民間企業が指定管理者として運営している。
非常にユニークなサービスを展開しているので、機会があればのぞいてみてほしい。
http://www.library.chiyoda.tokyo.jp

以下に行政経営フォーラムのMLに投稿した筆者の感想を転載する。

「さて、感想第一弾ですが、まず私が感銘を受けたのは、「新刊のベストセラー本は1部しか置かない。購入希望本は吟味して決める」という点です。

この方針は千代田区側ではなく指定管理者側から提案したとのことです。一人当たり貸出数などの数字を上げたければ、ベストセラー本を大量にそろえれば簡単です。それをあえてしていない。

私の友人である作家さんから、いつも公立図書館の悪口を聞かされていました。無料の貸し本屋化していて創造者をリスペクトする気持ちがない、というのです。

つまり、これは多くの自治体の文化政策に共通することですが、芸術文化を生み出す創造者は、それによって生活しているにもかかわらず、時として自治体は市民要望の名のもとに、あるいは公平性の名のもとに、それを妨害することがあります。もし創造者が創造に全身全霊を打ち込んでも生活できるようでなければ、どうして優れた作品が生まれるでしょうか。

市民が要望するからと言って、自治体の図書館がベストセラー本を多数そろえることは、ただでさえ活字離れで経営が苦しい芸術文化産業としての出版社の足を引っ張り、作家の活躍の場を狭めます。これに類したことが、他の芸術文化の分野にもあります。

千代田図書館において指定管理者がそれを指摘してベストセラー本は1部のみという方針を打ち出し、利用者からの要望があるにも関わらず千代田区側がそれを了承しているのは、すばらしいことだと思いました。」

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登録日:2007年 08月 27日 00:47:27

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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