2007年 08月 29日

業務日報

このブログについてある方から、「仕事の動静がおもしろい」という感想をいただいた。
そこで今日一日の仕事を日報風に振り返ってみることにしよう。

10:00~
地元の私立高校音楽科の先生来社。来年の音楽科の定期演奏会企画についての相談。

彼は若くて熱心な教師だが、才能ある作曲家・演奏家でもあり、以前一緒に仕事をしたことがある。このような卓越した才能・技術を持った人が情熱を持って教えるのだから生徒は幸せだ。若いのに、「靴のかかとを踏むな」というような生徒指導もきちんとやっている。

創作活動と教師としての仕事の間で悩むこともあったようだが、以前、やはり一緒に仕事をした現代美術家の椿昇さんが彼に対して「教えることで創作のインスピレーションを得ることができる。がんばって両方続けることがプラスになる」とアドバイスしているのを聞いたことがある。椿さん自身現代美術の世界で国際的に高い評価を受けながら、長年ある私立中・高校の美術教師をしていた。経験に基づく説得力あるアドバイスだ。

11:00~
地元の県立公園を会場に開催されるアートアンドクラフトフェアの企画制作を担当しているマスコミ系イベント会社の社員が来社。弊社の協賛内容について打ち合わせ。

この社員は最初弊社広報部に持ち込んだが、けんもほろろに断わられた。それは当たり前で、全世界でマーケティング、広告宣伝を展開している弊社にとっては、本社所在地とはいえ一ローカルマーケットに過ぎない当地で、ブランドや商品イメージの向上のために協賛しろといわれても、何の意味もない。

この件は別ルートで筆者のところに回ってきた。筆者が言ったのは「もし、このフェアに協賛することが、社会貢献の一環としての地域文化貢献になるのなら、協賛にやぶさかではない。しかしそのためには、弊社が協賛することによりフェアの内容が充実するような企画が用意されねばならない」そして具体的に、弊社提供ということで会場内に野外ステージを造って、アートアンドクラフトにふさわしい音楽をやったらどうか、という知恵をつけた。

今日はそれに対する回答(コンサートの内容)を持ってやってきた。企業に協賛を依頼するときは、なぜその企業が協賛しなければならないのか、その理由をよくよく考えて提案してもらいたいものだ。

13:30~
市の文化施設の会議室で行われた市文化振興ビジョン策定委員会に出席。

県の文化政策審議会と比べると、市の方がより具体的で市民にとっても身近な内容を議論することになる。今日のテーマは「市の音楽文化の展開について」 1981年に市がはじめて基本計画に「音楽のまちづくり」を掲げて以来、それがいまどうなっているかの確認からスタート。座長からは「豊かな市民生活実現の視点」と「都市間競争を勝ち抜く視点」というふたつの議論の枠組みが示される。

率直に言えば、議論の内容は委員のレベルによって二極化している。豊富な知識を元にビジョンや戦略を語る委員もいれば、素朴な感想めいた意見を言う委員もいる。学識経験者や経営者もいれば公募市民もいる、若い人もいれば現役を退いた年配の人もいるのでこれはしかたがない。効率は悪いが、独りよがりにならずにわかりやすいものを創るためにはかえっていいのかもしれない、という感想を持った。

18:30~
前回の記事で書いた絵本カーニバルの実行委員会。場所は委員の一人の大学の先生の研究室。

大学生や院生がてきぱきと実務を進める発言もあれば、アーティストが思いや人生を語る場面もあってなかなかおもしろい。「大人の学園祭」の乗りである。企業の仕事と比べればいらいらするが、これもこのような活動には必要なプロセスなのだ。

さまざまな思いを持った人が任意に集まってひとつのイベントを作り上げようとしている。売り上げや利益という絶対の目標がないし、組織の指揮命令系統もないのだから、参加者の納得とやる気をひとつひとつ束ねていかなければ進まない。

団塊の世代の企業退職者は、このような物事の進め方に果たして耐えられるだろうか?

20:30~
参加者のうち大学の先生と市職員の3人で食事しながら意見交換。このような時間が実は大切なことは言うまでもない。

以上日報終わり。
(なお、勤務時間は8時15分から17時である。管理職のため、残業代はつかない。)

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登録日:2007年 08月 29日 23:48:44

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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