2007年 09月 24日
首都圏は別世界!?~東京JAZZで地方都市の文化政策を考える
写真は東京JAZZの併設イベントCIRCUIT2007ネオ屋台村スーパーナイトの会場、東京国際フォーラム地上広場ステージでリハーサル中の矢野沙織。
23日は東京JAZZ(TOKYO JAZZ FESTIVAL 2007)の夜の部へ。
ベニー・ゴルソンは渋い!
マイク・スターンはかっこいい!
ランディ・ブレッカーはすごい!
休憩時間に東京国際フォーラムホールAのロビーでビールを飲みながらガラス越しに高層ビルの明かりを見てふと考えたのが、首都圏は芸術・文化にとって別世界!?
イメージとして透明なドームに覆われ自己完結した別世界。
6時半から始まったコンサートは出演者と観客が乗りに乗って終わったのは11時。筆者の住む町なら確実にクレームが来るだろう。この別世界の中心部では、夜遅くまで多様な芸術・文化を楽しむことができるのだ。
しかしながら、筆者は首都圏が地方都市に比して文化度が高いとは思わない。帰りがけにお客の会話を聞いていると、「もう少し知っている曲をやってくれるといいのにね」という声が聞こえる。同じ出し物を筆者の住む町でやっても、まったく同じ声が聞こえただろう。また、これだけの充実した内容にも関わらず、5000席のホールが必ずしも満席になっているわけではない。これも筆者のいる町の2000席のホールでも同じような入り(入場率)になるだろう。
それでは何が別世界を形成しているのか。それは人口集積と交通だ。一都三県に約3500万人が住む。その他に茨城、栃木、群馬の南部と山梨東部が在来線・私鉄を利用した通勤圏になる。
これだけの人口があると、アクセスの良い中心部では、どんなに愛好者の少ない芸術・文化でも一定の観客を集め、成立することができる。首都圏が芸術・文化の愛好者の比率が高いから成り立つわけではない。筆者が各都市の公共ホールの自主事業を企画してきた経験から言えば、例えばほぼ同じ人口規模の春日部市と松江市、松戸市と金沢市を比較すると、後者のほうが芸術・文化に親しむ人の比率は多いと見受けられる。郊外の新興住宅地と比較して地方都市の伝統文化の蓄積は伊達ではないということだ。
それでも圧倒的な人口集積の差が、首都圏中心部において多様な芸術・文化イベントの開催を可能にしていると筆者は考える。
さて、それでは地方都市が芸術・文化によって活性化を図りたいとするならばどうしたらよいのか。その答えはやはりビルバオのグッゲンハイム美術館だ。つまり中途半端なことをやってはいけない。世界的に評価される超一流・超最先端の出し物を用意して人口の多い首都圏から集客するのだ。首都圏でもめったにないような、とんがったすごいものをやる(自称でなく世界が評価するもの)。地元で愛好者は少なくてもいい。首都圏から好きな人を集客する。首都圏だけに絞って徹底的に宣伝もする。
芸術・文化による地方都市の活性化はまず集客から始まる。役所風に言えば交流人口の拡大だ。次にそれをてこにクリエイティブクラスの定住を誘致する。その結果知識産業が活性化し、新たな雇用を生み、さらに人口が増える。これが戦略のシナリオだ。
実現できるかどうかは、地元の人にとってわけのわからないものをやることを、納税者に説得できるかだ。つまり芸術・文化による地方都市の活性化には半端ではない覚悟がいる。首長や行政の担当者がどこまで腹をくくれるかが成否を分けるだろう。
芸術・文化で別世界から観光客と移住者を誘致する。これに尽きる。
しかしながらそれには難題がある。それは・・・
・・
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カテゴリー[ 都市政策 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 09月 24日 01:22:33
- プロフィール
- Ryuichi Himori
- (男)
- ryuichi.himori@gmail.com
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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