2008年 02月 05日

非常識の常識

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あたらしい大阪府知事は、府債0を打ち出した。「お金がないなら、ある範囲でやるのが常識でしょう」とおっしゃっていたが、非常識だと言われて撤回した。今度は、「図書館以外の府の施設は不用、廃止や民間への売却を検討する」と言っている。これも非常識だと言われてしまうのだろうか。

何が常識で何が非常識か。筆者の考えるこれからの常識は次の通りだ。

1.国のお金も自治体のお金も同じ人間のふところから出ている。「国民」と「府民」という別の人間がいるわけではない。例えば府の「この負債の7割は国が元利とも面倒見てくれる」という言い分も、その国の金は同じ府民の懐から取ったものだ。

2.人口が減少し、経済は成長しない。だから今借金してそれを長期に渡って返そうとしても返せない。例えばインフラの整備をしたければ、今あるお金でやらなければならない。別の言い方をすれば、インフラに投資したら生産性が向上してその分で投資が回収できる、ということはもう起こらない。

3.従って公共事業の波及効果(乗数)は1倍である。維持管理コストがかさめば1を割り込む。ソフトへの公的資金投資も同じ運命をたどる。例えば税金で文化イベントを開催したら地域が活性化してそれが経済の活性化につながるというのは幻想である。

4.地方の公共事業を受注する土建業者や補助金を受ける事業者は弱者ではない。弱者とは何らかの理由で働けない生活困窮者である。

5.経済が成長しないのだから「呼び水」となることを狙う補助金、助成金は必ず無駄になる。助成期間が終わればもとの木阿弥である。「金の切れ目が縁の切れ目」である。また、助成金を当てにする民間企業は自立できずにつぶれる。大企業の企業誘致では助成金は決め手にならないので出し損である。

このような21世紀の常識に照らすと、新府知事が非常識だとは思えないのだが。

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登録日:2008年 02月 05日 22:52:45

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Ryuichi Himori
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団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事、(社)指定管理者協会理事長などいろいろ。公共経営・行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論などを研究しています。
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