2008年 06月 10日

優秀レポート

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筆者は大学で1年生を対象とする「現代企業と社会」という授業を担当している。
すでに8回行われた授業では会社とは何か、にはじまって財務や戦略、現代企業の変化に至るまで具体例を挙げながら一通り説明してきた。

そして先日レポート課題を出した。
タイトルは「株式会社オリエンタルランドは今後持続的に利益を増やすために何をすべか」  1200字 提出期限は1週間後。

授業では事前に株式会社オリエンタルランドすなわち東京ディズニーランドについて、基本データ、沿革、来場者数推移、損益計算書(10年間)、売り上げ原価内訳などを示し、解説している。レポートの目的は理解度を知るというよりはとにかく書かせる、ということである。

さて、提出されたレポートのひとつを読んで驚いた。書いたのは今年入学した女子学生、中国からの留学生である。

彼女のレポートの要旨はこうだ(提出されたのは1200字ちょうど)。

「来場者を増やし、売り上げを伸ばして利益を増やすのは難しい。注目すべきは売り上げ原価だ。売り上げ原価の比例(比率の間違い)が85%と高いが、その成分(構成の方がいいかな)の中でもエンターテインメント・ショー製作費の売上原価がかなり高い。
オリエンタルランドはエンターテインメント・ショーの企画製作を自分でやっているが、投資の負担が大きいのではないだろうか。これをいくつかのほかの会社に経営と企画を任せる。価格やアイディアで競争させ、安くていいところを複数採用し経営権、企画権を任せ競争もさせる。もちろんディズニーランドの風格(意味はわかるが、ここは品質かな)にあったものでなければならない。そのために評判(評価の間違い)することが大切だ。
経営企画権を任せるのでその会社の営業利益の何%かを獲得する(ロイヤリティーのこと)。この収入はそこから売上原価を引かれない純利益であるからオリエンタルランドの利益の効果は大きいと思う」

もちろんこの案が実際に有効かどうかは別だが、極めて戦略的かつ経営者的な発想である。売上成長を見込めないとしたら、このような案が経営の王道と言えるだろう。今年入ったばかりの中国人留学生がこんなアイディアを書いたことに筆者は素直に驚いたのである。

今、政府・自治体は指定管理者だ市場化テストだと大騒ぎだが、この留学生の彼女くらい物事が分かっている人が何人いるか、いささかこころもとない気がしないでもない。

それにしてもグローバルな時代はいろんな人が日本に来るものだ。

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登録日:2008年 06月 10日 23:05:41

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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