2008年 06月 15日

お金は銀行に預けるな!?

このブログでも再三書いているように筆者は投資というものを毛嫌いしている。

もらった退職金などもたんすに入れるのと同じ感覚で普通預金に入れたままである。インフレにでもなれば別だが、これで別に損したとは思っていない。

金曜日にはこの状態にたまりかねた預け先の銀行からFP担当と称する行員がやってきた。それはそうだ。この銀行は給与振込みと諸々引き落としの窓口として使っているだけだ。これで普通預金だけでは銀行もあがったりだろう。

以前は住宅ローンもあったが、デフレになったので残額を一括返済してしまった。このときはものすごい抵抗にあった。「返す金があるならそれで投信を買えばローン金利と利回りの差で負担が減りますから」という。アホか!こんな経済原則に反する提案をしているから銀行は凋落するのだ。

さて、やってきた行員は筆者の普通預金のままにしているのは確信犯(金融機関に儲けさせるだけの投資はやらない)でやっていることであり、他に資産もあるので老後の心配はしていない、という説明に二の句が継げなくなってしまった。

結局変額年金保険のパンフレットだけおいて帰っていった。これは国内国外の株、債権のインデックス連動(を目指す)投信で運用され、一応最低保障がある。しかしなんで筆者が運用会社と保険会社と銀行の三社にさやを抜かれる商品を買わなければならないのか。特に保険は割高だ※2。まあ銀行もこんなものでも売って手数料を稼がないと儲からないのだろう。

それはともかく行員と話していて、最近読んだ勝間和代著『お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践』光文社新書を思い出した。この本で、「日本人の金融リテラシーが低くくリスクをとった投資をせずに銀行や郵貯に預けたままにしておくので、お金が非効率な政府部門に回り余分な道路やハコモノができる」というのはうなずける指摘である。

しかしだから投信を買えといわれても「金融市場は非常に公正な市場で、勉強すれば勉強した人にリターンが必ず返るしくみになっています」という意見には賛成しかねる。恣意的な制度運用やインサイダー情報、株価操作で動かされる市場のどこが公正なのか?

ただ、ジョージソロスもそうだが、金融の人は本家本元だけに資本主義の限界をよく知っている。本書でも資本主義を市場原理だけにまかせておくと国家間あるいは個人の貧富の差の拡大や環境破壊を引き起こすとを指摘している。

それに対応するのに本書は「金融には、政治と同じように社会を変えうる力がある」と主張する。果たして本当だろうか。確かに、「政府も資本主義も以前のように私たちを守ってくれなくなった」という本書の指摘は正しい。私たちが年金などについて受身のままでいては身を守ることはできないだろう、というのはその通りだ。

しかしだからと言って社会的責任投資(SRI)を引き合いに出して、私たちの投資が投票と同じように社会を変える力を持つ、と言い切るのはいかがなものだろうか。
投資をしないで「定期預金などにお金を預けっぱなしにしておくということは、選挙時に投票に行かないことと同じで資本主義に対する責任を放棄している」と本当に言えるのだろうか。
なんだかコストを隠す投信の売り文句と同じように聞こえてしまうのだが※1。

・・・・・・・・
 ... 続きを読む

カテゴリー[ 団塊世代 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2008年 06月 15日 02:33:46

カレンダー
< 2008年 06月 >
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30




プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
最近のトラックバック
お気に入りリンク
検索