2008年 06月 17日
シューカツの真実 その5

さて、17世紀、18世紀のイギリスでは貿易船の水夫は航海ごとの契約だった。港に帰ってくると、水夫はもらった給料を酒場や売春宿で使い、なくなると次に乗り組む船を捜さねばならなかった。
もちろん見習水夫志願者も、自分が雇ってもらう船をどのように見つけたらいいかわからずに港をウロウロしていた。
そんな求職者の力になったのが「船員周旋業者(crimps)」と言われる人たちだ。港のパブやlodging-houseと呼ばれた安宿で、周旋業者は水夫の相談にのり、乗り込む船を見つけてやった。今のシューカツ用語でいえば「マッチング」ということだろうか。
ところがここに一つ落とし穴があった。周旋業者は水夫からは金を取らない。何のことはない斡旋した船の船主や船長から金をもらうのである。だから周旋業者は言葉巧みに「あの船は君にぴったりだ」「イジメもなく評判がいい」「船長の腕がよく、水夫にも儲けさせてくれる」などと吹き込んで水夫を乗り組ませた。出航してから話が違うと気づいても後の祭り、航海じゃなくて後悔先に立たずである。
待遇が悪く評判の悪い船や、航海の成功率が低い運の悪い船の船主や船長も、周旋業者に金を払って水夫を確保することができた。
なんだかこの話、現代のシューカツに似ている気がしないでもない。
さしずめ現代の船員周旋業者はここか↓
http://rikunabi2009.yahoo.co.jp/bin/NAVG21200.cgi
そういえばここも学生からは金を取らない。費用を負担しているのは・・・・
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登録日:2008年 06月 17日 17:40:46
シューカツの真実 その4

以前このブログで「シューカツの真実」というのを書いていたのだが、その後大学に転職して、インターシップ論の授業を持たされてしまった。
3年生が夏休みに企業に実習に行く準備のための授業だが、なんだか18世紀イギリスの見習い水夫養成学校の先生(引退した元水夫)になった気分である。
ここ3回は外部から講師を呼んでビジネスマナーの研修。あいさつやおじぎ、電話の掛け方などを訓練する。規律正しくきびきび動いて、大きな声ではっきりあいさつしないとマストから振り落とされてしまう。なんとかこの夏までに見習水夫志願者らしく仕上げねばならない。
個性の発揮だ自分らしさだ世界に一つだけの花だと言っても結局はこれをやらねばならないのだから、小学校から高校までの個性尊重教育も罪つくりなものだ。
その一方で今の学生は驚くほど自己アピールが下手だ。自己紹介書の自己PR欄がほとんど埋まらない。何を書いていいのかわからない、という。
学生「アルバイトしかやってないので。アルバイトを通して一生懸命やることは学びました」
筆者「アルバイトを一生懸命やるのは誰でもやっている当たり前のことだからね。アルバイトで自分が学んだというだけでなく、何かアルバイト先に貢献したとかいうことはないの?」
学生「そういえば、総菜売場だったので自分で見せ方とか盛り付け、並べ方を工夫して売り上げが上がりました。でもこんなことでいいんですか?」
筆者「それがいいんだよ!企業は言われたことをただ一生懸命やるだけでなく、自分から進んで創意工夫する人材を求めているから。このエピソードを通して自分がそういう人間であることをアピールしなければ」
学生「はあ、そうなんですか?」
こうやってひとりひとりその学生のいいところを引き出して自己PRをさせなければならない。あまりずうずうしいのも困るが、自己肯定感の希薄な若者に、引退水夫も四苦八苦である。
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登録日:2008年 06月 17日 02:10:12
- プロフィール
- Ryuichi Himori
- (男)
- ryuichi.himori@gmail.com
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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