2008年 10月 31日
多文化共生ってなんじゃいな

SHIBAさんからの多文化共生というカテゴリーを、というリクエストにお応えして新たに設けたのでこの機会に問題の本質を考えてみた。
「多文化共生」とはそもそもどのような問題なのかということは、一般にはほとんどしられていない。行政の内部で飛び交っている言葉にすぎない。そこで、そもそもこれは何なのかということを振り返って見よう。
この問題はそもそも1990年に出入国管理及び難民認定法が改正されたことに端を発している。
日本は移民を受け入れていない。外国人が日本に住み、就労しようとするには厳しい制限がある。外交、公用、教授、投資・経営、企業内転勤、興業など全部で16の在留資格があり、資格が認められてもその資格の範囲の仕事しかできない。
しかし上記16以外に以下の四つの在留資格があり、この資格なら就労は自由だ。
1. 永住者・・・在日韓国・朝鮮人
2. 日本人の配偶者
3. 永住者の配偶者
4. 定住者・・・インドシナ難民、条約難民、日系3世、外国人配偶者の実子など
1990年の改正で日系3世に就労自由の定住者の資格が与えられた。バブル当時、日本は人手不足に見舞われていた。特に3k職場(きつい・汚い・危険)の中小製造業は深刻だった。このため経済界からは外国人単純労働者の受け入れを望む声が相次いだ。一方で受け入れることによる日本人雇用の圧迫や社会不安への危惧も根強いものがあった。おそらく法改正はその妥協の産物だったのだろう。
その結果1991年には12万人のブラジル人、3万人のペルー人が定住資格を得た。2007年にはその数はブラジル人32万人、ペルー人6万人に達した。この人たちが、日本全国に均等に散らばって住む分にはそれほどの問題ではなかったかもしれない。しかし就労目的で来日した彼らは、群馬県、静岡県、愛知県など仕事のある地域に定住した。これらの地域では、文化の異なる人々のコロニー(集積)を抱え込むことになった。
つまり、就労を目的として特定の地域に集積・定住し生活を営む文化の異なる人々とどのように共生するか、これが多文化共生の問題の本質である。
今後少子化・高齢化が進み労働人口が減少する日本ではこの問題を避けて通ることはもはやできない。インドネシア人介護職やフィリピン人看護師など、深刻な人手不足を抱える職場で外国人就労の門戸が徐々に開かれつつある。若年失業者によるトルコ人移民排撃など文化摩擦による暴力が絶えないドイツの轍を踏むことは許されない。
多文化共生は私たちが想像する以上に差し迫った問題であり、今から解決の道を探り手だてを講じなければならないのだ。
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登録日:2008年 10月 31日 23:28:08
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- Ryuichi Himori
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- ryuichi.himori@gmail.com
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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