2008年 11月
日本アートマネージメント学会
土曜日は昭和音大で行われた日本アートマネージメント学会に行ってきた。
いろいろおもしろかったが、冒頭の青木文化庁長官(写真)の講演は特におもしろかった。
彼はなかなかのミーハーで、かねてからジョン・ウーのファンだが、レッド・クリフの東京国際映画祭の上演のとき会えてうれしかったのと、「文化庁長官の役得はほとんどないが、このときトニー・レオンと握手できたのは役得だった」とのこと。
そこで、今新たな東アジア文化圏ができつつあり、そこで大がかりなプロダクションを仕掛けるような人材をアートマネージメントとして養成してほしい、という希望を表明した。彼によれば、アートマネージメントには①グローバル②国③地域④個人の4つのレベルがあり、グローバルに活躍する辣腕アートマネージャーが必要だとのこと。例としてグッゲンハイム美術館のトーマス・クレンスや国立パリピカソ美術館のやり手アンヌ・バルダサリ館長をあげていた。
私も、アートマネージメントは、地方の公立文化ホールの自主事業をどうするか、というようなちまちました問題ではないと考えている。もちろん地域とアートの関係も重要だが、日本の文化が海外で高い評価を受けている今日、日本からグローバルに仕掛けるスケールの大きな動きが必要だ。大学のアートマネージメント教育はそのような人材を育てられるだろうか?
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登録日:2008年 11月 30日 00:45:54
指定管理者協議会発足

11月19日は指定管理者協議会の設立総会に招かれた。
この協議会は指定管理者になっている企業・団体37社が集まって設立されたもので、その目的は、会則によれば、
「本協議会は、指定管理者制度及び公の施設等の管理運営に関し、指定管理者、地方公共団体の知識、技術、ノウハウを高めるとともに、住民等を含めた関係者間の対話を通じた相互理解及び情報共有を深め、もって我が国における公共サービスの発展に寄与することを目的とする」
とのことである。つまりいわゆる業界団体、圧力団体ではなく、「指定管理団体が個々の利害を超えた立場から、官民連携による行政サービスの効率化と公共サービスの向上に貢献していくことを真摯に目指してまいります」(ホームページより)との趣旨の団体だ。
集まった37社・団体で全国で約400の施設を管理している。ちなみに37のうち民間企業が36、財団法人が1という構成だ。
私はこの団体の顧問に就任したので招かれたのである。ただの業界団体なら引き受けなかったかもしれないが、みなさん官民連携、住民との対話でパブリックを担っていこう、という志をお持ちなのでお手伝いしようと思ったのである。
総会では、顧問のおひとりである三菱総研地域経営研究本部長の鎌形太郎さんとともに、30分程度のパネルトークを行った。司会者の質問に対する私の発言の趣旨は以下の通り。
司会「指定管理者制度の導入自体をどのように評価しているか?」
桧森「三つある。①民間企業に自治体の仕事ができることを証明した。②民間企業のマネージメントノウハウが自治体の仕事にも有効であることを証明した。③施設の管理運営だけでなく、他の自治体の仕事にも広がっていくきっかけになるだろう」
司会「現在の主要な課題、取り組むべき問題はどういったものがあると考えるか?」
桧森「具体的には自治体の制度運用の問題と指定管理者側に起因するものなどいろいろあるが、根本的な問題は、制度の導入当時から自治体の財政がさらに悪化していることだ。自治体の再建ということになると指定管理者制度では追いつかない。施設の廃止、売却、転用などが必要となる。本当に必要な施設かどうかが問われる。それを証明することが、指定管理者にも求められる」
司会「指定管理者制度をよりよくしていくには、どういったことが必要か?」
桧森「官民のお互いの理解がまだまだ足りない。とくに、民は自分たちのほんとうの顧客は誰かを考える必要がある。顧客は施設の利用者や指定の窓口である自治体の担当者だけではない。施設を利用しない市民・納税者も顧客だ。そこにどう理解してもらうかが重要だ」
司会「この協議会は、どんな機能や役割を果たしていくべきか?」
桧森「三つある。①外郭団体にもぜひ入ってほしい。そして民間企業のマネージメントノウハウが伝播していってほしい。②現場からの制度への提言を制度作り、法改正に反映させる。③そもそも公共財・準公共財の管理運営だからそうそう儲かる商売ではないことはみなさんご承知の通り。もうからなくてもパブリックを担うのだという志を持ってやってほしい。それがこの仕事の資格だということを広める」
以上
協会の詳しいことは以下のホームページをご覧ください。
http://www.shiteikanri.org/index.html
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登録日:2008年 11月 29日 00:37:11
2兆円の使い道

アメリカでは今年減税分を納税者に直接小切手を送って返したが、消費は増えなかったため景気対策としては空振りに終わった。
何回も言うように景気は気分の問題なので、気分が沈んでいるときにわずかばかりの金を手にしても、余分なものに使おうとは思わない。日本の2兆円も空振りに終わるだろう。
それでは税金でできる景気対策はまったくないのかといえば、ほとんどないがまったくないわけではない。それは人やモノの流れを活性化させるインフラに投資することだ。それも需要の無いところではなく、潜在的に需要があるがインフラ不足で阻まれているところに投資する。当たり前だが、投資は投資したお金が世の中に回るだけでなく、投資したモノが効用を発揮することによって初めて効果が出る。
なんだそれでは無駄な公共事業ではないか、と思われるかもしれないが、少し違う。
山の中の、熊や猿しか通らない道路は需要がないから無駄だ。道路を造っても需要は生まれない。計画段階で作られる需要予測が嘘だということは作った役人本人が一番よく知っている。
山の中の道路は、仕事と収入のない山の人たちに、公共工事という地場産業を通して所得を得る手段を提供するものだ、という人もいる。しかしこれは間違った思いこみだ。
収入なら無駄な道路工事などやらずに、道路工事の費用を直接山の人たちにバラまくのが一番効率がいい。工事をやれば請け負ったゼネコン、下請け、孫請け、資材会社などに中間で搾取され、お金は山の外へ流れてしまう。土木工事の作業員として参加した人の懐にはわずかしか入ってこない。
しかもその道路は無用の長物であるばかりか、維持管理に費用がかかる。所得移転が目的なら、工事などやらずにその分のお金を直接山の人ひとりひとりに渡せば搾取もなく、一人当たり受け取るお金も大きくなるし貧富の差も生まれない。働かないでお金をあげるのはプライドが・・ということなら、そのお金で前の記事のくんまのかあさんたちみたいに商売を始めればいい。
じゃ公共投資はなにをやればいいのか?写真は私が車で大学へ行く途中で通る環状8号線瀬田付近の朝の渋滞だ。この環8は私が小学生のころから工事をしているが、いまだに全線完成していない。また大田区蒲田付近の京浜急行の開かずの踏切も、やった半分高架が完成したばかりだ。まったくこの50年間何をやっているのか。あまりにもふざけている。需要があるから渋滞するのだから、さっさと完成させれば経済効果は大きい。
この環8の渋滞を緩和するためには、東京外環自動車道を完成させることである。この道路が都市計画決定されたのは1966年、私が高校2年生のときだ。それなのに大泉~三郷間しか完成していない。大泉~東名ジャンクション間が昨年やっと基本計画路線に格上げされたが、完成時期はまだ不明だ。40年間かかってこの体たらくだ。完成すればその経済効果は計り知れないというのに。
いつも、環8の渋滞の中で、需要予測もへったくれもあるか!これが需要だ!と怒っているのである。2兆円の使い道はこれしかない。
道路族議員も喜ぶだろう。え?道路族は山の中の道路しか喜ばない!?
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登録日:2008年 11月 24日 16:16:05
ミスリードの可能性
【11月23日 AFP】警視庁は22日夜、17日にさいたま市と東京都中野区で元厚生事務次官ら3人が殺傷された事件に関連して、出頭した男を取り調べていると発表した。
警察は詳しい情報を発表していないが、共同通信(Kyodo News)は血のついたナイフを持った40代の男が出頭し、自分がやったと話していると伝えた。(c)AFP
マスコミはこれをテロであるかのように報道している。あるいは秋葉原との類似という見方も報じられている。
本当にそうだろうか?
裏社会はお金をもらって殺人を犯す人間を飼っている。ずっと飼い殺しされていていざというときに仕事をする。自首して刑務所で服役するのも仕事の内である。昔の豊田商事事件の犯人がその典型だ。結局仕事を命じた真犯人にはたどり着かない。
もし今回の殺人がお仕事だとしたら、依頼した側の動機はなんだろうか?もしかしたら利権がらみの警告・牽制かもしれない。厚生労働省にもさまざまな利権がある。その一部が反社会勢力の既得権になっていることがないとは言えない。もしかしたら厚生労働省の一部には警告の意味がわかっている人がいるかもしれない。
今の段階でマスコミがこのような可能性に言及せずに、一斉に一つの方向の可能性のみ報道するのは、真実の追求をミスリードする可能性がある。さまざまな可能性を追求すべきだ。
日本に、国民から負託された国家権力の行使が及ばない領域が存在しているとすれば、個人的テロや秋葉原より重大な問題である。なぜなら、犯罪が私たちの社会構造の一部をなしているのだから。なぜこのようなことも可能性として報道しないのか?まさか怖いのではないだろうが。
・・・・・
... 続きを読む
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登録日:2008年 11月 23日 10:35:04
ついでにもう一枚
東京国際フォーラムガラス棟7階からの眺め。
この建物に関してはいろいろ言いたいことはあるがとりあえず・・・
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登録日:2008年 11月 21日 01:33:44
新カテゴリー登場
なんとなく撮った写真をアップするために「本日の1枚」というカテゴリーを新設しました。
特に能書きはなく、撮った写真でこれは、というのをやや大きめにアップします。
写真は本日4時ごろ、夕日に輝く富士山、東名富士川サービスエリアにて。
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登録日:2008年 11月 20日 21:31:53
定点観測
今日11月20日はボジョレーヌーボーの解禁日。
ということで写真は今飲み干したばかりの2008年ボジョレーヴィラージュヌーボー。
ボトラーはブルゴーニュの名門で現在のヌーボーブームを作ったジョルジュ・デュビユッフ。同じボジョレーヌーボーでもボトラーによってかなり味が違うので、毎年の変化を見るためにいつも同じこのボトラーのものは飲んでいる。もう15年くらい続いている「定点観測」だ。
で、今年のヌーボーだが、例年にましてすっきりと飲みやすい。ただ、例年のものと比較してコクがやや足りない。ということは葡萄の糖度が足りなかったのかもしれない。でもヌーボーらしくて私はこういうのが好きだ。
とはいえ今年の評価は他のボトラーのものも飲んでからにしよう。皆様のご意見もお聞かせください。
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登録日:2008年 11月 20日 21:13:10
近場の中山間地域④竹炭
くんまは天竜川の支流阿多古川沿いにある。そこからまた車がすれ違うのも困難な林道をたどって峠を越えると浜松市北区引佐町に出る。ここも2005年に浜松市と合併したところだ。
このあたりまで来るとだいぶ町に近く、山といっても里山だ。山あいの農家の庭先をちょっと入ると、うちの奥さんが参加している竹炭を焼くグループの炭焼き窯がある(写真)。時々集まって近くの竹林から刈ってきた竹を焼いて炭を作っている。炭を焼くかたわらバーベキューをしたりちょっとした畑をやったり、中高年が楽しんでいるらしい。この場所は近所の農家が提供してくれている。
地方都市は、町からちょっと離れると都会人が野遊びができる場所がいくらでもある。いままで紹介してきた「近場の中山間地域」はすべて政令指定都市の中にある。せっかく合併したのだから、町と山の交流を盛んにすることによって中山間地を活性化するこがいろいろ考えられるだろう。
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登録日:2008年 11月 18日 23:17:37
近場の中山間地域③蕎麦
くんま水車の里・かあさんの店名物舞茸の天ぷらそば。
そばは細打ちと太打ちが選べるが、写真は太打ち。舞茸も地元くんま産だ。
かみごたえのある太打ちはしっかりそばの味がする。
往々にして田舎はそばがおいしくても汁がまずいことがあるが、ここはしっかりだしがきいていておいしい。洗練されている。相当研究したのではないかと思わせる。
小鉢のこんにゃくも自家製だがこれがまたおいしい。スーパーで売っているものとは別物で、こんにゃくとはこういうものだったのかと思わせる。帰りに売店で買って帰ったが、つくりたてで温かかった。
村興しで食材を扱う場合に大切なことは、客が(めずらしいと思うだけでなく)おいしいと思うかどうかだ、という単純な事実を考えさせられる。
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登録日:2008年 11月 18日 17:43:39
近場の中山間地域②くんま水車の里
白倉峡から車のすれ違いにも苦労するような細い林道をたどり、峠を越えるとそこは浜松市天竜区熊(くんま)、有名な「道の駅くんま水車の里・かあさんの店」がある。名物の蕎麦や五平餅をはじめ、地元の食材や物産を売る店は、たくさんの観光客を集め、繁盛している。
過疎化の進行に危機感を持ったくんまのかあさんたちが20年前に始め、いまでは全国的に有名な村興しの事例になっている。運営するかあさんたちは2000年にNPO法人夢未来くんまを設立し、施設の運営にとどまらずさまざまな地域活動に取り組んでいる。
http://www8.ocn.ne.jp/~kunma/
過疎化はその後もじわじわと進み、中学校も小学校も廃校になり、子供たちは毎日スクールバスで天竜区中心部の学校に通っている。しかしかあさんたちのがんばりで、水車の里には多くのお客さんが来るようになり、売上は7000万円を超えるという。現金収入の少ない中山間地域で、かあさんたちの稼ぎは貴重だ。
かあさんたちのいつも変わらぬホスピタリティあふれる接客と、メニューや物産に施された創意工夫が、どこかへ抜ける街道に面しているわけでもない「どんづまり」のこの集落に、リピーターを引き寄せる。
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登録日:2008年 11月 18日 17:19:27
- プロフィール
- Ryuichi Himori
- (男)
- ryuichi.himori@gmail.com
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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