2008年 11月 24日

2兆円の使い道

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アメリカでは今年減税分を納税者に直接小切手を送って返したが、消費は増えなかったため景気対策としては空振りに終わった。

何回も言うように景気は気分の問題なので、気分が沈んでいるときにわずかばかりの金を手にしても、余分なものに使おうとは思わない。日本の2兆円も空振りに終わるだろう。

それでは税金でできる景気対策はまったくないのかといえば、ほとんどないがまったくないわけではない。それは人やモノの流れを活性化させるインフラに投資することだ。それも需要の無いところではなく、潜在的に需要があるがインフラ不足で阻まれているところに投資する。当たり前だが、投資は投資したお金が世の中に回るだけでなく、投資したモノが効用を発揮することによって初めて効果が出る。

なんだそれでは無駄な公共事業ではないか、と思われるかもしれないが、少し違う。

山の中の、熊や猿しか通らない道路は需要がないから無駄だ。道路を造っても需要は生まれない。計画段階で作られる需要予測が嘘だということは作った役人本人が一番よく知っている。

山の中の道路は、仕事と収入のない山の人たちに、公共工事という地場産業を通して所得を得る手段を提供するものだ、という人もいる。しかしこれは間違った思いこみだ。

収入なら無駄な道路工事などやらずに、道路工事の費用を直接山の人たちにバラまくのが一番効率がいい。工事をやれば請け負ったゼネコン、下請け、孫請け、資材会社などに中間で搾取され、お金は山の外へ流れてしまう。土木工事の作業員として参加した人の懐にはわずかしか入ってこない。

しかもその道路は無用の長物であるばかりか、維持管理に費用がかかる。所得移転が目的なら、工事などやらずにその分のお金を直接山の人ひとりひとりに渡せば搾取もなく、一人当たり受け取るお金も大きくなるし貧富の差も生まれない。働かないでお金をあげるのはプライドが・・ということなら、そのお金で前の記事のくんまのかあさんたちみたいに商売を始めればいい。

じゃ公共投資はなにをやればいいのか?写真は私が車で大学へ行く途中で通る環状8号線瀬田付近の朝の渋滞だ。この環8は私が小学生のころから工事をしているが、いまだに全線完成していない。また大田区蒲田付近の京浜急行の開かずの踏切も、やった半分高架が完成したばかりだ。まったくこの50年間何をやっているのか。あまりにもふざけている。需要があるから渋滞するのだから、さっさと完成させれば経済効果は大きい。

この環8の渋滞を緩和するためには、東京外環自動車道を完成させることである。この道路が都市計画決定されたのは1966年、私が高校2年生のときだ。それなのに大泉~三郷間しか完成していない。大泉~東名ジャンクション間が昨年やっと基本計画路線に格上げされたが、完成時期はまだ不明だ。40年間かかってこの体たらくだ。完成すればその経済効果は計り知れないというのに。

いつも、環8の渋滞の中で、需要予測もへったくれもあるか!これが需要だ!と怒っているのである。2兆円の使い道はこれしかない。

道路族議員も喜ぶだろう。え?道路族は山の中の道路しか喜ばない!?

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登録日:2008年 11月 24日 16:16:05

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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