文化政策の授業

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春学期の文化政策の授業も佳境に入っている。

おととい、金曜日の授業は、

「既に説明したように、文化政策は文化を対象領域とした公共政策であるが、日本の公共政策は危機にひんしている」という説明から始め、数字をあげての政府予算(収入と支出)の説明や1000兆円の借金が積み上がった原因を解説し、さらに、人口見通しや社会的課題の増加、東日本大震災のインパクトなどについて説明する。その上で財政再建を進めるための4つの立場(1.増税+政府支出減2.増税+政府支出増3.増税+政府支出組み替え4.政府支出組み替え+成長戦略+将来の増税)と、民主党がやろうとして失敗したこと(3の立場)について説明する。

その上で、今の財政状況(及び東日本震災)を前提に、文化政策の以下の4つの立場を説明する。

1.文化政策は文化権に基づいており、医療や福祉と同じように絶対に減らすことはできない(現状維持)。
2.厳しい状況では文化政策より優先順位の高い政策があり、減らすことはやむを得ない(現状より減)。
3.厳しい状況の時こそ文化への投資は有効であり、積極的に増やすべきだ(現状より増)。
4.現状は維持すべきだが、内容は組み替えるべきだ。
5.その他の立場

その上で、ワークシートに1.自分が1~5のどの立場をとるかを書き、次に2.その立場を選んだ理由を書き、3.最後にその立場で優先する文化政策をひとつあげる、というワークを各自で行う。

次に5人くらいのグループになり、ひとりづつ自分の考えを発表した上で、ディスカッションを行い、グループの意見をひとつにまとめる。

最後にグループの代表者(約10グループ)が前に出て発表する。

予想通り学生の選択は2と4が多く、中でも4が一番多い。

そこで最後に、実際は4が一番困難であることを説明し、学生をびっくりさせる。

つまり、

1.現状維持は波風立たない。
2.減らすときは、例えば一律10%減らせば、皆一緒だからまあ仕方がない、となる。
3.増やすのは、自分のところが増えさえすれば文句はでない。
4.組み替えは、減らされる人と増える人が出てくる、あるいは今までの人は減らされ、新しい人に回されるために、絶対に文句がでてなかなかまとまらない。

ということが社会経験のない学生には思いつかないのだ。

そこでどうするか。来週は「第3の道」を説明する。というふうに授業が続くのである。

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登録日:2011年 06月 25日 23:28:45

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
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団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事、(社)指定管理者協会理事長などいろいろ。公共経営・行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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