集合的無意識の行方

とにかく新首相が誕生した。誰が首相になろうと日本が直面している課題とそれに対する対応策は変わらないので、それをやってくれるかどうかを日本の集合的無意識は見守っている。

現時点での集合的無意識はこんなところだろう。

1.今までゼネコン土建屋にばらまいてきた古い自民党に戻るのはいやだ。
2.成長路線(上げ潮派)はいまひとつ信用できない。成長すれば政府の負債は減るが、成長するための具体的手段は提示されていない。金をじゃぶじゃぶ提供するだけで(デフレは解消するかもしれないが)成長するわけではない。
3.だから増税はせざるを得ない。
4.しかし、増税の前提として今の予算配分のままでは納得できない。民主党政権発足時の予算組み替えはやってもらいたい。
5.野田さんが財務省の手先で財政規律を重視するのはかまわないが、構造改革と生活者重視(供給側より需要側)をしないでただ増税するだけでは日本は沈んでしまう。

1400兆円の金融資産を当てにした1000兆円の国の借金は限界に近付いている。超円高のもとで、資産は海外に投資されるだろう。そのリターンで国の借金を埋めることになる。それができるだけの知恵を私たちが持っているかどうか(生き馬の目を抜くグローバルマーケットで)が問われているのではないだろうか(でもその知恵はたぶんそんな難しいことではなく、私たちはすでに持っているだろう)。

とはいえ、少し補足しておくと、行動経済学を引用するまでもなく、景気は「気」から、というのは筆者が兼ねて主張していたことである。いま、集合的無意識は将来への漠然とした不安から金を使わない。だからリーダー替えて人心一新というのは手段としてあり得る。新しいリーダーは説得力ある言葉で端的にメッセージを発信することで、人々の気分を変えることが重要だ。

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登録日:2011年 08月 30日 23:19:58

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Ryuichi Himori
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団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事、(社)指定管理者協会理事長などいろいろ。公共経営・行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論などを研究しています。
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