政策形成過程のいいだしっぺは?~指定管理者、ゆとり教育、裁判員制度

指定管理者制度の発案は総務省自治行政局行政課、もっと細かく言えば第三係だ(おそらく)。この制度の政策形成過程にめずらしくガバナンスが働いているのは、おおもとが「骨太方針」だからだ。

平成13年の「骨太方針」に、「公共サービスの属性に応じて、民営化、民間委託、PFIの活用、独立行政法人化等の方策の活用を検討する」という一文がある。これが「閣議決定を経て内閣の基本方針」になったことから、それを受けた総務省の官僚が知恵をしぼって、自治体における民間委託拡大の方法を生み出したのがこの制度だ。

つまり、政治家が諮問会議を使って打ち出した「政策」の実現の具体策を考えたのが官僚、ということでこれが民主主義のガバナンスだ。市民は気に食わなければ政治家を選挙でとっかえればいい。

ところが選挙でとっかえられないのが官僚だ。

ゆとり教育のおおもとは、文部科学省の寺脇元大臣官房審議官だと言われている。それにお墨付きを与えたのが中央教育審議会だ。しかしこれは文部科学大臣の諮問機関で事務局も文科省という単独の行政機関だ。諮問に応じて答申を出すが、諮問も審議もすべからく官僚の根回しの結果であり、政治家の打ち出した政策の実現というガバナンスは働いていない。だからゆとり教育は選挙のない官僚がいいだしっぺだ。寺脇氏を気に食わなくても選挙で落とせない。(もっともいまはおやめになったが)。

さてそこで、不思議なのが裁判員制度だ。この制度のいいだしっぺが政治家とは考えにくい。市民が参加する身近でわかりやすい裁判制度確立は票にも利権にもつながるとは思えない。では誰か?官僚か?最高裁も法務省もめんどうだと思わなかったのか?いったい誰が言い出したのだろうか?謎が残る。

推理小説の世界では、その犯罪で一番得する者が犯人だ。ではこの場合、犯人は誰か?そして犯人にはどんな得があるのか?

カテゴリー[ 政治について ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2007年 01月 24日 12:48:30

コメント

裁判員制度の発案について議論されているブログを見つけました。ご参考まで。
いろいろ議論されています。
http://blog.nikkansports.com/general/yoshida/2006/12/post_226.html

macchan @ 2007年 01月 24日 22:00:08

macchanさん、情報ありがとうございます。指定管理者制度については総務省の人と話したことがあるのでルーツはわかりますし、ゆとり教育は中教審の審議過程を追えばかなりわかるのですが、裁判員制度だけは出生の秘密がよくわかりません。ウィキペディアには官僚による「国民支配の安定化」が目的、と書いてあるがそれもあまりにもうがった見方ですし。法律には「司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資する」とありますが、素直にそう考えればいいのか?謎は深まるばかりです。

himori @ 2007年 01月 24日 23:41:47

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団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
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