50億円クラブ

先日の記事「誰が投資などするものか」を見た友人から、「中身が甘いのではないか、大事なことが語られていないのではないか」という指摘を受けた。
そこで、なぜ自分が投資をしないかについて、もう少し補足しよう。
個人投資家が資産を運用する場合、その額の最低ラインは50億円だ。
先日テレビで20代で100億円を運用するデイトレーダーが出てきたが、本当の投資家は表には出ずに自分たちで50億円クラブというようなものを結成している。
50億円あれば何もせずに楽しく暮らすだろう、という庶民の感覚とはまったく違うメンタリティを持っている人たちだ。どんなに使ったって使い切れないのだから、むしろ増やすことに生きがいを感じているのだ。
50億円あればかなりのリスクを取って大きく増やすことができる。それ以下では取れるリスクも限られるため、結局は損するとになる。お金に稼がせることができるのはこのような人たちだ。
この人たちは必ずしも表に出ている経営者層ではない。本当の富裕層だ。発祥は恐らく土地本位主義時代の日本、すなわちバブルのころをくぐり抜けた人たちが主体だろう。
さて、いくら50億円クラブでも仲間内で取った取られただけをやっていてはゼロサムだ。自分たちがもっと儲けるためには、市場の参入者を増やさなければならない。カモが増えれば増えるほど、資産額で絶対優位にある自分たちの取り分が増える。
そのカモがどこから来るかといえば、「これからはリスク取って資産を運用する時代だ」と煽られてなけなしの退職金をはたく給与所得者だ。
投資は5千万円なら絶対損をする。50億円なら絶対得をする。
福井総裁はこのカラクリを承知していながら煽っているのだろう。日本にブラインドトラスト(公職にあるものがその期間中は資産管理を第三者に白紙委任して透明性の元に運用する)の制度がない以上、その動機が個人の利害と一致していると推測されてもしかたがない。
だから誰が投資などするものか、と言っているのだ。
50億円クラブは庶民からむしろうとせずに、仲間内のゲームにとどめていただきたい。
・・・・・・・・・・・・・
ちなみに写真は車の好きな50億円クラブの人がちょっとした趣味で買うフェラーリ599、価格は30,450,000円。フェラーリは2006年に日本で380台を売った。しかし、みせびらかし消費をする必要がないので、車にまったく興味を示さない人も多い。
ということで、格差社会と言われるが実は本質は所得格差ではなく資産格差のことだ。それについてはあらためて考えて見たい。
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登録日:2007年 03月 07日 00:07:06
コメント
アメリカ追随型経済の最も馴染めない形が、投資家最優先という気がする。
第1次産業、第2次産業のように働き手が見える産業は、まだ働き手への利益配分という考え方が成立するが、第3次産業?のうちの金融、投資という最近の大手を振って歩いている怪物たちには理解がなかなか及ばない。
やっと理解できている株式市場においても、上昇気流のとき(例えばバブル期)は損するひとは少ないが、下降気流や乱高下状態においては50億円クラスの大資本が特定企業に圧力をかけることにより株価の操作が可能で、考えられないキャピタルゲインを短時日にあげることができる。この数年の情報操作いんちきを含めて新聞雑誌ネタになった投資家集団はこれにあたる。
禿げ鷹ファンドと呼ばれるアメリカを中心とした投資シンジケートもこれだろう。要は50億円クラスの金が集まれば、株式市場もかく乱できるということだ。
連想ネタだが、シティーグループが日興コーディアルグループにTOBをしかけているようだが、中枢の政治化が証券市場への参入を歓迎するコメントを出している。本末を間違えてはいけない。日興Gが犯した経済上の犯罪はTOBで覆われて、不問になるのか?
個人投資家も整理ポスト必定からTOBでそこそこの株価で買い取られるので、株主訴訟はあきらめるのか?
ことほど左様に大投資家も個人投資家も結局儲かればいいのか?
macchan @ 2007年 03月 07日 20:00:33
macchanさん、コメントありがとうございます。お返事は詳しくは新たな記事でさせていただきます。ただ、ひとつだけ指摘させていただきますと、50億円の個人投資家というのは昔からいたのです。人数もかなりいるはずです。8割の富を2割の人が持つという8:2の法則に従えば、1500兆円の家計金融資産の80%は個人投資家が持っていると推測できます。1500×80%=1200兆円。一人50億円とすれば24万人。100億でも12万人。意外とそのへんにいる人たちです。ケインズが言っているように仲間内でやってくれる分にはどうぞ、ということですが、こちらを煽って巻き込まないでください、と言いたいのです。
himori @ 2007年 03月 08日 00:17:24
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- ryuichi.himori@gmail.com
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