寄付の概念

MIXIのアートマネージメントに関するコミュニティに、アートへの寄付の概念を問うトピがあった。アートへの寄付の財源は有限ではないか、という演劇・ダンスなどのフェスティバルをお仕事にしている方からの質問だ。

そこに書き込んだ筆者のコメントを転載する。

「こんばんは。アートとお金の話題にはかならず登場するのですが(苦笑)

コメントその1
アート活動は立派な営利活動でしょう。少なくとも個人事業主たるアーティストにとってはそうです。新石器時代の洞窟の絵描きにも専門家がいたという説があるくらいですから。ミケランジェロだってクライアントから注文をもらって書いていたのであって、好きに書きながら寄付をもらっていたわけではありません。アート活動団体は現代資本主義社会の分類では出資者に利潤から配当しなくてもいい、ということなら非営利活動かもしれませんが、村上隆さんみたいに会社を持っていればそれは立派な営利活動です。

コメントその2
企業の立場でいうと、寄付ではなく広告宣伝費にしてほしい。寄付はほとんどの場合課税対象になりますが、広告宣伝費で落とせれば経費になり、非課税になりますから。但し、経費ということになると、その出費がいかに社業にとって必要かを明確にしなければなりません。受ける側としては、アートなんだから援助して当然、という姿勢ではなく、その(個別特定の)企業にとっていかにプラスになるかという理屈を提示しなければなりません。

コメントその3
寄付にしろ経費にしろ、する側は自分の効用の最大化を目指しています。効用とは、いいアートを援助した満足感かも知れないし、そのような自分を世間にアピールすることによってイメージアップしたり尊敬を得たりすることかも知れません。だからアメリカの実演芸術団体や美術館などは、寄付する側の満足度を最大化するために、日本人の感覚からはあざといとも思えるほど徹底します。例えば、たくさん寄付すると特別のレセプションに招待されて出演者と歓談できたり、有名な館長と食事をしたりと額に応じた特典があります。

ということで、まずアートの中身が寄付あるいは協賛に値するだけの内容(客観的評価により)であること、次に寄付する側の満足度を高めるために不断の工夫をすること。そうすれば寄付の財源が有限ということはないでしょう。 」

みもふたもなく言ってしまえば、寄付もアート側から見れば売上なのだから、それにふさわしい価値を提供せよ、ということだ。それにプロとしてアートで生活しようと思えば、それは営利活動であることは自明の理なのだ。

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登録日:2007年 03月 27日 01:58:37

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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