現代のパトロン

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今日はジャズウィークの4日目。

昨日から「街のライブハウス」という企画が始まっている。市内に8軒あるジャズのライブをやっている店とタイアップし、期間中毎日どこかでライブを開催している、という企画。なにしろ地方都市のため、通常は月曜から木曜はやらないのだが、一緒にプロモーションをして集客を図る、ということで協力してもらっている。もちろんプロモーション以外は各ライブハウスの独立採算である。

さて、今日のライブは市中心部から車で20分ほどのところにある、不動産屋さんがオーナーの会場だ。出し物はトランペットの五十嵐一生カルテット。オリジナル曲中心のマニアックなコンサートだが100人近い観客が集まっている。一言でいえば素晴らしい演奏で堪能した。ジャズの芸術としての側面を垣間見たようだ。

地方都市でもこれだけの観客が集まり、これだけの演奏が聴けるというのは企画した甲斐があるというものだ。

ところでステージの後ろにあるのは木津文哉画伯の作品だ。ここのオーナーは日本では数少ない、芸術家のパトロンだ。音楽家に演奏の場を提供し、アーティストの作品を買い上げる。ライブハウスもオーナーの道楽である。

しかし現代的なのは、自分でコレクションするだけでなく、作家のマネージメントとアートのプロデュースをする会社を作ってビジネスにしていることだ。作家の著作権管理などもやっている。また、自社の手がける高級分譲マンションのモデルルームをアーティストの作品で飾ることにより、付加価値を高めている。ライブハウスも不動産の顧客への会員サービスという側面もあるようだ。

それでは、儲けるためにアートをやっているのかというと必ずしもそうではない。純粋に芸術と芸術家が好きなのだ。あくまでも、道楽を続ける手段として、ビジネスとからませているように見受けられる。なぜなら、現代のパトロンは、オーナーといえども好き勝手にはできないからだ。道楽にも理由付けが必要らしい。つまり、税金対策や従業員のモチベーションを維持することなどを無視できないのだ。とはいえ、それをむしろ自らのビジネスに積極的に役立てようとしている。

アートマネージメントにも、立場によってさまざまな側面があるが、このしたたかさを見習う必要はありそうだ。

カテゴリー[ アートマネージメント ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 13日 00:09:14

コメント

現代のパトロンは、とてもよくわかるお話です。
私の感覚ととてもよく似ています。

野住 @ 2007年 06月 15日 23:24:52

アーティストやマネージャーは、筋を曲げない範囲でどのようにパトロンのお役にたつか考えなければいけませね。というかアーティストに筋を曲げさせずにそれをうまくやるのがマネージャーの役割かもしれません。

himori @ 2007年 06月 18日 20:55:33

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Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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