参加型企画の切り札

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ジャズウィーク8日目、土曜日の企画は「佐藤允彦ジャズ塾」。
弊社の楽器店舗の中にある100席ほどのホールで行われる公開クリニックだ。

出演はジャズピアノの大御所佐藤允彦を塾長にドラム村上寛、ベース山田晃路という超一流トリオ。さらにジャズボーカルの第一人者伊藤君子が加わる。

これだけの豪華メンバーで、一般から公募で選ばれたアマチュアのピアニスト2人、ボーカル3人に観客の前でレッスンをつけるのだ。

やり方は、一人45分の持ち時間の中で、このメンバーをバックに演奏し、佐藤さんや伊藤さんがコメントし、レッスンをつける。それを2曲やる。アドバイスは歌い方や声の出し方から発音、顔の表情に至るまで微に入り細にわたる。その場で講師が実際にやって見せることもある。

プロジェクターで生徒が使う楽譜と歌詞が映し出されていて、観客はそれを見ながらステージで行われているレッスン(といっても小さなホールなのですぐ目の前で行われているのだが)の内容をより理解することができる。

講師のアドバイスによって見る見る良くなっていくのが素人にもわかり、人様のレッスンながら実に面白い。アマチュア参加型としては最も面白い企画だと思う。下手なアマチュアの自己満足を聞かせられるよりも、それが一度ずたずたにされ、再生していく過程を見る方がはるかにスリリングだ。

もちろん、講師が超一流の実演家であることが条件だ。その理由は実演家は聞いているお客様を楽しませることを意識してくれること、自分自身が理解し実践していることを教えてくれること、そして自らが素晴らしい見本をその場で見せてくれるからだ。

さらに言えば、この企画はアマチュアへのレッスンを通してジャズという音楽の成り立ちや、再演芸術とは何かを教えてくれる。クラシックもジャズも、多くの場合演奏家は他人が作った曲を演奏する。しかし演奏家は時間をかけて自分なりに曲を仕上げていく。試行錯誤を重ね(ここの音をどのようにするかなど一音一音を)作り上げていく。その結果完成した作品が本番の演奏だ。ジャズの場合はインプロビゼーションがある。しかしそこに至る過程で作り上げたものがあって、その上にはじめて即興があるのだ。その過程は抽象的なものではなく、極めて具体的である。

1曲ずつのアマチュアへのレッスンを通して、そんなことまでなんとなくわかるようになるのが、この企画のいいところである。公開レッスンはジャズだけでなくクラシックや吹奏楽でも行われているので、機会があればぜひ見てほしい。
・・・・・・・・・・・

なお、受講者募集はスィングジャーナル誌やジャズライフ誌に載せているため、全国から希望者が集る。今回の受講生の内訳は神戸市、岡崎市、宇都宮市、静岡県森町、当市とバラエティに富んでいる。こういう企画は全国から当市に来ることに情報発信の意義があるのであり、受講者を市民に限るのでは意味がない。

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登録日:2007年 06月 18日 23:50:40

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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