残すべき自然
長い間人間が住んでいる地域の自然とは、実は長い年月にわたって人間が手を入れてできあがった自然であり、人間と共生関係にあることが知られている。美しいイングランドの田園風景などはその典型だ。
筆者の家の近くにある小さな湖を取り巻く公園に、写真のような一角がある。これは里山の自然を保護している区域だ。このように奥まった低地の田んぼとその周りの低い丘陵の落葉広葉樹林は、昭和30年代までは都市近郊でも普通の風景だった。例えば東横線沿線でも日吉あたりではよく見かけた。
誰にでも懐かしさとやすらぎを感じる風景なのも、私たちのDNAに焼きついているからだろう。
縄文時代から薪を取り、炭を焼き、落ち葉を堆肥にするために営々と手を入れ造られて来た里山の自然。多様な生物を育んできたが、放っておけばうっそうと茂る常緑広葉樹(照葉樹林)というもとの植生に戻ってしまう。5000年の努力も50年でふいになる。
共生関係ということは、どちらかがなくなればもう一方もあぶないということだ。エネルギーなど経済的理由はもうないのだから、人間の手が入らない本来の植生に戻せという理論もあるが、やはり人間にとって居心地がいいのはこのような代償植生(半分人の手が入った植生)だろう。
少子高齢化で日本はこれからゆっくりと下り坂に向かう。宅地はもう必要ない。今こそ里山の自然を復元する時代に入ったということだ。福田さんはストックの時代と言っているが、里山の自然こそ日本人が創りだしたストックの代表ではないだろうか。
公共経済学から考えても外部性があると思うのだが、どうだろうか。
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登録日:2007年 09月 20日 22:08:07
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- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
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