日本の政治家と官僚のガバナンスについて考える

何事も一度相手の立場にたって考えて見ることで、様々な真実が浮かび上がるものである。
例えばこんな風に。
「ある北朝鮮高官のぼやき(あくまでも桧森の創作である)
2002年当時、我々はブッシュの「悪の枢軸」宣言に危機感を持っていた。また経済的困窮も極まっていた。事態を打開するには、アメリカから日本を切り離し抱き込んで、経済援助も引き出すしかないと思った。そのために相当な覚悟で国交正常化交渉に臨んだ。
障害は日本側が拉致されたと主張する行方不明日本人問題だった。これを認めることは国防委員長様と国家の対面を傷つけることになる。そのとき日本の交渉相手田中某はこう言ったという。「一部の者の暴走ということにすればよい。そしてとりあえず4~5人を一時帰国させる。その際国防委員長様が口頭で詫びの一言も言えば、日本の世論も収まるだろう。拉致問題を共同宣言に明記する必要もない。日本人も国防委員長様の発言の重みは充分理解しているから」「そうすれば世論も収まり、日本の首相も決断できる。2003年1月1日からの国交正常化と、年間16億ドル6年間の経済協力を約束しよう。私が責任を持ってやらせるから」
我が国交渉担当の国家保衛部第一副部長(日本ではミスターXと呼ばれていたらしい)はこの提案を恐る恐る国防委員長様に上げた。激怒されるかと思ったが、あんに相違して「小泉が平壌にきて頭を下げるのであれば、その案でよい」とのお言葉があった。小泉が来た時に、詫びを言わされた国防委員長様の憮然とした表情には背筋が凍ったものだ。
さて行方不明者を一時帰国させ、これで国交正常化が進むのかと思ったら、日本は約束を破って行方不明者を留め置いて帰さない。それどころか今度は家族も帰せと言う。田中某は、家族の顔を見れば国民の怒りも収まるだろう、という。第一副部長は真にうけて再び国防委員長様に「今度は大丈夫です。日本人も我が国のこれほどの寛大さに感激するでしょう」とお伺いをたて、承認された。第一副部長も必死だったのだろう。2004年、小泉がまた平壌に来て、国防委員長様と面会し、家族を連れて帰った。出国をいやがる脱走米兵も無理やり返した。
ところがそれでも国交正常化は進展しなかった。それどころか公式協議の場では「もっといるはずだ」などと難癖をつけてきて、これで手を打つという約束は完全に反故にされてしまった。日本を抱き込めない中で、2006年、イラクにおけるアメリカの苦境を見透かして核カードを切ったら、これがうまくいってアメリカの軟化を引き出した。もう日本は後回しでよくなった。
二回も国防委員長様の顔に泥を塗ることになった第一副部長は、気の毒に収容所送りとなった。果たしてまだ生きているかどうか。これをみて我が同僚の間では、日本と真剣に交渉しようという者はいなくなった。怖くてとてもできない。
それにしても日本というのは不思議な国だ。我が国の絶対権力者である国防委員長様の腹を読むことに失敗すれば、我々高官はたちまち粛清されてしまう。日本の絶対権力者は国民であるという。それなら、絶対権力者である国民の腹を読み違えた高官は無事でいられるのだろうか。何のお咎めもなかったらしいが、実に理解しがたいことである」
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登録日:2007年 11月 07日 12:03:28
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- ryuichi.himori@gmail.com
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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