大阪市長選に見るマスコミと大阪市民の不明

少なくとも筆者が住む地域では、大阪市長選は「福田政権誕生後初の大型選挙」「福田政権と小沢民主党の今後を占う選挙」と報じられた。

この見方は間違っている。

今回の大阪市長選は、大阪市政改革マニュフェストの賛否及びこれまでの大阪市政改革の成果を問う現職候補と、それに反対する候補者との戦いであり、「自民対民主の総選挙の前哨戦」などではまったくなかった。

本当の争点を報道しても全国紙の読者には興味は湧かないだろうが、それでも事実を報道するのはマスコミの義務だと思うのだが、今時そうではないのだろうか。。

さて、結果は民主党の押す候補が勝った。これで市役所の労働組合の既得権は復活するだろう。同和団体との癒着も復活するだろう。地下鉄民営化はできないだろう。改革と市民サービスの向上へ向かっていた市職員の意識も萎んでしまうだろう。市役所社会主義の復活だ。それほど首長の力は大きいのだ。

危機的な状況にある大阪市の財政は、職員と市民への大盤振る舞いでさらに悪化し、大阪市は日本のお荷物になるだろう。これも「顔を知っている元アナウンサー」を選んだ大阪市民の自己責任である。

カテゴリー[ 政治について ], コメント[5], トラックバック[0]
登録日:2007年 11月 19日 08:53:32

コメント

全く同感です。私もブログに書きました。よろしければご覧下さい。
とどのつまり、この国の国民は「自分」がないのです。

大阪は終わりましたね。
ただ…気に食わなければ引っ越すことができるわけで…大阪がどんどん悪化しても「俺には関係ない」と引っ越してしまえばそれで終わり。まさに無責任。

誤解を恐れずにはっきり書くと、政治教育を怠ってきたツケが今まさに噴出し始めているという気がするのです。

handa @ 2007年 11月 19日 12:36:54

半田さん、ブログ拝見しました。私も同感です。たまたま今日は県生涯学習審議会のワーキンググループで審議会答申の検討を行いました。審議会では大人はあきらめて子供と若者をなんとかしよう、ということで「社会参加に向けた学習の必要性」を答申する予定です。書き出しは「民主主義の下では、自立した個々人が社会の担い手としての責任を負っている・・・・」という調子。成果がでるには長い道のりですが。

himori @ 2007年 11月 19日 18:05:18

大阪市民ですが、『大阪市民の自己責任』は敢えて承知の上です。
他の地方の方は、他人事だから好き放題書くのは別にいいんですけどね。

政党間の戦いでないのは、というよりか、
なんだか知らんけど政党間の戦いになってもた、が正解と思いますが。

ただ、平松氏も勝ったからといって市民の空気を読まないようでは、
駄目ですが。いまのところの言動では、なんか空気読んでない様子。
勝って兜の緒をゆるます?

関氏の改革は、何をいまさらって感じでした。
実行するのが2~3年遅すぎた。
改革というよりも、当たり前のことができなかった大阪市が、
やっと当たり前ぐらいにはなったというぐらいです。

しかも、改革するまではそういう当たり前のことができなかったことに加担していた関氏ですから。
いままでの責任の所在も不明確。

もうひとついえば、市役所が改革という自己陶酔に陥って市民のことはそっちのけだったように思います。

それと、次の改革をみても、あまりにも『民』の視点がなさ過ぎました。
hiromori様、地下鉄が民営化した時のメリットって一体なんですか?
それ自体でさえ、『民』に対するアカウンタビリティがあまりなかったと思います。

創造都市構想といい(このことも後で書くと書いてましたが)、
地下鉄民営化の話といい、
『産官学』はあっても『民』をそっちのけにしたような政策ばかりでした。

教育の話もわかりますが、今ではその政治を教える人がいませんね。
電子申請もそうですが、子供のときから使い方などを教育しておけば、
今ほどひどくならなかったでしょうね。
いかに使いづらいかが早期にわかるはずなのにね。

話が脱線しましたが、
最後にこれで改革が終わったというようでは、
今までのことはただの改革遊びにしかすぎないということでしょう。
もし、このことを乗り越えて、真の改革ができるようになったら、
それこそ市民としても自慢できる市役所職員になれると思います。

長文、失礼しました。

しろくま @ 2007年 11月 19日 20:59:59

しろくまさん、コメントありがとうございます。こういうコメントをいただけるとブログを書いている甲斐があるというものです。

さて、大阪市といえでも財政の多くは国に拠っており、つまり全国の国民の税金が投入されています。従って関心を持たざるを得ません。

大阪市の改革はおっしゃるようにやって当たり前の内容です。しかし今度当選された方はそれに反対されているので、やっと当たり前に向かっていたのに、また当たり前ではなくなってしまうのか、とがっかりしている次第です。

市民がどう思おうが市役所改革は続けなければならなかったと思います。市民不在だろうがなかろうが、関係ありません。市民目線だろうがなかろうが、過去の責任者がだれであろうが、連結ベースで見た大阪市役所の財政は惨憺たるものです。

地下鉄民営化のメリットは単純に市の負担が10年間で(敬老パスなどを続けても)四分の一になる、ということです。市民にとっては、便利なるわけでも不便になるわけでもないのでどっちでもいいと思いますが、負担が軽減されるだけでも市役所としてはやる必要があります。

もちろん、一部の市役所の人たちは、やっと始まった改善運動やサービス向上などがんばって続けるでしょうが、大きな改革は市民の付託を受けた政治家である首長しか意思決定できないことが大部分です。採用凍結の解除など市長が決めればそれで終わりです。

新市長が大阪市のあまりの惨状に気づき、同じような改革をやらざるを得ないと思えば別でしょうが、労組の支持を得ているようでは期待薄でしょう。その意味で改革は終わったと思わざるをえないのですが、いかがでしょうか?

himori @ 2007年 11月 21日 22:42:05

さて、いつも私のブログを読んでいて時々感想を直接送ってくれる古い友人から、「しろくまさんの言う通りではないか、という趣旨のメールが送られてきました。一部抜粋して引用します。

「桧森のブログの「しろくま」さんの言うとおり、冷静になって「民間でできるものは民間に」「役人天国反対」なるスローガンに惑わされること無いようにお願いします。
・・・・・略
民営化ではなく「本当の意味での公共性の回復」でしょう。
これ以上、ムダな事をやっていては自然環境がおかしくなってしまうのですよ。
組合と市長が再び結託してダラダラ仕事をやってムダな給料をもらって午後2時から、遊んでいては自然環境がおかしくなってしまうのですよ。
・・・・・・略
この間サブプライムローン問題のメ-ルをしましたが、資本主義が需要を作り上げすぎてしまったのです。格差の固定化をしすぎてしまったのです。
・・・略
どうやってこの「ムダな需要」をこれ以上拡大させないか。
であって、民営化による数字的なムダな排除、更には株式公開による拡大再生産の道ではないのです。
・・・略
大阪は死んだ、などといっていないで、
「役人の活用、役人の再教育、労働組合の再教育」ということに目を向けてください。
大阪の根幹たる川と平野という地味の豊かさを基礎にした地域が崩壊の危機に瀕する、という事態に至り、まったく同じパターンでの景気回復、問題先送りを繰り返すわけにはいかなくなっています。太古の昔からの大阪の自然が本当に滅んでしまうということです。
成長路線、パイを大きくするという路線もいかにナンセンスか。
なんと言っても、大阪の自然の回復、調和、そのために、どう予算を構成するか、税金を使うか、大阪のヒートアイランドをどうするんですか。
いまや、国際市場路線は、立ち止まるのですよ。エセ民営化路線は退場するのです。
こうしたことを軸に大阪の組合、役人を説得して、どういう行政組織、行政行動を造っていくかが「改革」でしょう。」

確かに冷静に考えて見れば、全市長は自民党、公明党の支持を取り付けるために大幅な妥協をしてしまっているし、このまま当選してもたいしたことはできなかっただろう、という見方もあります。
また本質が民営化ではなく「本当の意味の公共性の回復」にあるのは私の持論でもあります。
また大阪市にも心有る公務員がたくさんいて、私の友人が考えているようなことを考えている人もいます。行政経営フォーラムにも仲間がたくさんいます。

しかし、役人の活用、役人の再教育、労働組合の再教育、ということになると、新しい首長もとではなかなか大変なことだな、というのが感想です。とはいえめげずにがんばりましょう。友人の言う課題はまったなしですから。

himori @ 2007年 11月 22日 12:56:54

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Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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