教科書を作ろう

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ここはある大学の中にあるおしゃれなカフェ。

なにやら打ち合わせをしているのは、コンサート制作のテキストを作ろう、ということで集まった関係者である。

クラシックコンサート制作のテキストというのは、ありそうでない。

文化政策やアートマネージメントの本は、ほとんど具体論には踏み込んでいない。たまにそのような本があっても、著者のよく知っていることは異様に詳しく、それ以外はさらっと流されていてバランスを欠くものが多い。

クラシックコンサート制作のプロセスは、多くの異なる専門家がプロセスの特定部分を担っているのであり、全体を俯瞰してコントロールする職種がないので、そのような視点から書かれた本もない。しかし大学でも、コンサート関連の企業やコンサートホールでも、総合的且つ実務的な教科書の必要性が言われているとのことだ。

その点、資金調達から楽屋の弁当まで、アーティストの気持ちから行政の仕組みまで、一通りのことを知っているのは筆者ぐらいだろう、ということでたたき台を作ることになった。

実際に作ることになったいきさつはここでは省くが、とりあえず筆者が考えたのはこのようなコンセプトである。

「クラシックコンサート制作の基礎知識」(仮題)

■本書の狙い
本書のターゲットを「クラシックコンサート主催者の養成」におく。今後は公共ホールだけでなく、リスクをとるアートNPOや市民団体など多様な主催者が生まれることがコンサートを増やし、アーティストや音楽事業者を活性化する。アートマネージメントを学ぶ学生にとっても就労機会の拡大につながる。指定管理者の時代にも対応し、販売数も見込める。
本書は1.市場・環境、2.制作実務、3.展望と提言の3部構成とし、読者にとって、コンサート全体の現状と将来を俯瞰しながら、実務としての制作の指針の役割を果たすことを目指す。

■第一部の狙い
世界的と日本のクラシック音楽の潮流(音楽とビジネス)、クラシックコンサートの市場(比較)、現状のクラシックコンサート成立の構造を明らかにすることで、制作の前提となる環境全体を把握する。

■第二部の狙い
クラシックコンサートの制作プロセスを追いながらそれぞれの実務について解説し、コンサートプロデューサーのマニュアル的使用に耐えうる内容とする。

■第三部の狙い
クラシックコンサートを担う主体それぞれの立場から、今後の展望と提言を述べてもらう。必ずしも整合がとれている必要はない。むしろそれぞれの立場でコンサート主催者に提言してもらうことが需要である。

このような本があれば、将来実務担当者(例えば音響専門家など)に進む人でも、自分の業務の位置づけを知ることができる。また、アーティストのたまごにとっても、コンサートがどのように成り立っているかを知ることは大切だ。もちろん、主催者候補としては、各専門家に発注するときの「勘所」を学ぶことができる。と考えたのだが、どうだろうか?

ここでは詳しく明らかにできないが、一応章立て案も作ってある。テキストを作るのは、言うは安く大変な作業だが、できるだけ早く完成させたいものである。

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登録日:2007年 11月 27日 21:24:53

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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