多文化共生とは

木曜日は授業のあと新幹線に飛び乗って県生涯学習審議会へ。
2008年2月29日のエントリーで書いたとおり、今年の審議会のテーマは多文化共生である。
これは早い話が県内に住む外国人労働者とどのように共生するか、ということだ。
今回も小学校教諭の委員や在日日系ブラジル人の委員から現場における興味深い報告があった。
ひとつは、小学校低学年に日本語もポルトガル語も不自由な子がいる、ということ。就学前にポルトガル語も十分発達しないうちに日本に来て、両親は日中働きに出て会話も少なく、日本語の習得も不十分なうちに小学校に上がる。そうなると生活用語としての日本語は自然に習得できても、学習用語としての日本語はほとんど習得できないうちに学年が進んでしまう。
ふたつめは、中学に上がって勉強についていけない子供がドロップアウトしてアルバイトなどで働く。単純労働しかできないのでそのうち飽きてブラジルに帰る。帰るとブラジルでは同学年の子が中学、高校、大学と進学して様々な職についている。日本から帰った子供は学力がなくてブラジルでも働き口がない。することがないので日本でためたお金を湯水のように使う(貨幣価値が違うので使いではある)。しかしやがてお金はなくなるのでまた日本に戻って単純労働で稼ぎ、ブラジルに戻る。このようにピンポンのように日本とブラジルを往復し、どちらの国でも中途半端な青年ができてしまっている。
ブラジル人の親は、中には教育熱心で日本の、あるいはブラジルの教育をきちんと受けさせたい、と考えている人もいるが、子供のことはブラジルに帰ればなんとかなるだろう、と甘く考えている人もいる。日本の公立学校を出稼ぎの間の安い託児所くらいにしか考えていない。
ブラジル人学校の経営者の委員からは、ブラジル人学校の学費は高いと言われているが、そういうブラジル人の家庭には新車があり、高価な家電製品であふれている、という指摘もあった。
日系ブラジル人が日本に働きににくるようになって20年、問題は指摘されるが状況は変わっていないとのことだ。
将来的には日本は外国人労働者を移民として受け入れ、多文化国家になっていかざるを得ないだろう、と筆者は考える。そのために、今からブラジル人子弟のキャリアパスをしっかりつくり、そのステップごとに必要な支援をしていく必要があるだろう。
幸か不幸か多文化共生先進県(つまりとにかくブラジル人労働者、ペルー人労働者がたくさんいる)である以上、この問題で外国人労働者子弟キャリア教育において日本のモデルになるべきだろう。というようなことを会議では発言したのだがはたしてどうなるか。子どもたちの将来のキャリア形成をみんなで考えるときにきている。
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登録日:2008年 06月 08日 01:45:02
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- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
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