カテゴリー [アートマネージメント]
年末のアートマネージメント
年末は会社のカレンダーを持ってあいさつ回り、という人がうろうろしているが、筆者も58歳にしてこれをやっている。
どこを回っているかというと、毎年6月に開催するジャズフェスティバルのプログラムに広告を載せてくれる協賛企業だ。全部で約120社を二人で手分けして回る。
持って行くのは、カレンダーの他に来年のジャズフェスの簡単な企画書と出演者のCD。
広告のお願いに回るのは3月だが、こういうものは1年に1回ではだめだ。常に相手とつながっている感覚を維持することが大切だ。また、この時期に回れば転勤など相手の状況もわかる。アポなしなので会えないことも多いが、名刺とグッズを置いてくることに意味がある。
アートマネージメントも営業努力が大切な世界ということだ。
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登録日:2007年 12月 18日 00:53:35
教科書を作ろう

ここはある大学の中にあるおしゃれなカフェ。
なにやら打ち合わせをしているのは、コンサート制作のテキストを作ろう、ということで集まった関係者である。
クラシックコンサート制作のテキストというのは、ありそうでない。
文化政策やアートマネージメントの本は、ほとんど具体論には踏み込んでいない。たまにそのような本があっても、著者のよく知っていることは異様に詳しく、それ以外はさらっと流されていてバランスを欠くものが多い。
クラシックコンサート制作のプロセスは、多くの異なる専門家がプロセスの特定部分を担っているのであり、全体を俯瞰してコントロールする職種がないので、そのような視点から書かれた本もない。しかし大学でも、コンサート関連の企業やコンサートホールでも、総合的且つ実務的な教科書の必要性が言われているとのことだ。
その点、資金調達から楽屋の弁当まで、アーティストの気持ちから行政の仕組みまで、一通りのことを知っているのは筆者ぐらいだろう、ということでたたき台を作ることになった。
実際に作ることになったいきさつはここでは省くが、とりあえず筆者が考えたのはこのようなコンセプトである。
「クラシックコンサート制作の基礎知識」(仮題)
■本書の狙い
本書のターゲットを「クラシックコンサート主催者の養成」におく。今後は公共ホールだけでなく、リスクをとるアートNPOや市民団体など多様な主催者が生まれることがコンサートを増やし、アーティストや音楽事業者を活性化する。アートマネージメントを学ぶ学生にとっても就労機会の拡大につながる。指定管理者の時代にも対応し、販売数も見込める。
本書は1.市場・環境、2.制作実務、3.展望と提言の3部構成とし、読者にとって、コンサート全体の現状と将来を俯瞰しながら、実務としての制作の指針の役割を果たすことを目指す。
■第一部の狙い
世界的と日本のクラシック音楽の潮流(音楽とビジネス)、クラシックコンサートの市場(比較)、現状のクラシックコンサート成立の構造を明らかにすることで、制作の前提となる環境全体を把握する。
■第二部の狙い
クラシックコンサートの制作プロセスを追いながらそれぞれの実務について解説し、コンサートプロデューサーのマニュアル的使用に耐えうる内容とする。
■第三部の狙い
クラシックコンサートを担う主体それぞれの立場から、今後の展望と提言を述べてもらう。必ずしも整合がとれている必要はない。むしろそれぞれの立場でコンサート主催者に提言してもらうことが需要である。
このような本があれば、将来実務担当者(例えば音響専門家など)に進む人でも、自分の業務の位置づけを知ることができる。また、アーティストのたまごにとっても、コンサートがどのように成り立っているかを知ることは大切だ。もちろん、主催者候補としては、各専門家に発注するときの「勘所」を学ぶことができる。と考えたのだが、どうだろうか?
ここでは詳しく明らかにできないが、一応章立て案も作ってある。テキストを作るのは、言うは安く大変な作業だが、できるだけ早く完成させたいものである。
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登録日:2007年 11月 27日 21:24:53
オーケストラがやってくる。でも・・・

さて、前の記事のホールには来月マリス・ヤンソンス指揮バイエル放送交響楽団がやってくる。
http://www.hcf.or.jp/jigyo/jigyo2007/jansons.htm
ここのところこのホールにきたオーケストラ公演ではベストだと思うのだが、チケット販売は苦戦しているという。知り合いの音楽ファンに聞くと「チケットが高い」という。主催者の文化振興財団にもそのような声が寄せられているそうだ。
ほんとうにそうだろうか?今回のツアーの各会場の料金を比較してみよう。
このホール サントリーホール 川崎ミュゼ フェスティバルホール 豊田市
S15000 S27000 S21000 S17000 S20000
A12000 A22000 A17000 A14000 A17000
B 9000 B17000 B13000 B10000 B14000
C 2000 C12000 C 8000 C 7000 AB学生半額
学生席有 D 7000 D5000
Bプロ 3公演共通 Aプロ Bプロ Aプロ
(一部別プログラム)
さて、このホールに近い豊田市はほぼ完売だそうだ。豊田市民が高いと思わなかったのはなぜだろうか?豊田市の方が文化度が高いのか?
これを聞いて筆者はプログラムの問題ではないかと思った。
Bプロ
Rシュトラウス 交響詩ツァラトゥストラはこう語った
ブラームス 交響曲第1番
Aプロ
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ソリスト サラ・チャン
ブルックナー 交響曲第7番
招聘元としてはBプロはややマニア向け、Aプロはやや一般向け、価格はソリストの分やや高めに設定したのだろう。このホールはついうっかり価格が安いBプロを買ってしまったのだ。
地方都市にいる普通のお客さんとしては、ヤンソンスのバイエルン放響がいいのはわかっているが、曲目は出だしはともかく(有名な映画2001年宇宙の旅の冒頭のアレだ)途中で眠くなることが確実なツアラトストラより、よく知っているメンデルスゾーンを美人ヴァイオリニストで聴きたいと思うのが人情だ。5000円高くてもそっちに行くだろう。
この辺の「普通の音楽ファン」のニーズを読み違えないことが大切だ。
でも、すばらしい演奏で眠くなることはないと思うので、せっかくの機会だからぜひ聴いてほしい。地方都市で生で聴けるというのはありがたいことである。
(AプロBプロは筆者が便宜的につけた名前である。)
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登録日:2007年 10月 20日 12:24:22
公立文化施設自主事業研修

今日は(もう昨日か)下記のタイトルの研修の講師をした。
以前の記事でファシリテーターなどいらないと言っておきながら、自分でグループワークのファシリテーターをやっているのだから世話はない。
なぜこのような内容にしたかというと、ひところ、公立文化ホールは自主事業をやればやるほどいい、という風潮があった。しかし厳しい財政状況の中で、事業を厳選する必要が出てきた。一方でコンサートや音楽イベントを自ら企画する市民が成長している。自分たちが見たいもの、見せたいものをホールを借りて自分たちで企画・実施する。
このような状況では、単なる鑑賞型事業の買い公演ではなく、ホールの目的を体現するオリジナルの自主事業をゼロから企画する必要がある。また、指定管理者の時代には、ホールは自主事業によってクライアントであるホール設置者の意図を実現しなければならない。そのような企画ができるコンサートプロデューサー人材を早急に養成する必要がある。
そのために考えたのが下記の研修である。
研修名:県公立文化施設協議会自主事業研究会
タイトル:「オリジナル自主事業を企画・制作する」
■基調講演
1.はじめに
1自己紹介
2本日の進め方
① 基調講演「オリジナル自主事業を企画・制作する」
・コンサート制作の全体像
・企画の方法
② グループワーク
・テーマを決める
・グループごとに企画コンセプトを作る
③ 発表
・プレゼンテーションと「突っ込み」
④ 意見交換・質疑
2.コンサート制作の全体像~コンサートプロデューサーの視点
1主催者は誰か(コンサートのリスクをとる者とその目的の見極め)
2コンサート企画の手法
3プレゼンテーションの手法
4コンサートの制作
5ファンドレイジング(資金調達、チケット収入を除く)
6印刷物の作成
7広告・販促
8入場券の販売
9コンサート当日の運営
10コンサート終了後の業務
11おわりに
自主事業では、公立ホールは主催者だが、指定管理者の時代にはコンサートプロデューサーの視点を持つべきである。
3.企画とは何か
1指定管理者制度における、公立ホールの自主事業企画とは何をすることなのか?
クライアントの意図を実現すること
つまり自主事業主催者はコンサートプロデューサー
2クライアントは誰か?
市民・納税者と、権限を付託された行政(議会、首長、担当部局)
3意図とは何か?
政策(施設の設置目的、その他期待されていること=Policyであって総合計画ではない)
4誰が企画するのか
5企画のステークホルダー(関係者)
6企画のサイクル
4.オリジナル企画の方法
1企画の流れ
2企画コンセプトの立案
企画シートを使って筆者が実際に企画したオリジナル企画のコンセプト出しを実例紹介
オリジナリティーのある企画を生み出す実践的な方法の解説
3主催者が押えるべき構成・演出のポイント
4進行台本のポイント
5.企画の実現
1アーティストについて
2マーケティングについて
3資金について
4広告宣伝について
6.グループワークの説明
1あなたの懸案になっている企画について、
企画シートを使って企画コンセプトを作りましょう。
2コンセプトを企画概要書にまとめてみましょう。
■グループワーク
1.4グループ(1グループ5人程度)にわかれて企画コンセプト策定
2.発表とディスカッション
本来であれば2日くらいかける必要がある内容を1日に詰め込んだので、少し無理があったが、筆者が強調したかった「企画の目的は何か(それがクライアントのどのような意図を実現しようとしているのか)を徹底的に考える、という点については多少理解していただけたかもしれない。
ぐったり疲れた一日だった。
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登録日:2007年 10月 13日 00:13:26
アートと社会を結ぶアートマネージメント

(写真は講義で話したバスキアの作品。人々が芸術と思うものが芸術である。だとすれば、なぜ人々はそれを芸術と思うのか?と言う話。)
以下が昨日の講義の内容の見出しである。身もふたもない話が多いのだが、聞いていたアーティストからは「こういう話を聞く機会はめったにないので面白かった。聞く必要がある話しだった」という感想をいただいたのでまあ良かったのかな、と思う。
この内容はもっと詰めてそのうち本にしたいと思っているのだが。
0.はじめに
自己紹介とともに
国も認めるアートマネージメント
1.アート
文化とは何か
芸術とは何か
2.アーティスト
アーティストとはどのような人たちか
プロとアマチュア
3.企画
アートの公共性
アートの効用
4.お金
アートの費用
アートの対価
5.マネージメント
効用の最大化とロスの最小化
マーケティングプロセス
6.アートマネージメント
付加価値と雇用の発生
付加価値なくして雇用なし
7.おわりに~社会
地域社会とアートマネージメント
アートマネージメント人材が食える社会
半年はかかる内容を60分に凝縮しているのでいそがしい。
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登録日:2007年 09月 30日 10:03:57
お疲れ様!
9日間にわたったジャズウィークも17日(日曜日)の弊社の冠をつけたジャズフェスティバルで終了。写真は会場の2300席の大ホールで本番前の最後の音響調整。
本番は、第一部山中千尋トリオ、第二部三木俊雄とフロントページオーケストラ+meg、第三部が渡辺貞夫クインテット。フィナーレは全出演者がステージに乗ってのセッションで大いに盛り上がった。
今週は虚脱感に襲われてろくに仕事ができなかったが、後始末があり、来年、再来年の企画も既に動いており、のんびりできない。来週から気持ちを立て直してがんばらねば。
今回もたくさんの素晴らしいミュージシャン、スタッフと一緒に仕事ができ、またたくさんのお客様に来ていただくことができた。このイベントのために集まり、終われば去っていく。
この仕事の醍醐味は一期一会の人との出会いにある。マニアックに音楽が好きなだけではできない。
来年はどんな素晴らしい人たちと出会えるだろうか。楽しみである。
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登録日:2007年 06月 22日 21:45:24
参加型企画の切り札
ジャズウィーク8日目、土曜日の企画は「佐藤允彦ジャズ塾」。
弊社の楽器店舗の中にある100席ほどのホールで行われる公開クリニックだ。
出演はジャズピアノの大御所佐藤允彦を塾長にドラム村上寛、ベース山田晃路という超一流トリオ。さらにジャズボーカルの第一人者伊藤君子が加わる。
これだけの豪華メンバーで、一般から公募で選ばれたアマチュアのピアニスト2人、ボーカル3人に観客の前でレッスンをつけるのだ。
やり方は、一人45分の持ち時間の中で、このメンバーをバックに演奏し、佐藤さんや伊藤さんがコメントし、レッスンをつける。それを2曲やる。アドバイスは歌い方や声の出し方から発音、顔の表情に至るまで微に入り細にわたる。その場で講師が実際にやって見せることもある。
プロジェクターで生徒が使う楽譜と歌詞が映し出されていて、観客はそれを見ながらステージで行われているレッスン(といっても小さなホールなのですぐ目の前で行われているのだが)の内容をより理解することができる。
講師のアドバイスによって見る見る良くなっていくのが素人にもわかり、人様のレッスンながら実に面白い。アマチュア参加型としては最も面白い企画だと思う。下手なアマチュアの自己満足を聞かせられるよりも、それが一度ずたずたにされ、再生していく過程を見る方がはるかにスリリングだ。
もちろん、講師が超一流の実演家であることが条件だ。その理由は実演家は聞いているお客様を楽しませることを意識してくれること、自分自身が理解し実践していることを教えてくれること、そして自らが素晴らしい見本をその場で見せてくれるからだ。
さらに言えば、この企画はアマチュアへのレッスンを通してジャズという音楽の成り立ちや、再演芸術とは何かを教えてくれる。クラシックもジャズも、多くの場合演奏家は他人が作った曲を演奏する。しかし演奏家は時間をかけて自分なりに曲を仕上げていく。試行錯誤を重ね(ここの音をどのようにするかなど一音一音を)作り上げていく。その結果完成した作品が本番の演奏だ。ジャズの場合はインプロビゼーションがある。しかしそこに至る過程で作り上げたものがあって、その上にはじめて即興があるのだ。その過程は抽象的なものではなく、極めて具体的である。
1曲ずつのアマチュアへのレッスンを通して、そんなことまでなんとなくわかるようになるのが、この企画のいいところである。公開レッスンはジャズだけでなくクラシックや吹奏楽でも行われているので、機会があればぜひ見てほしい。
・・・・・・・・・・・
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登録日:2007年 06月 18日 23:50:40
レクチャーコンサートはなぜ失敗するか?
ジャズウィークも本日のジャズフェスティバルで無事終了。
4日連続の打ち上げがこたえているが、その話はいずれ書くとして、今日は金曜日に行われたレクチャーコンサートについて。
タイトルは「佐山雅弘ジャズレクチャーコンサート“ビバップからモードへの変遷、その1 ビバップ探求”」。ピアノの名手にして理論派の佐山雅弘さん、人気最高のドラマー大坂昌彦さん、作曲も手掛けるベテランベーシスト小井政都志さんのトリオによる贅沢なレクチャーコンサートである。
内容は台本の一部を紹介しよう。
「このように既成曲のコードチェンジに八分音符主体の新しいメロディラインをつけて新曲にする、というのも随分とあります。一番有名なのは “How High The Moon" から “Ornithology" by Charlie Parker (ワンコーラスずつ弾く)。」
読むと固そうだが、これを佐山さん独特の柔らかな関西弁で、弾きながらわかりやすく説明する(当然関西人のぼけとつっこみがある)。それに大坂さんがリズムの変遷を実際にドラムをたたいて解説したり、実に説得力がある。
さて、このブログのタイトルは「レクチャーコンサートはなぜ失敗するか?」だが、その理由はこのレクチャーコンサートの逆をやっているからである。
その1:初心者を対象にするから失敗する。
そもそも、興味のない人はレクチャーを受けない。来る動機がない。別に教えてもらいたいと思っていない。レクチャーに来るのは興味のある人だ。興味のある人はそれなりに勉強もしている。だからそれ以上の知識がほしいのだ。それを超初心者向けにしたら不満が出る。
逆に言えば、初心者やあまり興味のない人を対象にレクチャーコンサートをやっても人はこないし効果はない、ということだ。好きな人を対象に、ますますマニアックな世界に引きずり込むのがレクチャーコンサートなのだ。だから主催者がレクチャーコンサートを地域への芸術文化の普及を目的にやると失敗する。
その2:レクチャーこそ超一流の演奏者を。
学者や評論家が解説して演奏者が実演しても何にもおもしろくない。演奏者が音楽の違いをどのように捉え、表現しているかが重要だ。われわれに聞こえるのは演奏なのだから。その違いを弾きながら語ってもらえば説得力がある。紙の上の知識としてのレクチャーはいらない。
ところが大坂さんも言っていたのだが、話しながら演奏するというのは演奏家にとってものすごく難しいことなのだ。何しろ頭の中できちんと組み立てておいて演奏するので、話すと崩れてしまうのだ。クラシックの演奏家が暗譜してさらにどう弾こうかあらかじめ考えておいて演奏を始めるのと同じで、その前になんかしゃべって解説せよと過酷な要求をしているのがレクチャーコンサートなのだ。よっぽど力量がなければできないことだ。だから超一流の演奏家が必要なのである。それに超一流の演奏家は音楽の歴史や理論の捉え方でも超一流である。なぜならそれを超えようと思っているから。
レクチャーなのだからその辺の地元の先生に弾いてもらおうと思うと失敗する。
その3:大切なのはユーモア。
レクチャーコンサートにとって最も大切なのはユーモアの要素だ。演奏が細切れになる以上、語りの部分でエンターテインメント性を発揮しなければ、どんなにお勉強になってもお客様は退屈してしまうし頭に残らない。そのためにどうするか。
写真は佐山雅弘トリオの入念なリハーサル。ここでレクチャーで伝えたい内容とそれを表現する演奏をきちんと組み立てるからこそ、本番における佐山さんの軽妙なトークが可能になるのだ。左側の五線譜白板には解説用の譜面をあらかじめ書き込んで準備している。ぶっつけ本番からユーモアは生まれない。人を笑わせるにはそれなりの準備が必要だ。
準備を怠ると失敗する。
よく公共ホールの人からレクチャーコンサートの相談を受けるが、普通のコンサートより安易に考えている人が多い。以上述べてきたように、普通のコンサートより難しいのだということを理解してほしい。レクチャーコンサートでは、「話はいいからもっと演奏を聴きたかった」というお客様が必ず現れる。その人たちをも黙らせる内容にしなければならないのだから。
・・・・・・・・・・・・
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登録日:2007年 06月 17日 23:16:40
感動のバロメーター
先週の土曜日から始まったジャズウィークも、いよいよあと一日を残すのみ。
忘れないうちに少し振り返っておきたい。
木曜日は200席の小ホールでのコンサート。この企画は有望な若手の登竜門で、毎年これぞという人を選んでいる。
1996年にはケイコ・リーさん、1999年には寺井尚子さんが出演している。お二人とも当時は無名に近く、チケットを売るのに苦労した記憶がある。聴きにきたお客さんは素晴らしさにびっくりしていたが。
ことしは若手ボーカリストMAYAさんのグループ MAYA collez 。スリーリズムにトロンボーンとヴァイオリンという変わった編成だが、ラテン中心の乗りのいい選曲で大いに楽しめた。
この日の筆者の役割は、表周りの統括と打ち上げ要員。疲れたので早く打ち上げに行きたいのだが、写真のように終演後のCD購入者対象のサイン会に40人以上が並んでしまい、なかなか終われない。一人ひとり丁寧にサインしながら会話し、握手する。記念写真にも応じる。人気商売のアーティストとしてはどんなに疲れていてもおろそかにはできない仕事である。
コンサートのCD販売数はお客様の感動のバロメーターである。本日は180人の観客に対して40枚の販売。これはなかなか優秀な数字だ。
おかげで打ち上げが終わって帰宅したのが2時。それなのに翌日も打ち上げ要員なのだ。年寄りには過酷な日々が続く。
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登録日:2007年 06月 17日 00:12:17
現代のパトロン

今日はジャズウィークの4日目。
昨日から「街のライブハウス」という企画が始まっている。市内に8軒あるジャズのライブをやっている店とタイアップし、期間中毎日どこかでライブを開催している、という企画。なにしろ地方都市のため、通常は月曜から木曜はやらないのだが、一緒にプロモーションをして集客を図る、ということで協力してもらっている。もちろんプロモーション以外は各ライブハウスの独立採算である。
さて、今日のライブは市中心部から車で20分ほどのところにある、不動産屋さんがオーナーの会場だ。出し物はトランペットの五十嵐一生カルテット。オリジナル曲中心のマニアックなコンサートだが100人近い観客が集まっている。一言でいえば素晴らしい演奏で堪能した。ジャズの芸術としての側面を垣間見たようだ。
地方都市でもこれだけの観客が集まり、これだけの演奏が聴けるというのは企画した甲斐があるというものだ。
ところでステージの後ろにあるのは木津文哉画伯の作品だ。ここのオーナーは日本では数少ない、芸術家のパトロンだ。音楽家に演奏の場を提供し、アーティストの作品を買い上げる。ライブハウスもオーナーの道楽である。
しかし現代的なのは、自分でコレクションするだけでなく、作家のマネージメントとアートのプロデュースをする会社を作ってビジネスにしていることだ。作家の著作権管理などもやっている。また、自社の手がける高級分譲マンションのモデルルームをアーティストの作品で飾ることにより、付加価値を高めている。ライブハウスも不動産の顧客への会員サービスという側面もあるようだ。
それでは、儲けるためにアートをやっているのかというと必ずしもそうではない。純粋に芸術と芸術家が好きなのだ。あくまでも、道楽を続ける手段として、ビジネスとからませているように見受けられる。なぜなら、現代のパトロンは、オーナーといえども好き勝手にはできないからだ。道楽にも理由付けが必要らしい。つまり、税金対策や従業員のモチベーションを維持することなどを無視できないのだ。とはいえ、それをむしろ自らのビジネスに積極的に役立てようとしている。
アートマネージメントにも、立場によってさまざまな側面があるが、このしたたかさを見習う必要はありそうだ。
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登録日:2007年 06月 13日 00:09:14
- プロフィール
- Ryuichi Himori
- (男)
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教員に転職しました。その他行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事、県生涯学習審議会委員、県NPOパートナーシップ会議委員などを務めています。行政への企業経営手法の導入や、文化政策、地域政策、NPO論などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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