2006年 05月 30日
「怒れる若者たち」世代とケン・ローチ(番外編)
<第59回カンヌ国際映画祭>パルム・ドールは「The Wind that Shakes the Barley」に - フランス
【カンヌ/フランス 29日 AFP】フェスティバル・パレス(Festival Palace)を主会場に開催される世界有数の映画の祭典、第59回カンヌ国際映画祭(59th Cannes Film Festival)の閉会式が28日に行われ、各部門の受賞作品が発表された。
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(c)AFP/PASCAL GUYOT
ケン・ローチは1936年生まれ。オックスフォード大学を経て、BBCに演出家訓練生として入社した。これまで数々の賞を受賞してきた実力派であるが、当初から一貫して、社会に抑圧されたイギリスの労働者階級を中心に描いてきた。「炭鉱労働者」はイギリス映画にとって一つの大きな描くべき対象として存在してきたが、ケン・ローチほど社会の歪みからにじみ出る「怒り」に目を向けてきた監督はいないだろう。かといって、大きな題材を探し求めて世の中に訴えるという作風ではない。日常生活のなかで埋もれてしまっている人々の感情を発散させ、さらに「媒体としての映画」というメディアそのものについて考えさせる監督なのである。ドラマチックに、そしてわかりやすく描こうとするハリウッドからはもっとも遠いところにいる一人と言えるだろう。たとえば、『ケス』の主人公に私たちはどうして感情移入することができるのだろう。ドラマ性やインパクトを極力排除したようなストーリーと演出。観客の感情を感動へと誘導するようなことをケン・ローチは一切しない。結局、私たちの周りに「現実」などというものはなく、それを知るためには何かの媒体を必要としているということがわかる。現実には善も悪も、美も醜もない。それらをまとめて提示するところからドキュメンタリー的な手法を指摘されることもあるが、ものごとはそれほど簡単ではない。監督ケン・ローチの本質を見抜く眼の鋭さに驚かされるのはそういうときだ。今回、カンヌでパルムドールを受賞したことによって、これまでの作品が映画館で上映されることを切に望みたい。
http://britannia.cool.ne.jp/cinema/people/x-k_loach.html
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登録日:2006年 05月 30日 12:26:02
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