トリノから米墨国境への想像力
【ティフアナ/メキシコ 27日 AFP】麻薬密売者が国境を越えるために利用した地下トンネルの発見は、メキシコと米国の国境警備に波紋を呼んでいる。メキシコ政府は、不法に国境を越えようとする者に地図を与えるという方針の変更を決定した。写真は24日、国境の壁の破損部分を警備する監視員。(c)AFP/Omar TORRES
<オリンピック競技がもたらす興奮>
トリノ・オリンピックが始まる。世界各地からさまざまな人々が一堂に会すことに大きな意義があることは言うまでもないが、いまや世界中の大都市は日常的にそのような多民族状況になっていることもまた確かである。国際友好を促進するための機会はあらゆる場所に落ちている。したがって、オリンピックのそのような面よりも、私は、そこで繰り広げられる各種競技のもっている性格や観客の反応の方に着目してしまう。つまり、それぞれの競技において、あるルールの制約のもとで人間の究極の身体技能が発揮されるとともに、国家間が疑似戦争のような形でぶつかり合うことで観客の興奮が引き出されているからである。つまり「ゲームが有している快楽」と「国別対抗戦のスリル」があいまって、オリンピックは不思議な興奮を私たちにもたらしてくれているのである。
<「ゲームが有している快楽」と「国別対抗戦のスリル」>
ゲームとは人が自らに与えた縛りである。人は自らの行動に規制を加えながら、その制限された範囲のなかで設定されたルールを楽しむことができる変わった動物だ。たとえば、手を使わずしてひとつのボールを相手のゴールポストへと送り届けようとするゲームに、なぜか私たちは興奮することができる。器官のなかでもっとも便利な手を使わないスポーツが、なぜ世界でもっとも興奮を誘うスポーツなのかは一考に値しよう。また、国家は人を熱狂させる最高の小道具(大道具?)である。自らが所属する国境線内部への思い入れ(ナショナリズム)が人を必要以上に駆り立てることを私たちはよく知っている。それはときには、国あるいは地域の保護と名誉ために命を犠牲にさせるほどの力を有していることも、私たちは歴史から学んできた。
<つまり国家間の相克とはゲームなのか?>
つまり、オリンピックは、スポーツとナショナリズムのもたらす昂揚感がないまぜになっている場になっている、と言えるだろう。そして、それらの根底にあるキーワードは自らに課した「制限」と、その結果としての「昂揚感」である。自らの周りに不自由な境界線を張り巡らしておきながら、その状況のなかで右往左往しつつ、陶酔し興奮するのである。そう考えると、人間が自らに課したもっとも重い「制限」としての「国境線」のことをさらに私は考えてしまう。たとえば、「国家間の相克」(戦争)とは、もしかしたらゲームのひとつなのではないか、と。
<国家という透明な想像の共同体>
原因と結果を取り違え、国家ごとに言語や宗教や社会体制(理念)が異なるから国境線が引かれているのだ、と考える人はいないだろうが、結果的には、私たちはそのような単純化された世界を生きるよう日々強いられている。不純物が混ざった国家言語や宗教や理念は淘汰されるような力が働いている。そうしなければ国家をいまの形のままで維持することが困難になるからだ。かつての方言札などという発想が国境線を強化し、マイノリティを不公平な立場へと追い込んでいった。そのような平準化された国家の姿はさらに「国別対抗戦のスリル」を増す結果となる。
<メキシコとアメリカの国境線は最強!>
冒頭に掲げた写真は米墨国境に敷設されたフェンスである。メキシコとアメリカの国境線は世界でもっとも「熱い」国境線のひとつであろう。メキシコからアメリカへの「不法入国者」の数が年間数10万人、6年間で約2000人が道行きで死亡しているという事実もさることながら、先進国と第三世界の、プロテスタントとカトリックの、アングロとメスティソの、そして、英語とスペイン語の境界線が、3000キロにもわたって横たわっている。この国境線もまた、初期のアメリカ帝国主義が振るった暴力の遺産である。この人工的に引かれた恣意的な国境線を越えようとして亡くなった多くのメキシコ人は、アメリカ帝国主義の被害者なのであり、いまだに続く目に見えない戦争の「戦死者」だとも言えるかもしれない。
<国境線を可視化すること>
オリンピックで競われる単位としての恣意的な単位である国家を眺めつつ、その国家間のはざまで苦しんでいる多くの人々のことをも同時に考える想像力が必要である。フェンスにいくつもあけられた穴は、前回触れたスパングリッシュや、ヒスパニック内の最大の集団であるチカーノたちを生むことになった新しい文化へとつながる通路でもある。私たちはもうその穴を塞ぐことはできない。しかし、島国である日本人はフェンス自体を目にする機会がない。私たちを取り巻くこのようなさまざまな種類のフェンスを見るための視力を鍛えるには、国民国家がふるってきた暴力の細かな遺産から目をそらさないことである。それは、私たちの心構え次第だろう。
フェンスの穴をのぞくメキシコ人の少年はおそらく自分が足を踏み入れるであろう未来のアメリカを透視しているのかもしれないが、私には、彼が、過去を透視しているようにも見えて仕方がないのである。
コメント[0], トラックバック[33]
登録日:2006年 02月 10日 15:02:26
コメントを追加
Trackback
この記事に対するトラックバックURL:
what is phentermine...
date:2007年 01月 19日 02:16:47
what is phentermine...
date:2007年 01月 18日 23:24:57
what is phentermine...
date:2007年 01月 18日 20:48:12
営業エリア
date:2007年 01月 18日 20:09:17
営業エリア
date:2007年 01月 18日 20:08:12
営業エリア
date:2007年 01月 15日 20:00:26
営業エリア
date:2007年 01月 15日 19:59:22
こちら まで。 会場の地図は、 こちら
date:2007年 01月 15日 19:34:43
こちら まで。 会場の地図は、 こちら
date:2007年 01月 15日 19:33:37
こちら まで。 会場の地図は、 こちら
date:2007年 01月 15日 19:32:30
こちら まで。 会場の地図は、 こちら
date:2007年 01月 15日 19:31:24
こちら まで。 会場の地図は、 こちら
date:2007年 01月 15日 19:30:18
営業エリア
date:2007年 01月 13日 03:52:17
営業エリア
date:2007年 01月 13日 02:17:17
営業エリア
date:2007年 01月 13日 02:16:13
営業エリア
date:2007年 01月 13日 00:35:51
営業エリア
date:2007年 01月 13日 00:34:48
営業エリア
date:2007年 01月 12日 00:40:41
営業エリア
date:2007年 01月 12日 00:39:38
営業エリア
date:2007年 01月 12日 00:30:37
営業エリア
date:2007年 01月 12日 00:29:36
営業エリア
date:2007年 01月 09日 19:46:58
営業エリア
date:2007年 01月 09日 19:45:55
 コード  現在値  前日比 1  ニチロ     1331   242 
date:2007年 01月 04日 23:22:41
  コード  現在値  前日比 1  メガネトップ  7541   1844   243 2  ABILIT  6423   467  
date:2006年 12月 29日 22:42:55
営業エリア
date:2006年 12月 29日 20:29:40
営業エリア
date:2006年 12月 29日 20:28:38
営業エリア
date:2006年 12月 29日 19:43:55
営業エリア
date:2006年 12月 29日 19:42:49
phentermine...
date:2006年 12月 27日 22:37:27
phentermine...
date:2006年 12月 27日 22:36:20
phentermine...
date:2006年 12月 27日 22:19:46
phentermine...
date:2006年 12月 27日 22:18:29
- 月別アーカイブ
- 2007年 12月 [2]
- 2007年 10月 [4]
- 2007年 09月 [3]
- 2007年 08月 [4]
- 2007年 07月 [6]
- 2007年 06月 [4]
- 2007年 05月 [4]
- 2007年 04月 [4]
- 2007年 03月 [4]
- 2007年 02月 [4]
- 2007年 01月 [4]
- 2006年 12月 [5]
- 2006年 11月 [5]
- 2006年 10月 [6]
- 2006年 09月 [4]
- 2006年 08月 [5]
- 2006年 07月 [5]
- 2006年 06月 [5]
- 2006年 05月 [5]
- 2006年 04月 [4]
- 2006年 03月 [5]
- 2006年 02月 [4]