幻影の翼
ジェシカ・アルバ、映画『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』の記者会見&メキシコ・プレミアに登場
【6月22日 AFP】メキシコ市で21日、映画『ファンタスティック・フォー:銀河の危機(Fantastic Four:Rise of the Silver Surf)』の記者会見及びプレミア上映会が開かれた。会場には、出演女優のジェシカ・アルバ(Jessica Alba)と俳優ヨアン・グリフィズ(Ioan Gruffudd)が姿をみせた。(c)AFP
こうしてネット上で本名と連絡先を無防備に公開していると、たまに「知らない人」や「忘れかけていた人(すいません)」からメールをいただくことがある。勝手に推測するに「有名人」はこのようなメールが毎日のように各方面から届くのだろう。そして、急に守銭奴のような親戚が増えたりするのだろう。私は有名人ではないのでたまにしかもらわないこともあり、いかなるメールも大歓迎である。大歓迎しつつも、人と人との出会いがこのような「便利なツール」によってどのように変化し、人びとの意識をどのように変化させているのだろうか、とよく思う。
律儀な郵便屋さんが運んでくれた紙媒体のラブレターから、メールでの即物的なラブレターへの怒濤の変遷のなかに身を置いてきた世代として。そして、屋内でのDVDによる無機質な鑑賞を味気ないと痛感するだけの体験を、名画座(私にとっては三鷹オスカーや下高井戸シネマ)での「匂い」と「待つという行為」のなかに見いだしてきた世代としても。さらに、たとえば、キングクリムゾンの「CD」を眺めつつ「ジャケ買いの意味は明らかに変わった」と嘆息する世代としても、そうである。
少し前に『小林秀雄とウィトゲンシュタイン』についてちらっと触れたときに、出版元の春風社の編集者の方からメールをいただいた。大変ありがたいことである。春風社の本はどれもデザイン(内容は言うまでもなく)がすばらしいのでみなさん是非、本屋さんで手に取ってみてください。大いに宣伝しておく。いつか日か私の本も出していただきたい。編集者さんにメールをいただいたのと同時期に、『小林秀雄〜』の著者の「中村昇」氏の名前を見た私の友人が「彼は大学院のときの先輩です」とメールをくれた。世界は狭い。
講談社の『本』にその中村さんが文章を寄せているのを、たまたまうちのトイレで発見した。南方熊楠やベルクソンへの関心については「なるほど」と思っただけだったけれども「中学のときに禅僧の語録を読み込んだ」とあったときは少し立ち上がってしまった。私は小さいころからお坊さんになることを夢見ていて、うちが臨済宗だったこともあり「禅」に関してはかなり勉強したからである。中村さんはそのエッセイの後半で「西洋と東洋」や「分析と直感」のような「二重性」をどちらも受け止めてくれる哲学者として「ホワイトヘッド」をあげている。いま私は、彼の新刊『ホワイトヘッド』を読んでいるところで、編集者の方や友人がメールをくれなかったら、もしかしたらホワイトヘッドまではたどり着けなかったかもしれない。感謝。
中村氏と同じような関心をもってきた私なのに「二重性」という意識はまるでない。まったく、自己省察することなく、本能の赴くままに生きてきた40数年間。はたして、世界中の血を引き受けているラティーノに東洋や西洋の意識はあるのだろうか。直感と分析? 今福氏の師である山口昌男が築いてきた学問は道なき道を行く「直感」の連続だったかもしれないが、その直感は膨大な「知識」と「分析」に裏打ちされた直感であった。予定調和を乱す直感の破天荒さがなければ新しい学問など生まれない。それを体現できるのは「人間」という媒体だけだろう。世界は狭いが、知るべきことは山ほどある。
追伸:今日は、20数年前に塾で教えていた生徒からメールをもらった。この「便利なツール」がなければ、死ぬまですれ違うこともなかったはずだ。いずれ彼女とはお会いするだろうけれども、過去を片っ端から忘却の彼方へと追いやり、記憶を自分の都合のいいように改竄してしまう私の「歴史」は、いったいどのように再構築されてしまうのだろう。なんだかコワイ。「20数年前の<私>は他人だ」と言い切れるほど、頭でっかちの私ではない。
追伸パート2:『本の雑誌』の7月号で、ラテンアメリカ全域が舞台となっている話題のブライアン・グロジョーニ『幻影の翼』の「訳者あとがき」が掲載されている。表題の「幻影の翼」はケツァルコアトル(翼ある蛇)の翼を指しているらしい。本屋で立ち読みする価値あり、である。
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登録日:2007年 07月 04日 01:54:21
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