ボーダー文化論
<米移民規制法案>「クリスマスを家族とともに」、国外退去命一時停止を求めデモ - 米国
【ワシントンD.C./米国 22日 AFP】不法移民の家族らが21日、国外退去命令施行の一時的停止を求めてホワイトハウス(White House)前でデモを行った。国外退去命令が施行されると、米国籍を持つ子どもたちと、不法移民である両親がクリスマス前に引き離されることになる。写真は同日、子どもたちと共にデモに参加する不法移民ら。(c)AFP/Mandel NGAN
去年あるところで越川芳明さんの講義を拝聴することができ、そのすぐあとにメールで「年末に新刊が出るから送ります」というありがたいお言葉をいただいたのだが、お忙しいなか忘れてしまわれたようで(こちらも忘れてしまい)、いまごろになって『トウガラシのちいさな旅:ボーダー文化論』(白水社)を手に入れて読んだ。
装丁と色彩が美しいのもあり、まずモノとして大変気持ちのいい本である。重要な参考文献や多彩な写真資料、読みやすい文体に乗せられた高度な内容。これから何度もページめくるような気がする。第三章の「タンジール:ポール・ボウルズと異世界への旅」以外は、米墨国境、ラテンアメリカ、オキナワ、と私のツボであった。
私が20年以上前に何の知識も目的もなくうろうろしていた地域(米墨国境地帯やメキシコなど)を、越川さんは十分な知識を吸収してから精力的に歩き回っている。なんだかうらやましい。私の場合は、あとになって「あのときのアレが<グアダルーペの聖母>かあ〜」と頭の中で反芻しながら、文字を通して意義を確かめるのに対して、越川さんは重武装した知識人として現地調査に出かけ「意味」を素早く見いだしている。効率的である。
おそらく、この本を読んで、日本で一番勉強になっているのは私ではないだろうか。
いまから10年近く前、まだほとんど誰も「崎山多美」について書いていないころ、私は沖縄旅行中に見つけた彼女の小説にいたく感激して、戻ってから早速論文に仕上げて、名古屋大学の研究論文集に載せてもらったことがある。それを、越川さんは、彼女自身に聞きたいことを自由にインタビューしているのである。うらやましい。
まあ、それでも、まるで新旧の道が交錯する「ルート66」のように、行き当たりばったりのでこぼこ砂利道オールド・ロードと、越川さんの進まれたぴかぴかでまっすぐのフリーウェイがときに併走しながら同じ方向を向いていることを確認できるのは嬉しいことである。
巻末の「私家版:ボーダー文化論入門書50」は「越川芳明を知るための50冊」と捉えることもできる。これまた、大変勉強になった。いつになったらこの境地に到達できるのか・・。
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登録日:2007年 07月 16日 01:17:12
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