文学テーマパーク
【8月21日 AFP】ハリケーン「ディーン(Dean)」は21日、カテゴリー5の勢力を維持したままメキシコのユカタン半島(Yucatan peninsula)東部に上陸した。全米ハリケーンセンター(US National Hurricane Center)が同日、発表した。
「ディーン」は現地時間の午前3時30分ごろ、メキシコのChetumalの東北東約65キロに位置するCosta MayaまたはMajahual付近のユカタン半島東岸に上陸したという。(c)AFP
何回か前に「下北沢のあのごちゃごちゃとした街並みが好きではない」と勢いに任せて書いたことが気になっていて(「なぜ自分はそう思うのだろう」という疑問)、下北沢についても語られている東浩紀と仲俣暁生の対談「工学化する都市・生・文化」(『新潮』6月号)を引っ張り出して読んでみた。
東による下北沢の解釈に対してはほとんど異論がなく、ごちゃごちゃしていた頭の中がかなりすっきりした。「頭のいい人は違うなあ」と感謝したくらいである(詳細が気になる方は本文にあたってください)。私が20年以上親しんできた中央線から自然と離れ、なぜか生理的に下北沢を怖れ、シネコンもTSUTAYAもスタバもそろっているいまの街に落ち着いている理由も納得できた。東があるとき西荻窪に降り立って「身体が「何だ、これは!」と拒否した」と述べているが、私の下北沢と同じことだと思う。
彼は中央線文化や下北沢を「文学テーマパーク」「文化的蛸壺」と表現する。とてもわかりやすい。こうして東による明晰な解釈に感謝すると同時に、私が仲俣という人の書く文章を生理的に受けつけない理由もわかったような気がした。葛飾で生まれて船橋で育った「東京の東側」の人間がいま下北沢に住んでいるという事実が象徴的であるが、きっと彼は理が勝ちすぎているのだと思う。
下北沢を「ノスタルジー」で語るのはいいとしても、ノスタルジーのなかに住めるというのは並大抵のことではない。一般的な印象からすると意外なことだが、東の方がより「身体」や「現実」に寄り添って考えているように見える。もちろん、身体や現実に寄り添わない思想など、単なる知の戯れに過ぎないのだが。
東が対談の最後の方で「仲俣さんと僕の考えはずれていると思います」とはっきりと言わざるを得なかったのも、どこかで聞いたような仲俣の表層的な意見に苛立ってのことだろう。「社会全体にとって見れば、下北沢や中央線沿線がどんなに変わろうと、別にどうでもいいわけでしょう」と言い放つ理由が私にはよくわかる。「下北沢を守るために召喚されるであろう「ノスタルジーの権利」なるものは、資本主義の荒波のなかで出てきた泡みたいなもの」もそうである。
最後の方で語られている「文学」についての意見も大変参考になる。私は日常的に高校生や大学生と言葉を交わすことが多いが、彼らはとにかくよく小説を読んでいて感心させられる。ただ、彼らに「先生からすると小説じゃないかもしれないけど・・」と留保をつけさせてしまうような世の中の風潮に私は疑問を感じる。その点について、東は次のように述べる。全面的に同意。
「文芸誌はある限定された趣味を反映した雑誌でしかない。いいとか悪いとか以前に、それはもう疑い得ない事実なわけです。その中にライトノベルが入ったり入らなかったりっていうのは、ある特定の雑誌や、その雑誌を中心としたコミュニティにとっては大事かもしれないけど、そのほかの小説を読んでいる人たちにとっては、まったく関係がない。そして、もしいま「文学」について語ろうとしたら、その広大な空間について語るしかないんです」。
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登録日:2007年 09月 01日 03:15:42
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