異種格闘技戦
【10月11日 AFP】ボクシング、WBCフライ級タイトルマッチ12回戦。
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(c)AFP
私がメキシコを好きになったのは音楽でも文学でも料理を通してでもない。風土でもない。煙草をくゆらせながら「オアハカのあの独特な雰囲気にやられました・・」などとつぶやいても、それらはすべて「かっこつけ」のあとづけで、ただメキシカンボクサーが好きだったからである。「ボクシングをわからずしてはたしてメキシコを理解できるのだろうか?」。
10年前まではWBCとWBAのランキングはだいたい暗記していた。これまでタイとメキシコにだけなぜか突出して訪れているのはその両国がボクシング大国だからで、それ以外の理由は見あたらない。この10年のあいだ断続的にネット上に文章を書いてきたなかで(カフェクレオールやTLOや「はてな」やmixi)、「なぜチカーノにたどり着いたのか」はいつもボクシングとからめて説明してきた。私にとってボクシングは特別な存在なのである。
先日の「ラテンアメリカ交流グループ」でのお話しでの「祖母が日系アメリカ人だったからチカーノに近づけた」はやはり「あとづけ」で、もちろん、彼女がいなければこれだけたびたびロサンゼルスや国境地帯を訪れることはできなかっただろうが、第一の理由ではない。人はこうやって過去をその時の気分で都合のいいように捏造していくのである。
そもそも「体験した事実」や「人間の感情」は「言葉」に比べたら複雑すぎて、何を言ってもウソのように感じる。さらに、人は言葉に対して直接反応するので言葉を必要以上に過剰に使いがちである。言葉を覚えたての子どもが平気でシモネタを連発して大人を驚かせて喜ぶように。
だから、発言はその場の「空気」によっていかようにも変化し、逆に言えば、周囲を包む空気はその人の生き方さえ変える。空気がわからない者なら「負けたら切腹」と無責任に言うこともできるだろう。そして、彼は負けても切腹をしなかった代わりに、社会と自分との間に亀裂を作ってしまった。
高橋ジョージが国歌を斉唱し解説が佐藤修という学会員だらけのショーを私も見ることができた。正直、楽しませてもらった。「ヒールがいるとショーは盛り上がるなあ」と思った。もちろん、そのおもしろさはボクシングのおもしろさとは関係ない。内藤にはその覚悟があったと思うが、あれは通常のボクシングの試合ではない。亀田関係でこれまでボクシングの試合はなかったはずだ(ほとんど見ていない)。
内藤はボクシング以上の仕事をしなければならず、敵は亀田次男だけではなかった。金銭至上主義者らとの異種格闘技戦? ボクシングのおもしろさを微塵も理解しない者たちとの戦い。一方で、大衆は次から次へと関心を移してゆく。そのあとにボクシングは取り残される。もしかしたら、ボクシングが醸し出してきた熱狂も、じつは「昭和」が生んだ幻想だったのかもしれない。
今夜はアレクシス・アルゲリョのビデオでも見ることにしよう。
ニカラグア人だけど、まあいいか。
コメント[8], トラックバック[0]
登録日:2007年 10月 14日 03:28:15
コメント
こんばんは。ミーハーなネタになるとあらわれるワタナベです。
現場にいたファンの7割は至極フツーに内藤を応援してたみたいですね。
終了後に亀田次男に「ハラキリ!」とブーイングをあびせたのは「それじゃ同レベルだろ」と誰かがつっこみをいれてましたが。
ところで、竹原慎二さんてどんなボクサーだったかご存じですか? 最近、氏の原作のボクシングまんがを読んだのです。
ヨーコ @ 2007年 10月 15日 23:04:10
ワタクシも、ミーハーなネタの方が断然好きなのですが(朝青龍やエリカ様についても書きたかった・・)「アメリカを動かすヒスパニックなんちゃら」ってタイトルに書いてあるので、そうもいかず、です。
亀田一家の反則と無礼はいまに始まったことじゃないですし、大騒ぎしすぎ。長男が世界タイトルをとった試合も、今回と同じくらい反則の雨あられでした。いずれにしても、話題がなければ生きていけないメディアのみなさま。
竹原はあの階級で世界をとった実績は認めるけど、私の好きなボクシングスタイルではなかったです。もと不良(竹原)やいじめられっ子(内藤)が注目を浴びるのはいいとしても、不良を売り物にしたらいかんよ(亀田)。
じゃあの。
imura @ 2007年 10月 16日 22:58:16
>話題がなければ生きていけないメディアのみなさま。
私も片棒をかついでいます。日本は平和なんですよ!
大きな戦争がどこかではじまると、メディアでも人手がたりなくなって、芸能レポーターが通常の社会面ネタ(殺人事件とか?)の取材をやるはめになったりするらしいです。やっぱり芸能レポーターさんにはエリカ様騒動とかを取材してほしいです。そう考えたら亀田家騒動は平和でほほえましいです。
じゃあの。(とかいって読んでるんですね・笑)
ヨーコ @ 2007年 10月 17日 12:36:56
人は「平和」な世界に耐えられないんでしょうね。退屈してしまう。あるいはエネルギーをもてあましてしまう。ガス抜きが必要になる。
それをメディアは先導する。「戦争」(広い意味で)になる。反省する・・。「亀田戦争」くらいですんでいれば万々歳。
そういえば、ヨーコさんのお仕事についてちゃんとお聞きしたことがないです〜。
文章を書くって、自分への印象操作ですからね。本当は「じゃあの。」的な世界の住人です。
imura @ 2007年 10月 18日 07:11:39
>そういえば、ヨーコさんのお仕事についてちゃんとお聞きしたことがないです〜。
ひとことでいうと広告屋です。諸悪の根源です! ぎゃは☆
ヨーコ @ 2007年 10月 18日 14:56:48
「諸悪の根源」って言葉も安く使われるようになっちまったですね。本来はブッシュレベルの相手に向けて使われるべきなのに。
imura @ 2007年 10月 19日 12:12:05
はじめまして
試合でのメキシコ国歌
小さい頃から聞き覚えてしまった
そしてメキシコへ行ってまた好きになり
妻はメキシコ人
私の好きなボクサーはルペ.ピントールとルーベン.オリバレス
アルゲリョ対オリバレスの試合はすごかったな..金沢の試合も壮絶でした
viva @ 2007年 10月 30日 21:33:50
記念すべき、最後(おそらく)の書き込みをありがとうございます! メキシコの国歌は真っ先に覚えてしまいますよね。私もそうでした。国歌自体もかっこいいし。
ピントールやオリバレスとは、懐かしい名前をありがとうございます。プエルトリカンとも違う「繊細さ」をメキシコのボクサーは携えているような気がしています。
が、ガードを固めて突進する亀田のボクシングを見て「ああ、美しいボクサーが見たいなあ」と思い、真っ先に浮かんだのがアルゲリョでした。対戦したオリバレスは、もうあのときはピークを過ぎていたのかもしれない・・。
全盛期同士のボクサーの対戦はあり得ないという意味においても(他のスポーツに比べてもピーク時が短い)、ボクシングはなんだか哀しいスポーツです。
imura @ 2007年 10月 31日 00:41:19
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