2006年 07月 17日
ジダンが教えてくれた「親子愛」のかたち
【ジダンが堪忍袋の緒を切ったわけ】
サッカーW杯決勝戦のテレビ中継で、フランスのジダン選手がイタリアのマテラッツィ選手の胸に、強烈な頭突きを入れるのを見た瞬間、ぼくの頭をよぎったのは「殿中・松の廊下」の刃傷でした。
藩主が、一国の命運を賭けてまで守ろうとした名誉とは、いったい何だったのか。後世の歴史家はいろいろ解説しているけれど、ぼくは未だに釈然としていません。
それと同じように、目前のW杯を蹴飛ばしてまで、ジダンが守ろうとしたものが、よくわからなかったのです。初めは、人種差別的な言葉、たとえば「テロリスト」みたいな言葉をいわれて怒ったらしい、と伝えられていましたから、そんなことで堪忍袋の緒が切れるものなのか、納得できなかった。「人種差別」を「そんなこと」扱いしたら、叱られるかもしれませんが、頭突きの理由としては、なんか「ポリティカリー・コレクト」すぎる感じがしたのです。
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登録日:2006年 07月 17日 15:17:31
- プロフィール
- 伊藤 延司
- (男)
- 長野県生まれ。京都大学卒。
毎日新聞社ジュネーブ支局長、パリ支局長、学芸部長、出版局次長、英文毎日局長などを歴任。
主な訳書: 『アメリカの鏡・日本』(角川書店)、『壁の向こう側』(毎日新聞社)、『ブッシュ・ベイビーズ』(マーガレット・プライスとの共訳、毎日新聞社)、『犬たちをめぐる小さな物語』(日本放送出版協会)、『ダーティー・ハンズ』(都市出版)など。
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