2006年 08月 27日
今や遠い記憶となった戦いの理由
【ベイルート/レバノン 26日 AFP】34日間におよぶイスラエル軍の空爆によりがれきと化したベイルート南部の郊外では、停戦から2週間が経過した現在も、住民らの復興作業が困難をきわめている。ベイルートのHaret Hreik地区では、焼けたプラスティックの臭いが漂い、建物の残骸を片付ける切削機がほこりをあげるなか、住民が自宅や経営する商店から使えるものを少しでも運び出そうと苦労している。写真は26日、破壊されたアパートの中から見つけた所持品を持ち出そうとするキリスト教徒のレバノン人男性。(c)AFP PHOTO/ANWAR AMRO
【どっちが悪い人?】
1つの戦争が終わったとき、テレビや新聞は必ず破壊された街の悲惨な光景をクロースアップします。イスラエルとヒズボラの戦争でもそうですが、テレビはイスラエルの空爆で破壊されたレバノン南部の街の映像を繰り返し流しました。そこから、ぼくが受け取ったのは、この破壊をもたらしたのはイスラエル軍であり、戦争の被害者はレバノン南部の住民であるというメッセージでした。
イスラエル側にも、ハイファのようにヒズボラのロケットで民家が破壊され、一般市民が殺傷されたところがあります。しかし、ハイファの惨状はあまり伝えられませんでした。
惨禍の差は、イスラエル軍とヒズボラの破壊力の差に過ぎないのですが、テレビ映像はひどく破壊されたレバノンの方が戦争の被害者であり、だからイスラエルは「悪い人だ」といっているように思えます。
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登録日:2006年 08月 27日 16:32:52
- プロフィール
- 伊藤 延司
- (男)
- 長野県生まれ。京都大学卒。
毎日新聞社ジュネーブ支局長、パリ支局長、学芸部長、出版局次長、英文毎日局長などを歴任。
主な訳書: 『アメリカの鏡・日本』(角川書店)、『壁の向こう側』(毎日新聞社)、『ブッシュ・ベイビーズ』(マーガレット・プライスとの共訳、毎日新聞社)、『犬たちをめぐる小さな物語』(日本放送出版協会)、『ダーティー・ハンズ』(都市出版)など。
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