2008年 04月 30日

組織消滅の覚悟必要

野村証券インサイダー取引事件、中国籍の社員ら3人を逮捕

【4月23日 AFP】東京地検特捜部は22日、中国籍の野村証券(Nomura Securities)社員(30)ら3人を、同社の内部情報をもとに株式のインサイダー取引を行ったとして金融商品取引法違反容疑で逮捕した。
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(c)AFP

AFPBB News


野村證券の社員がインサイダー取引を実行し、私腹を肥やしていたという事件が発覚した。昨年から続く企業の不祥事に、「またか」といい加減うんざりだが、今回の事件は、いくつか考えさせられる点がある。

ひとつは、証券業界全体の信用失墜に繋がる事件であるということ。
その理由は、野村が業界のリーダー的存在であるということと、M&Aにかかわる機密情報を取り扱う部署が舞台となったことからだ。

野村は過去にもインサイダー取引という不祥事を起こしている。社長は会見で「整備はしたが細部まで行き届かなかった」という趣旨の発言をしていたが、業界に率先して模範を示す立場にある同社は、事件の事実を厳粛に受け止め、社員教育を根本的に見直す必要があろう。

特に今回は、M&AやTOBのアドバイスをする部門が舞台であり、厳格な機密保持が求められるのは言うまでもない。容疑者は複数の案件にまたがって業務をしていたといわれるが、そこで知り得た情報を悪用していたとすれば、尚更、情報管理体制の見直しが必要だ。

もうひとつは、外国人労働者の雇用について、きちんとした整備体制が必要だということ。先日政府が発表した「少子化白書」によると、2050年には日本の労働力が36%減少するという。つまり、少子高齢化が急速に進行していることから、労働力の確保のために、移民も含め、外国人労働者の活用を、本気で考えなければならない時期に来ているということだ。

外国人労働者の受入れについては、製造や医療、福祉といった業種にスポットが当てられがちだが、グローバルに事業を展開する企業においては、異文化経営の点でその重要性が高まっているという側面がある。

その背景には、外国人を組織に受入れることによって、様々な価値観や異文化が企業内部に取り入れられ、構成員の想像力や寛容性が高まり、新規事業の展開や問題の円滑な解決といったことが、今までとは違った点で図られるという経営上のメリットが期待されているためだ。

こうした状況の中で発生した今回の事件は、単純に外国人が起こした事件という範疇を超えており、「外国人を雇用し活用する」ということに、教育や価値観、生活環境など、あらゆる側面を整備する必要性を浮き彫りにしたといってもいいだろう。

最後に、今国会に提出された金融商品取引法の改正案には、インサイダー取引の課徴金を現行の二倍程度に引き上げることが盛り込まれているという。

政府には、これ以外にも様々な手段を用いて、徹底的に不正行為を排除してほしいが、証券業界に携わる諸氏には、インサイダー取引をしたら「組織が潰れる」いや「会社が潰れる」くらいの覚悟をもって改善に取り組んで欲しい。

あなたの会社は、不正行為に対する管理は徹底していますか?

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登録日:2008年 04月 30日 13:54:23

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プロフィール
如月 薫
東京都在住。外資系メーカーの営業職を経て、某サービス系企業の人事部に在籍。人事・労務業務の他、企業の倒産・再生の取材活動も実施。現在は社員教育、採用に注力する傍ら、フリーで教育・ビジネス関連(ビジネス文書書式集本、中小企業向採用・教育等冊子)の執筆も行っている。
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