2008年 09月
責任の明確化
【9月29日 AFP】米議会は28日、最大7000億ドル(約74兆円)の公的資金で金融機関などから不良資産を買い取る金融安定化法案について、政府と合意した。
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(c)AFP/Virginie Montet
ブッシュ、マケイン、オバマなど、超党派議員を巻き込んで続いていた金融安定化策は、最大7,000億ドル(約74兆円)の公的資金を投入し、金融機関などから不良資産を買い取る方法で決着した。
3月のベアー・スターンズ破綻から始まった、サブプライムローン問題関連の金融不安は、政府系住宅金融2社の危機救済、リーマンブラザーズの倒産、米保険最大手AIGの危機、ワシントン・ミューチュアルの業務停止と、1930年来の金融危機と言われる。
今回の措置で米国内ではひと段落するかもしれないが、この金融不安は、世界中を巻き込んでおり、果たしてこれですべて収束するかどうか、予断は許さない状況だ。
では、こうした状況に陥った、そもそもの原因は何であったのか。
ひとつは、金融資本主義の過剰化現象だ。
中国やインド、ロシア、ブラジルといった、新興国の台頭によって世界の経済が活性化すると同時に、世界最大の消費国である米国がこれらの国と取引することで、金余り現象が発生。その金がドルを中心とした、金融市場へ大量に流れ込んだことで、過剰化現象を引き起こした。
もう一つは、複雑な金融商品の開発だ。
そもそもサブプライム問題は、本来住宅を購入できる資金がない者にも、購入できる仕組みを作り上げてしまったことが原因だが、そのしくみを後押ししたのが、「証券化」という複雑な金融商品の開発だ。
そして、「悪魔の知恵」とも言われる、この金融商品は、ハイリスク・ハイリターンだったにもかかわらず、米国の住宅市場加熱化に伴って分散投資として大量に買われ、世界中に「拡散」したことが、問題を大きくした主因だ。
では、今回のこの金融不安の責任は誰にあるのか。
少なくとも、ひとつは、金融資本主義を推進してきた米国政府、もう一つは複雑な金融商品を開発・販売した証券会社ということになるだろう。
今回の公的資金投入については、それに反対するデモがウォール街で起きている。住宅を購入したにも係わらず、支払いが出来ずに差し押さえられる人々が多数いる一方で、「一般市民の何百倍もの報酬を得たにもかかわらず、その面倒を政府に見てもらうのは、けしからん」という感情は当然と言える。
公的資金投入は、米国民全員の痛みを伴う。施策には、納税者への還元や経営陣の役員報酬制限などが盛り込まれているとされるが、二度とこのような事態に陥らないよう、責任を明確化し、それに対して何らかの措置をとらなければ、国民の納得は得られないだろう。
あなたの会社は、常に責任を明確化していますか?
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登録日:2008年 09月 29日 10:48:55
- プロフィール
- 如月 薫
- 東京都在住。外資系メーカーの営業職を経て、某サービス系企業の人事部に在籍。人事・労務業務の他、企業の倒産・再生の取材活動も実施。現在は社員教育、採用に注力する傍ら、フリーで教育・ビジネス関連(ビジネス文書書式集本、中小企業向採用・教育等冊子)の執筆も行っている。
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