柔軟な発想と新しいコンセプトの創造
パナソニックが、12年3月期で過去最悪の7800億円の赤字を計上する見通しを発表した。為替の円高やタイの洪水被害のほか、三洋電機買収による費用が響くというものだが、前期740億円の黒字から一転して、赤字転落は厳しい。
会見した同社の大坪文雄社長は、「テレビと半導体で構造改革をやり切り、来期は何としても業績をV字回復させる」と決意表明した。
しかし、この難局を乗り切るためには、一段のリストラを迫られそうだ。これまで、買収した三洋電機との重複事業の整理統合により、グループ全体で、3万人以上の人員削減を進めてきたにも関わらずだ。
赤字なのは、パ社に限ったことではない。
シャープは2900億円、ソニーも2200億円と、軒並み赤字決算を予想している。ソニーの平井一夫次期社長も、「避けて通れない、痛みを伴う選択を実行する場面があるかもしれない」と、4期連続で最終赤字となることを受けて、事業撤退や、人員削減などのリストラも必要との見方をみせている。
各社に共通するのは、テレビ事業の不振だ。大震災による消費低迷、エコポイント特需の反動といった国内部の問題だけでなく、欧州債務問題、急激な円高と、外部要因の要因も重なったこともあろう。しかし、韓国や台湾といったメーカーが台頭し、日本のメーカーが国際競争力で劣りつつあるのは明らかだ。
確かに、行き過ぎた円高は、日本メーカーには不利だ。しかし、円高が解消すれば、日本メーカーの競争力は、韓国や台湾勢を凌ぐほどに回復するか。答えはノーと言わざるを得ない。
1月に、ラスベガスで開催された「世界最大の家電見本市」で、韓国のLG電子とサムスン電子は、世界最大級の55型の有機ELテレビを発表した。かつて、技術大国として世界を席巻した日本メーカーの技術力が、韓国勢に追い越された瞬間だ。
アップル社は、携帯音楽プレーヤーと音楽ソフト配信、携帯端末との融合など、様々なシステムを組み合わせて、売上を伸ばしたことは周知の事実だ。また、アメリカでは、テレビにパソコンの機能を組み込んだ「スマートテレビ」の開発が進んでいるという。
今、日本のメーカーが、競争力を取り戻すためには、他のサービスと連携するなど、付加価値の高い事業を生み出し、新たな需要を呼び起こすことに尽きる。リストラだけが回復の手段ではない。柔軟な発想と、新しいコンセプトの創造が回復のキーワードだろう。
あなたの会社は、柔軟で新しいコンセプトが発揮されていますか?
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登録日:2012年 02月 05日 08:24:20
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- 如月 薫
- 東京都在住。外資系メーカーの営業職を経て、某サービス系企業の人事部に在籍。人事・労務業務の他、企業の倒産・再生の取材活動も実施。現在は社員教育、採用に注力する傍ら、フリーで教育・ビジネス関連(ビジネス文書書式集本、中小企業向採用・教育等冊子)の執筆も行っている。
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