最後のツケは従業員だ
ダイムラークライスラー、米サーベラスへクライスラー売却で合意 - ドイツ
【フランクフルト/ドイツ 14日 AFP】独自動車大手ダイムラークライスラー(DaimlerChrysler)は14日、業績不振の北米クライスラー部門を米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント(Cerberus Capital Management)に売却する方向で合意した、と発表した。
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(c)AFP/Stan HONDA
世紀の大型合併がついに破綻した。発表当初は大変話題になったが、ダイムラークライスラーのツェッチェ社長の「統合による相乗効果を、過大に見積もりすぎていた」という言葉に全てが表れている。
一般的に言って、M&Aのメリットは、既存事業の拡大・強化と、シナジー効果と言われる。前者は、市場や販売ルートを拡大することで、新規顧客の獲得の他、社内技術の向上や設備の充実も図ることができる。
また、後者は、人材、技術、権利、免許といった、様々な経営資源を統合することによって生み出される相乗効果をさす。
つまり、お互いの企業の得意とする部分をうまくジョイントすることで、事業拡大、シェア拡大、新規参入といった壁を、短期的かつ効率的に乗り越えることができるというもの。
しかし、メリットばかりでなく、デメリットもある。敵対的M&Aの場合、優秀な人材が他社へ流出することや、吸収された側は、従業員の解雇、リストラ等が行われ、残った者のモチベーション低下もある。
だが、最も重要なのは企業文化の相違だろう。
企業文化とは、「企業が積み重ねてきた固有の文化をいい、その企業独自の価値と規範・慣習をいう」とされる。
過去の例を見ても、2000年、米メディア大手のタイム・ワーナーと、オンラインサービス大手のアメリカ・オンラインの経営陣同士の不和。また、2004年、米ケーブルテレビ最大手のコムキャストと娯楽産業大手のワォルトディズニーの失敗もしかりだ。
つまり、M&Aを成功させるためには、経営陣を含む従業員同士がうまく解けあわなければ成功しないということだ。
相手の仕事のやり方や方法を批判するのではなく、お互いの良いところを認め、二つの企業文化を進化させるよう尊重し合わなければ、決してうまくいかないだろう。そのためには、トップ自ら現場を歩き、両社の従業員に強いメッセージを常に発しなければなない。
2006年は、日本企業のM&Aは2800件余りあったという。三角合併の解禁も含め、今後国内のM&Aは増加傾向をたどるのは間違いあるまい。
安易なM&Aは成功しない。そして、その影でいつもツケを払わされるのは従業員だということを忘れてはならない。
あなたの会社は、M&Aを簡単に考えていませんか?
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登録日:2007年 05月 24日 13:10:39
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- 如月 薫
- 東京都在住。外資系メーカーの営業職を経て、某サービス系企業の人事部に在籍。人事・労務業務の他、企業の倒産・再生の取材活動も実施。現在は社員教育、採用に注力する傍ら、フリーで教育・ビジネス関連(ビジネス文書書式集本、中小企業向採用・教育等冊子)の執筆も行っている。
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