危機管理と方針
【12月4日 AFP】日本サッカー協会(Japan Football Association:JFA)は3日、脳梗塞で倒れ療養中のイビチャ・オシム(Ivica Osim)監督の後任として元日本代表監督の岡田武史(Takeshi Okada)氏の就任を発表した。
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(c)AFP
サッカー日本代表の監督に岡田氏が就任した。19日には代表合宿を行い、本格的に始動した。オシム監督の突然の入院とはいえ、今回の就任の経緯について、日本サッカー協会にどうしても違和感が残る。
ひとつは、危機管理能力の欠如ということ。
オシム監督が高齢だということは、就任前から分かっていたことだ。そして、代表監督という仕事が大変な激務であるということもしかりだ。ということは、2010年のワールドカップ開催までに、少なくとも健康状態を理由とした、何らかの事態急変も予測できたハズだ。
会社であっても、例えば社長にもしものことがあった場合、副社長が職務を遂行するなど、緊急事態に対して危機管理体制は整備されている。この点、オシム監督の緊急事態に対して、スムーズに対処できなかったことを鑑みれば、協会に危機管理能力が欠如していたことは明白だ。
もうひとつは、方針転換なのか?ということ。
そもそもオシム監督は、ドイツワールドカップの結果を受け、世界に通用するサッカーを築くために就任したハズだ。そして、オシム監督の言う「日本サッカーの日本化」という方針のもと、長期的な視野に立って今日まで活動してきた。
このことは、若年代も含めて、同じ方向を目指すという点から、反町五輪監督以下、大熊コーチ、小倉コーチ、加藤GKコーチらのスタッフを配置し、時には長時間に及ぶミーティングを定期的に実施してきたことからも容易に理解できる。
つまり、今後も同じ方針を貫こうとするなら、オシム監督の緊急時に対し、現コーチ陣から昇格という人事があって当然ではないかということだ。
普通、会社では、その会社が追求する「理念・目標」があり、それを実現するために「方針」がある。そして、方針を具体的に実施するために「戦略」があり、それをもっと具体的にした「戦術」が現場で実践される。
サッカー日本代表で言えば、「世界に通用するサッカー」が目標であり、「オシム監督の言う日本サッカーの日本化」が方針だ。
協会は岡田氏に絞り込んだ理由として、
(1)オシム監督の土台を大切に、そこから積み上げられる人物。
(2)強烈な求心力、リーダーシップを持っていること。
(3)コミュニケーションが取れること。
の3点を挙げた。
一見、もっともらしいが、どう考えても(1)と(3)に関しては代表コーチ陣に適正があることは明らかだ。そして、何よりも「日本サッカーの日本化」という方針について、今後どう対応していくかを、選手や関係者に何も説明がないところに、協会に対する違和感が残る。
ワールドカップの舞台でピッチに立つのは協会ではない。選手だ。
岡田氏を迎えて、今後どのような方向で活動していくか、協会にはもっと具体的な説明責任があると思うのは私だけだろうか。
あなたの会社は、きちんと方針に沿って業務が遂行されていますか?
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登録日:2007年 12月 20日 12:21:59
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- 如月 薫
- 東京都在住。外資系メーカーの営業職を経て、某サービス系企業の人事部に在籍。人事・労務業務の他、企業の倒産・再生の取材活動も実施。現在は社員教育、採用に注力する傍ら、フリーで教育・ビジネス関連(ビジネス文書書式集本、中小企業向採用・教育等冊子)の執筆も行っている。
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