終戦を前に

恐らく日本代表チームにとってブラジル大会最後となるだろう対コロンビア戦を前に一言。

日本代表チームは、今大会に突入してから思うようなパフォーマンスが出来ない上に結果が伴わず、ザッケローニ監督に至っては、活路が見いだせるとは思えないと空中戦に強いフォワードを選ばなかったのもかかわらず、試合の終盤にパワープレーを仕掛けるなど、その采配に疑問符が投げかけられている。しかし、記者達からその指導方針にぶれがあると指摘された際には、それを言下に否定した。しかし、ぶれていないのは、本田選手を中心に行っているチーム作りと、自分の気に入った選手しか使わない采配のみである。戦術に関してぶれていないと言うには、的を射ることのない采配が目立ち、チーム自体も不完全燃焼のパフォーマンスに終始してしまっている。

戦術的にぶれていないのは、チリが実践しているようなフットボールのことを指す。チリこそは、日本人同様に体格的に劣るにも拘わらず、高い技術をベースに意図のあるパスワークと献身的な動きでポゼッションを高め、世界の強豪と渡り合うフットボールを実践しているチームだ。日本の関係者は、チリが実践しているようなフットボールをもっとは研究し、学んで吸収する必要があるのではないだろうか。

小柄と言えばメキシコも同様で、高い個人技と戦術眼をベースに、6大会連続でベスト16に駒を進めた。しかし、ベスト16止まりに終始しているのも事実で、そこはメキシコが国内リーグで活躍している選手を重用していることに関連があると私は考えている。
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登録日:2014年 06月 24日 17:23:33

全て日本語で入団の挨拶をしたフォルラン選手


Jリーグからワールドクラスの外国籍選手の名前が聞かれなくなって久しいのですが、来る2014年シーズンに向けて、ディエゴ・フォルラン選手がセレッソ大阪に電撃移籍しました。リネカー、スキラッチ、ストイチコフに次ぐW杯得点王のJリーグクラブへの入団。しかも過去の3選手とは違って現役代表選手としての加入ですから、Jリーグも暫くはこのフォルラン選手の話題で賑わうことになるでしょう。

セレッソ大阪はこの大物選手に対して、数億円の年俸を用意したと言われていますが、柿谷、山口両若手選手の代表での活躍等が、大幅な観客動員数増大に繋がったことから、フォルラン効果で更なる入場料収入やグッズの売り上げが見込めると判断したようです。そして優秀な若手選手の多いセレッソが、本物のワールドクラスの選手を目の当たりにして、多くを吸収して成長出来ることも計算に入れているのでしょう。また、大株主であり、実質的親会社であるヤンマー・ディーゼルの対南米戦略の広告搭的役割も果たすことを考えれば、フォルラン選手の獲得が、優良な投資案件のお手本となる公算は高いと私は考えます。バブル崩壊以降、個人でも組織でもなかなかリスクを背負うことや、思い切った行動をとることがなくなった我が国の社会状況ですが、この移籍がセレッソ大阪とその実質的親会社に多くの実りをもたらし、Jリーグの活性化に繋がることを祈って止みません。アジア・チャンピオンズ・リーグへの弾みにもなることも期待したいものです。
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登録日:2014年 02月 17日 22:29:33

さようなら、国立競技場!!


謹賀新年!!

いよいよワールドカップ・イヤーの幕が開きましたが、皆様にとって本年が素晴らしい1年となりますように心よりお祈り申し上げます。

元旦恒例の天皇杯決勝は、リーグ戦の優勝争いで悔しい想いをした横浜Fマリノスが、リーグ連覇のサンフレッチェ広島を2対0で下して、見事21年ぶりの優勝! 有終の美を飾ると共に、雪辱を果たした格好となりました。2013年はドゥトラ、中澤、中村俊輔といったベテラン或いは超ベテラン選手の活躍が光ったシーズンでしたが、彼らはフットボールの試合で、ベテランが如何に重要な役割を果たすことが出来るのかを、改めて示してくれました。

片や惜しくも敗れてダブルの夢破れた広島ですが、横浜Fマリノスの半分程の運営費で近年好成績を収めている事実は、もっと称賛されて然るべきだと私は考えています。来季は守護神の西川選手の移籍が取り沙汰されていますが、昨年も一昨年もこのクラブは、常に予算の潤沢なクラブに主力選手を引き抜かれ続けているのです。メディアは、サンフレッチェ広島の監督、選手はもとより、GMやマネージメントのスタッフにもっと光が当てるべきではないでしょうか。
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登録日:2014年 01月 01日 23:33:04

大嘘のスポニチ報道  ブレーメンは柿谷をそれほど評価していません!


10月14日のスポニチに、「ブレーメン 柿谷に2度目オファー提示へ!今冬にも移籍実現か?」との見出しで、ドイツ・ブンデスリーガの名門であるヴェルダー・ブレーメンが柿谷選手に興味を示しているという内容の記事を掲載しましたが、これは全く事実に反することであります。

実は、ヴェルダー・ブレーメンの強化部及びスカウト部は、昨今のブンデスリーガに於ける日本人の活躍とその費用対効果、そして勤勉で和の心を持つ特性等を鑑みた結果、日本を欧州、中南米に次ぐ若手選手発掘の市場として認知するに至り、2012年の4月からJリーグに於けるスカウト活動を開始しています。

私はその前年の12月に、ヴェルダー・ブレーメンのGM補佐(当時)であるフランク・バウマン氏とチーフ・スカウトのフランク・オルデネヴィッツ氏(以下、オッツェ)から、同クラブの日本人選手獲得プロジェクトを支援して欲しい旨の依頼を受け、過去3回のJリーグに於けるスカウト活動に全て同席しているので間違いありません。
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登録日:2013年 10月 15日 01:32:13

ブンデスリーガ初の日本人鍼灸師


皆様、大変長らくご無沙汰しております。フットボール・ビジネスが多忙なため、ブログの更新がなかなか出来ず、申し訳ございません。ところで、本年6月と少し古い話にはなりますが、ドイツの在留邦人を対象に発行されている唯一のフリーペーパーであるドイツニュースダイジェスト( http://www.newsdigest.de)の紙面上にて、私達が展開している欧州スポーツ鍼灸プロジェクトのことが特集で紹介されましたので、以下にご紹介致したいと存じます。

サッカー・ブンデスリーガ1部に10人以上の選手が所属するなど、
今や日本人選手のドイツでの活躍が報じられない日はない。

一方で、選手の身体とパフォーマンスを支える分野でも日本人の挑戦が始まっている。
日本のスポーツ鍼灸の技術を欧州に伝えるべく奔走している小谷泰介さんに、その経緯について伺った。

そこから見えてきたのは、無限に広がる可能性。
欧州は、挑戦するスポーツ鍼灸師のフロンティアだ。

(ドイツニュースダイジェスト編集部:高橋 萌)
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登録日:2013年 07月 30日 21:32:57

ドイツ勢がスペイン勢を粉砕とは言うけれど・・・


注目のチャンピオンズリーグ準決勝は、スペイン勢対ドイツ勢同士の対決として注目を集めていますが、ファーストレッグの結果はバイエルン・ミュンヘンがFCバルセロナを、そしてボルシア・ドルトムントがレアル・マドリードをいずれもホームで蹴散らすと言う予想外のものでした。

各国のメディアは、センセーショナルな見出しでその結果を伝えましたが、その中でアルゼンチンのオレ紙は、「ドイツ勢がフットボールの勢力図を塗り替えた。中心は既にスペインではない」と報道し、英国のデイリー・ミラー紙も、「ドイツ 8-1 スペイン。ウェンブリーはドイツ勢によるファイナルを準備すべし」とぶち上げました。また、我が国のスポーツナビの見出しも「ドイツ勢が世界の勢力図を塗り替えた。賛辞を受けるバイエルンとドルトムント」と、ドイツのフットボールが世界を席巻する時代に入ったかのように伝えていますが、正確には「ドイツ人の経営するチームが」というべきなのだと私は思います。UEFAが打ち出した収入以上の支出を認めないというフィナンシャル・フェアプレーがドイツのクラブにとって追い風になっている背景があるかとは存じますが、採算を度外視して選手を補強する時代が終焉を迎えようとしているのは素晴らしいことであります。
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登録日:2013年 04月 26日 03:03:12

体罰と決別出来ない低級な日本の学校体育の現場


寒中お見舞い申し上げます。
本年が皆様にとって良き一年となりますようお祈り申し上げます。

という文言で今年のブログを始めたのは良いのですが、新年早々スポーツに纏わる事柄で、痛ましいニュースが飛び込んで参りました。大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将(高校2年生男子、17歳)が昨年暮れに、強豪校の主将としての重圧、具体的には敗戦の責任や、顧問の男性教諭から日常的な体罰を受けたことによるストレス等を苦に、自殺を図ったというのです。

その後、1年3か月前に同校のバスケットボール部で教師が子供たちに体罰を加えているという匿名の通報があったにもかかわらず、学校側は教師への聞き取りのみを行って「体罰はなかったと」と結論付けていたとか、今回の事件を受けて生徒の聞き取りを行ったところ、部員の4割が自分も体罰を受けていたと話すなど、本当に嘆かわしい程レベルの低い学校体育の指導現場の実態が判明。溜息ばかりが出て参ります。
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登録日:2013年 01月 13日 00:16:37

あるブンデスリーガGKコーチとの会話


私のようなオジサンは、「ゴールキーパー ≒ ベテランと連想する世代」と言えると思います。何しろ私の青春時代である1970年代前半を彩ったゴールキーパー達は、ゴードン・バンクス、ピーター・ボネッティ、アレックス・ステップニー等々ベテラン選手が多く、いずれも英国系の選手であったことも特徴でした。当時20代であったピーター・シルトンやフィル・パークス、デビッド・ハーベイ、そしてジョー・コリガンといった選手達も、その後長く現役を続け、ベテランの域に達してなお大いに活躍したものです。パット・ジェンングスという選手もそんな時代に40歳まで現役を続け、リーグ戦で762試合、北アイルランド代表として119試合に出場するという偉業を達成しています。

もっと古い選手では、1960年代に活躍し、黒蜘蛛の異名をとったレフ・ヤシン(ソ連)がいましたが、最近のゴールキーパーはベテランと呼ばれる選手がグッと少なくなり、世界レベルでも若手の台頭が目立つようになってまいりました。

そんな思いを抱く中、最近ドイツ・ブンデスリーガの名門、ヴェルダー・ブレーメンのGKコーチであるティーガー(tiger)ことミハエル・クラフト氏と談笑する機会を得たので、近年のゴールキーパー若年化について問い掛けをしてみました。

ティーガーは、1990年代初頭に1FCケルンの守護神として活躍をし、2000年代半ばに現役を引退。その後は国内のみならず、Kリーグの仁川(インチョン)でGKコーチを務めたこともあり、2006年からヴェルダー・ブレーメンのGKコーチに就任して今日に至っています。いつも穏やかな表情を崩さず、全身から温厚な人柄の良さが滲み出ているティーガーですが、安定感と沈着冷静な判断が求められるゴールキーパーを指導するにはうってつけの人物だと私は常々感じています。以下は、そのやり取りでございます。(※太字がクラフト氏の会話です。)
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登録日:2012年 12月 31日 16:58:50

チェルシーFCの心優しきマルコ・マリン選手②


全国的に厳しい寒さに見舞われたクリスマスの日本列島でしたが、英国のプレミアシップは、クリスマスやお正月などお構いなく日程が組まれていくタフでハードなリーグとして、夙に有名です。そういえば、チェルシーFCに所属するわが友マルコ・マリンは、クラブワールドカップに参加したおかげで、年末年始のスケジュールが更に厳しいものになったと語っていました。「決勝翌日の17日に帰国したら、20日、24日、27日、30日、そして年が明けて3日とリーグ戦が続いて、6日にはFAカップと、17日間で6試合もあるんだよ!」とは、本人の弁です。

ところで、前回このブログにマリン選手との会話を掲載したところ、予想以上の反響があり、多くの方に関心を持って頂いたようです。そこで、今回は前回記載しなかったマリン選手との会話を出来る限り忠実に再現して、続編としてお届けしたいと存じます。

FIFAが公式な主催者としてその名前を冠するようになってからというもの、参加チームとの接触が厳しくなったことは前回お伝えした通り。何しろマリン選手との再会を果たすためには、マリン選手本人からホテルのレセプションに小生の来訪を事前に伝えておいて貰い、当日は私がその旨をレセプションで申告せねばなりませんでした。そしてレセプションに着いてから15分後に、ようやくスーツ姿の大会関係者2人に連れられて本人がやって来るという、物々しい警戒ぶりだったのです。その後、外出は出来ないのでホテル最上階のラウンジまで行き、そこでガードをしていた関係者2人がようやく離席して、我々だけのプライベートな時間が持てた次第です。

以下は、そこでのやり取りの続編でございます。太字がマリン選手の会話です。
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登録日:2012年 12月 29日 01:10:13

チェルシーFCの心優しきマルコ・マリン選手


以前にこのブログで、ヴェルダー・ブレーメンに所属していたドイツ代表のマルコ・マリン選手の人となりについて、述べさせて頂いたことがございますが、そのマルコ・マリン選手に先程横浜にて会って参りました。と言いますのも、同選手は本日決勝が行われるクラブワールドカップにチェルシーの一員として来日しているからです。

今季よりブレーメンからチェルシーに移籍したマリン選手は、プレシーズン・マッチで大いに活躍したのですが、その後古傷の太腿裏を痛めて3か月もの間戦列を離れざるを得ず、失意の序盤戦を送っていました。しかし、ここへきてようやくコンディションも上がってきたようで、最近はリーグ・デビューも果たし、ベンチには必ず入るようになっています。一関係者としてブレーメンに出入りしている東洋人の私に、常に暖かく接してくれていた好青年だけに、今回彼が来日を果たしてくれたことは私にとって幸運であり、約半年ぶりの再会を喜びあった次第です。

昔のトヨタカップと違って、FIFAクラブワールドカップとなってからは、チームへの警備が半端ではなく厳しくなっており、来日後暫くは会うことが出来ませんでしたが、マリン選手とはFACEBOOK友達である息子経由で連絡が取れ、本日やっと宿泊先のホテルにて再会を果たすことが出来ました。

以下にそのマリン選手との約1時間に及ぶ会話の一部を掲載させて頂くことで、彼がフットボール選手だけではなく、まだ23歳と若いのですが、人間として如何に優しく優れた人物かをお分かり頂ければ幸いです。(太字がマリン選手、普通文字が私の会話です。)
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登録日:2012年 12月 16日 05:50:07

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プロフィール
小谷泰介
1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト。

四半世紀に及ぶ取材経験を生かしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説は、ラジオやテレビで人気を博した。
また、本場欧州にプロクラブの監督や選手の友人が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に「拝啓 川淵三郎殿」(モダン出版)や「Jリーグ入門」[講談社)などがある。
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