中澤選手代表引退表明について
<06サッカーW杯>日本W杯敗退、1-4でブラジルに敗れる - ドイツ
【ドルトムント/ドイツ 22日 AFP】06サッカーW杯、グループリーグF第3戦、日本対ブラジルの試合は、日本が先制するもブラジルの猛攻を防ぐことが出来ず1-4で敗れ、通算成績を1分2敗としグループ最下位。決勝トーナメント進出はならなかった。写真は、ヘディングをする坪井慶介(Keisuke Tsuboi、左)と行方を見守る中田英寿(Hidetoshi Nakata)。(c)AFP/SHINYA HAGA
ボンバー中澤こと中澤祐二選手が突然の引退を表明し、波紋を呼んでいます。
近年、所属する横浜Fマリノスでリーグ戦、ナビスコ杯、アジアチャンピオンズリーグ、天皇杯に出場し続けた上に代表の試合が加わり、過密日程で両足首、両ひざの痛みが消えず満身創痍の状態であったこと(現在も右でん部肉離れで負傷欠場中)がその主たる理由のようです。しかし、まだ28歳という年齢と、何よりも強い意志をそのまま体現したような固い守備、そしてボンバーヘッドの異名を取る空中戦の強さが健全なだけに、協会も所属クラブも慰留を続けている模様で、それは当然の成り行きだと思います。
海外ではペレや、ベッケンバラアーに始まり、数多くの有名選手が現役を続行しながらも代表からの引退を表明していますが、いずれも30歳を超えた時期ですし、近年ではジダン、フィーゴ、ネドベドが代表からの引退後、W杯のために復帰して大活躍している例もあります。
また、W杯で優勝したイタリアのカンナバーロ、マテラッツィ、インザーギ、デルピエロ選手らは皆32、3歳ですし、年齢を感じさせない活躍で勝利に貢献しました。またカフー、ロベルト・カルロス、テュラム、マケレレ、ジダン、フィーゴ、ヨークといったW杯で活躍した各国のスター達も皆33、4歳です。
年齢が全てではありませんし、ケガによる痛みは本人にしかわからない部分があるので、一概に早過ぎると決め付けることは出来ませんが、中澤選手には取り敢えずは引退を撤回した上で治療に専念して半年から一年程、様子を見てはいかがかと申し上げたいと思います。
今回のW杯で日本代表は惨敗したものの、やはり中澤選手のマンマークの強さ、空中戦の強さは際立っていましたし、2010年にはテリー、ファーディナンドならぬ中澤、闘莉王のセンターバック・コンビを見てみたいと思うのは私だけではないはずです。とにかく、止めるのは簡単。いつだって出来るのですから、是非再考を願いたいものです。
なお、この度の中澤選手代表引退の一連のニュースで少し気になることなのですが、燃え尽きる前に引退を表明することが美学のような印象を現役選手やプロを目指す選手達に与えはしないかということです。何しろ中田英寿氏があのような形で突然に現役引退を発表しましたから、中澤選手が多少なりともそれに影響を受けたことは想像に難くありません。そして、もし中澤選手が本当に代表を引退するとなれば、余力を残して惜しまれながら引退をすることが、カッコいい、美しい、と考える傾向に拍車がかかってしまうのではと、懸念致します。
私自身は、選ばれてプロになり、更に代表選手にまで昇り詰めたからには、燃え尽きるまでやるべきだという自論があり、散り際の美しさイコール燃え尽きることと考えているので、特にそういった想いが強いのかも知れません。
日本にはなかなかいませんが、本場には30代半ばまで代表の守備の要として活躍した選手は沢山いて、彼等は世界のトップリーグに国内カップ戦、そしてチャンピオンズリーグのようなハードな試合を年間60試合近くこなしているのです。従って世界基準と比較して日本は体力、気力の面でも劣っていると言わざるを得ません。
中澤選手には海外でのプレーにも挑戦してもらいたいと考えていただけに、繰り返しになりますが、代表引退については思い止って再考していただけたらと願う次第です。
コメント[6], トラックバック[0]
登録日:2006年 07月 27日 19:00:40
コメント
全くその通り。日本代表の最大の弱点は守備です。中澤・闘莉王のガンガン怒れる守備を期待します。中澤君、黄昏れるには早すぎるよ!
コバヤシ @ 2006年 07月 27日 21:22:57
あまり信用出来る記事(↓)ではありませんが、オシム氏を推す小谷さん、
この辺りの(裏)事情を突っ込んで書いて下さい!!!
http://www.zakzak.co.jp/spo/2006_07/s2006072708.html
どうかお願いいたします。
ロベルト・アベリーノ @ 2006年 07月 28日 09:54:08
ロベルト・アドリアーノさん
わかりました。来週早々には、突っ込んで書いてみたいと思います。
いつもご意見ご感想、そしてわたしの執筆への意欲を高めるネタのご提供に感謝申し上げます。
小谷泰介 @ 2006年 08月 19日 15:56:46
小谷さん、こんばんは。
多分、小谷さんの思い入れが強いのかも知れませんが、私のハンドルネームは、
「ロベルト・リベリーノ(↓)」からパクったモノで、「アドリアーノ」ではありません(笑)。
あしからず・・・。
http://200.159.15.35/brasilnacopa/craques.aspx?j=212
ロベルト・アベリーノ @ 2006年 08月 23日 00:14:27
代表引退の表明はマスコミにする事ではなく、打診されたときに監督や関係者にすること。そもそも引退表明という行為は欧米でも一握りのスター選手が行うもので、今の日本サッカーレベルにおいてわざわざ表明する事はナンセンス。世界を知るオシムもはじめから呼ぶつもりはなかったかもしれない。
未だビッグクラブで日本人選手が活躍できない現状。ナカタ、マツイ、ナカムラという名前を知っている世界のサッカーファンは多いかもしれないが、聞いて「手ごわいぞ」と思っている人はどれだけいるだろうか。優秀な選手だった中澤選手にも同じ事が言える。マスコミの影響もあるが、世界的に馴染みのない選手の引退表明を大きく扱う、殻に閉じこもった日本サッカーのほうが心配だ。
ロマウジーニョ @ 2006年 10月 13日 19:59:22
ロマウジーニョさんへ
このブログでも何度か指摘させていただいておりますが、日本のスポーツ報道にモラルや確固たる規範、基準がないのは今に始まったことではありません。
でも、中島選手のケースは、彼が代表引退に関してマスコミに発表したわけではなく、協会にその趣旨を伝えただけではなかったでしょうか。
それを聞きつけたスポーツ紙記者が大きく扱っただけと私は認識しております。間違っていたらごめんなさい。
小谷泰介 @ 2006年 10月 16日 19:37:42
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- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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