A HAPPY NEW YEAR!!



新年明けましておめでとうございます。

2010年が皆様にとりまして、良き1年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

世の中は相変わらず厳しい経済状況が続いており、特に日本は完全なデフレ・スパイラルに陥っていて先行きが不透明です。否、不透明というよりも当分の間、経済は停滞したままであると腹を括り、その中でいかに知恵を絞って活路を見出すかに専念すべきであるというのが私の考えです。

プロスポーツは、よくも悪くも企業の支援や協賛によって支えられていますから、国内のフットボール界に目を向ければ、大分トリニータやヴェルディ東京のような運営危機を招くクラブが、この不況下で増える可能性も少なくありません。

しかし、日本人の最大の特徴である勤勉さと和を重んじる精神を持ってすれば、この陰鬱とした不況を脱する策は必ずあると確信する次第です。

それにしても、日本は戦後GHQの政策により、それまで日本人の基盤となってきた精神性や、大和魂に代表される勇猛果敢な特性を否定され、「信じられるのはお金だけ」とばかり、ひたすら拝金主義に毒された道を突き進んで来てしまったと言えないでしょうか。

学力レベルの高い学校を目指し、優秀とされる大学に入り、そして官僚や大企業のサラリーマン、或いは医師や弁護士といった職業に就いた者のみが勝ち組という構図が日本を支配してしまいました。

いつの時代でもそれらの職業に従事する人々は存在し、尊敬されてきたのですが、彼らには自分が国士として我が国を支えるとか、「医者は仁術」や「法の正義」といった高邁な思想の裏付けありました。しかしながら、戦後それらの職業は、単に安定と高収入が約束されているからという動機によって目指す人達によって侵食されてしまったかのようです。そこには、お国の為にとか、大衆の為にといった崇高な想いは存在致しません。

それは今日の国政の成れの果て、或いは経済状況を見れば一目瞭然です。

そして何よりも憂うべきことは、この国に蔓延してしまった拝金主義が、家族の絆や家長制度を破壊しつつあることです。充分なお金を運んで来れないお父さんは尊敬されず、父権が失墜。そして家長制度が崩壊してしまっています。

お父さんが絶対ということではありませんが、給料や所得の高低が家族の中での女性と男性の役割、父親と母親の役割を瑣末なものにしてしまったと私は思うのです。

熟年離婚しかり、40代から50代男性の自殺の驚異的な増加、果ては親子同士の殺し合いに至るまで、家族の絆の崩壊がこうした現代社会が抱える問題の病巣になっていることは間違いないでしょう。

家族の絆、そして父権の復活が日本再生の大きな鍵を握っていると、2010年初頭に宣言させて頂きたいと存じます。

かく言う私は身から出た錆とはいえ、2005年に一家離散の憂き目に会い、今年も寂しく一人で正月を迎えていますが、希望を失ってはおりません。一家和楽の家庭を取り戻し、心置きなくフットボール界のために尽力できる環境を手に入れるべく、新年の志も新たに精進致す所存です。

閑休話題。新年早々フットボールとはかけ離れた話題となってしまいましたが、今年は何と言ってもワールドカップ・イヤーです!

日本代表は、グループリーグでオランダ、カメルーン、デンマークと対戦することになりました。そして、多くの皆様が感じているように、私も残念ながらグループリーグ敗退を予想せざるを得ません。そしてその根拠を大まかに以下の用にまとめました(詳細な分析は、今後折りを見て掲載させていただくことに致します)。


1.他国の殆どの中心選手が本場欧州の強豪クラブでレギュラーとして活躍しているのに対し、日本代表は大黒柱の中村俊輔選手をはじめ、殆どの欧州組がレギュラーを獲得出来ていない。中心選手個々人の経験、試合での技術及び判断力、身体能力といった観点(選手の総合力)で最も劣っている。


2.さりとて日本がパスワークを中心とした組織力や、走力で勝るフットボールを展開しているかというと否である。

3.FIFAランキングは日本が最下位であり、各国の目の肥えたジャーナリズムも何だかんだ言って殆どが最下位での日本の敗退を予想している。

4.監督の能力を比較した場合にも、岡田監督は残念ながら総合力で他のどの監督よりも劣っているといわざるを得ない。強運の持ち主であることは否定しないが、世界のフットボール界は強運だけで乗り切れるほど甘くないことは、1998年フランス大会で実証済み。

5.(余談)高潔な態度が魅力の岡田監督であったが、あそこまで「ベスト4」に執着している言動をみると、彼自身のスポンサーでもあるadidas社の「世界を驚かす用意がある!」というキャッチフレーズと連動した発言を意識しているとしか思えない。それが事実であるとすれば、過去の歴史を振り返っても本大会では悲惨な結果が待ち受けていることになるだろう。

以上でございます。

新年早々こんな暗い予想を立てたくはありませんが、致し方ありません。日本の国状ではありませんが、現実を冷静に分析して受け止め、思い切った改革を断行しない限り、右肩上がりであった日本フットボール界は今後暫くは緩やかな下降線を描くことになると私は感じています。

6月の南アW杯で、またしてもグループリーグ突破を果たせなかった場合には、日本協会内部の思い切った改革が必要でしょう。その際に最低限必要なことは「世代交代」、「若返り」であることを申しあげて、新年最初のブログの結びとさせて頂きます。

コメント[8], トラックバック[0]
登録日:2010年 01月 01日 19:21:56

コメント

あけましておめでとうございます。いつも小谷さんの素晴らしい分析を楽しんでおります。

今回も大変素晴らしい分析でした。私もW杯日本代表の予想はグループリーグ敗退でして、具体的には三連敗です。となると、岡田氏は監督としてW杯で六連敗ということになります。W杯本番で六連敗した監督を私は知らないのですが、小谷さんはご存知でしょうか。

またW杯後、岡田監督はどうなってしまうのでしょうか。

これが南米のどこかの国でしたら、六連敗した監督は殺されかねません。日本はそこまで過激ではありませんが、どうなってしまうか心配です。本人はそうした事態を全く考えていないようですが、私は勝手に心配しております。小谷さんにご意見を書いていただけると幸いです。

みなみ @ 2010年 01月 03日 13:18:36

小谷さん、初めまして。時間があるときにじっくり小谷さんのコラムを見るのが好きです。

僕はベスト4を公言しすぎていて、岡田さん自身が引っ込みがつかなくなってしまったことと、メディアのあざけり?ともいいますか・・・何だか憮然としません。本質的に争点がどこなのか?わかりません。ちなみに今日の日刊スポーツの一面ですが東洋大学の柏原選手の劇走は納得できますし、部数を売りたいメディアの立場を考えたとしても受け入れます。では天皇杯の記事は??8面の片隅でした。しかもWイヤーにもかかわらず、イエメンにいる岡田さんも同じ紙面で片隅。いったいメディアはサッカーをどうしたいのでしょうか?どう考えてもオフ期間のプロ野球選手の話題よりもプライオリティも高いはずです。今も昔もメディアは審判を叩く前に自身の水準の低さを考えてほしいのです。

岡田さんは悪くないと思う。ある意味日本代表を二回も指揮できるのは彼しかなかった幸運だと思いますし、最後だからこそ受け入れて開き直っていると思う。岡田さんは馬鹿じゃないから、メディアの水準の低さも当然受け入れていると思います。

小谷さんの意見に似ているのですが、協会そのものを抜本的に変えていいと考えるのです。今の協会スタッフの人間関係だからこそ、岡田さんになったわけだし、過激なことを言わせてもらうと、協会内部に外国人がいてもいいとさえ思うのです。小野さん、原さん?、犬飼さん?協会の人事こそ責任を問われてもいいのではないでしょうか?

2、3千万円の年俸の現役Jリーガーが高額を理由に首を切られる、現状の夢のなさにもっと我々ファンを含め協会の人に真摯に考えてほしいと思うのです。

すみません、つい興奮して・・・駄文失礼しました。
今年も小谷さんのコラムを楽しみにW杯を楽しみたいと思います。

R135 @ 2010年 01月 03日 14:25:16

みなみさん

コメントをありがとうございました。そして明けましておめでとうございます。

気の早い話ですが、さすがにW杯で6連敗した監督はいないと思います(韓国にそれに近い成績の監督が存在するかも知れませんが)。

世界のフットボール界はそれほど甘くはないということかと存じますが、私は幾らなんでも日本のポテンシャルからいって6連敗はないものと信じたいです。でも、岡田監督の欠点ともいうべき「好きな選手で固定してしまう采配」が是正されないようでしたら、あるかも知れませんね。

なお、南米では6連敗するような監督は選ばれませんし、殺されるのは監督ではなく協会会長なのでご心配なく(ブラックジョークでした!)。

小谷 @ 2010年 01月 04日 02:25:09

R135さん

初めまして!そして明けましておめでとうございます。また、コメントをお寄せくださり誠にありがとうございました。

貴殿の日本のメディア(今回は主としてスポーツ紙かと存じます)に対するご意見や疑問は良く理解できます。

世界と比較した時に、色々な意味でその差に愕然とさせられるのですが、日本のマスコミのレベルは相当に低いと言わざるを得ません。

フランスのレキップ紙、イングランドのガーディアンやタイムス紙、イタリアのガゼッタ・デ・スポルト紙、そして新聞ではありませんがドイツのキッカー誌の論調、コラムの質、分析の確かさは日本のメディアの比ではありません。

日本の大新聞は世界各国に支局があるのですから、もっと世界のフットボールの流れや歴史を掴んだ上での記事があっても良いのですが、フットボールががまだ文化として人々の生活に根ざしていないとしか言いようがありません。

なお、貴殿が指摘されている年俸が僅か2、3千万円で高給取り扱いされてしまうJの現状は、非常に危惧されるべきだと思います。はっきり申し上げて、早急にチームを増やし過ぎです。少なくともJ1は10~12チーム位にして、そのステイタスとブランド力を高めていかないと先行き暗いと申し上げねばなりません。因みにプロ野球がチームを増やさないのは正解なのだと思います。

日本のフットボール界も完全にデフレ・スパイラルに陥っています。本当に憂うべき現状です!

小谷 @ 2010年 01月 04日 02:50:49

あぁもう半年後のコメントが予想できますね。日本サッカー協会の現会長は言うんでしょうね。

「グループリーグ敗退した監督を連れてきたのは、前の技術委員会の人であり、それは前会長の意思に沿ったものである。つまり今回の本大会での結果(敗戦)の責任は私にはない」と。

酷い場合は、さらなる責任放棄。去っていくだろう監督を悪者にして「ベスト4と謳っていたのは監督であり、協会としては…(伝々)。」

そう一番気になることは、この…部分。協会は監督にノルマを課してるの?ってところです。少なくとも協会は世間にこれを公表していません。こんなんで良いんでしょうか?

僕なら勝ち点3挙げたら岡田さんの給料を1億。グループリーグ突破したら2億。ベスト8なら3億。ベスト4なら4億とインセンティブにします。そして監督に問いたい。ベスト4を逃したら5千万で良いか?と。

揚げ足取りですが、数年前に「代表監督は1億2億もらっても、割のあう商売ではない。」と岡田さんは言っています。目標に2歩も遠ざかったグループリーグさえ突破できなくても、同じ発言ができるでしょうか?

さて、協会の会長選も会員の選挙にならないですかね?僕年間1万くらいなら払って良いから選挙権欲しいです。

k @ 2010年 01月 24日 12:15:51

kさん

コメントをありがとうございます。

監督のインセンティブ契約と、会長の選挙権は実にユニークな発想で取り入れるに値するアイデアかと存じます。

結果的にはベスト4で4億円なんて安いものですものね!日本が本当にベスト4に進出出来たならば、どれだけ日本のフットボール界が活況を呈し、Jリーグが盛り上がることでしょう。何よりも暗い日本の世相に大きな希望の光を与えることが出来ます。これはお金では買えません!!

協会の幹部は、日本代表チームが国民に大きな影響を与える公共の器であることをもっと自覚していただきたいと存じます。

小谷 @ 2010年 01月 28日 21:01:52

小谷様
私は、少年サッカー、高校サッカー、大学サッカー等に知り合いがいます。そこに係わる指導者、選手、家族等、労を惜しまず時間もお金もかけて活動しています。広い意味で彼らがサッカーの底辺を支えています。サッカーの代表選手は、正に空をつかめたスター達であります。その代表チームがファンを失望させています。それは監督人事が学閥、企業閥等日本リーグ時代の呪縛から変わってないからではないでしょうか?

サッカーのある生活 @ 2010年 02月 05日 13:23:41

サッカーのある生活さん

コメントをありがとうございます。

ご指摘の点を、かつて小著「拝啓川渕三郎殿」野中でで川渕さんに尋ねたことがあります。
ご丁寧に返信を頂きましたが、その答えは「そのようなことがあったならば、いつでも現在の職を辞する覚悟でいます。」というものでした。ご本人はそのように真剣に思っていらっしゃるのかも知れませんが、この方は人事に関しての感覚が麻痺していらっしゃるのだと思いました。

組織というものは、中にいると客観的にその組織自体を見ることが出来ないように、川渕さんはそのご判断ができていない、麻痺してしまっているのだなと・・・。


人間なので、自分が所属した閥や母校を優先したくなるのはある程度仕方ありませんが、今日本が現在おかれている経済状況や国威の変わり果てた様を見ると、学閥や派閥がいかにろくなものでないかが善くわかりますね。

小谷泰介 @ 2010年 02月 15日 11:36:37

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プロフィール
小谷泰介
1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト。

四半世紀に及ぶ取材経験を生かしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説は、ラジオやテレビで人気を博した。
また、本場欧州にプロクラブの監督や選手の友人が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に「拝啓 川淵三郎殿」(モダン出版)や「Jリーグ入門」[講談社)などがある。
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