負けるな、中村俊輔選手!!(2)


前回、南アW杯の1次リーグ敗退を予想し、その大まかな分析をさせていただきましたが、日の丸を背負ってピッチを駆ける選手達に責任はないというのが私の見解です。

それは、「フットボールのチームは、監督如何でどうにでもなる」という持論が軸になっているからです。

世界のフットボール界を見渡しても、マンUを強くしたのはファーガソン監督以外の何者でもありません。70年代、80年代のマンUなどは大したチームではなく、ファーガソン監督なくしてこのクラブは語れないのです。因みにファーソン監督は、それ以前にもアバディーンというスコットランドの何の変哲もないクラブを強くし、国内ばかりでなく欧州タイトルまでも獲得しました。それは欧州カップ・ウィナーズ・カップで、確か決勝の相手はレアル・マドリーだったと記憶しています。

アーセナルもまた然り。このクラブはベンゲル監督が就任してから、やっと真の常勝軍団になりました。そして、同監督はその前に指揮を執った名古屋グランパスでも見事にクラブを変貌させています。現在、名古屋グランパスはストイコビッチ監督を擁して一見かつての輝きを取り戻しつつあるように見えますが、それは見立て違いであって、もしベンゲル氏が現在の名古屋を率いていたら、あの豪華な陣容で2シーズンを無冠で過ごすということは決してないと考えています。余談ではありますが、名古屋は来季に向けて大補強を慣行していますが、果たしてどのような結果が待ち受けているのでしょうか。見ものです。

また、ブンデス・リーガのヴェルダー・ブレーメンの歴史の中で黄金期を築いたのはレーハーゲル監督とシャーフ監督の2人であり、それ以外の監督が就任した時期はろくな成績を残していません。

我が国でも同じことです。タイトルとは無縁だったガンバ大阪をあそこまでのクラブにしたのは誰でしょう? 言うまでもなく西野監督であり、西野監督を解任したレイソルが、その後長い低迷期に入っているという間抜けな事実も逆説的にそのことを証明しています。

JEFユナイテッドが輝いていた時期も、オシム監督が在籍していた時期のみです。巻、羽生、水野、坂本、水本といった選手達は、オシム監督と出逢っていなければ、決して日本代表入りをすることはなかったはずです。良い監督は、並みの選手を大きく育てるのです。

話しが監督論に発展してしまいそうですが、本題は中村俊輔選手です。

昨年のブログでも紹介させていただきましたが、同選手は現在所属するリーガ・エスパニョーラのエスパニョールでレギュラーを獲得出来ておらず、奮闘中です。

現監督は、セルティックの監督であったストラカン氏のように中村選手に全幅の信頼を置いていないことがその大きな要因かと存じますが、クラブ自体も低迷してしまっているので、まだ救いはあります。中村選手抜きで結果を出されてしまっては、同選手が不必要ということになってしまうからです。このままで行くとエスパニョールは監督を解任する可能性もありますから、家宝は寝て待てではありませんが、今はまさに色々な意味で辛抱の時期なのでしょう。

しかし、中村選手は世界中のどの監督も異口同音に素晴らしい選手であることは認めているわけで、今は何かがおかしいのだと考えるべきでしょう。長年身体を酷使してきたことによる金属疲労的な要素と年齢からくる衰えを完全に否定することはできませんし、繰り返しになりますが監督との相性の問題は深刻に見えます。

ただ、以前にも述べましたが、彼ほどの実力と経験を持ち合わせた選手であれば、必ずや道を切り開くすべを知っているはずなのです。私はそこを信じたい!

何を隠そう、私は中村選手が大好きであり、元来あった素質を努力で開花させたという点では、釜本邦茂氏と中村俊輔選手が我が国の最高峰に位置付けられると考えます。

私がフットボールに興味を持ち始めた1968年は、セルティックが黄金時代を築いていた頃であり、そのパスワークと個人技を織り交ぜた華麗なフットボールもさることながら、何とも言えない小洒落たユニフォームに憧れたものです。何しろ緑と白の横縞のシャツには背番号が付いておらず、パンツの前脇と後ろ脇に番号を付けていて板のですから。古今東西、そんなスタイルのクラブはセルティックだけであり、UEFAの規定で変更を余儀なくされたのは勿体無い話であります。

当時はそんなフットボール先進国の眩いばかりのトップチームで、日本人選手が活躍するなどとは夢にも思わなかったわけですが、中村選手は35年後にその夢を現実のものとしてくれた大恩人なのであります。しかも、07~08年のシーズンには、リーグMVP、選手が選ぶMVP、サポーターが選ぶMVP、そして記者が選ぶMVPに輝く活躍を見せてくれたのです。これは大変な快挙であり、もっと日本のマスコミが評価すべき金字塔であると私は確信しています。

しかしながら、先程も述べましたように今現在、大好きな中村選手は悪戦苦闘の最中であり、私にはエールを送ることぐらいしか出来ません。そこで、前回の続編としてセルティックのサポーターの人気サイトに寄せられた地元ファンの声をお届けすることで、中村俊輔選手へのエールに変えさせて頂きたいと存じます。

これらは昨年のプレシーズンに寄せられたメッセージであり、少し古くて恐縮ですが、概ね好意的なメッセージで占められており、その中から幾つかを抜粋させていただきました。

メッセージを読むと、いかに中村選手が本場のサポーターに受け入れられていたかがよくわかると同時に、本場のサポーターは目が肥えていることを改めて認識させられます。これらのメッセージが中村選手の耳に届くことを祈るばかりです。

負けるな!中村選手!!


人気サイト”KERRYDALE STREET”に寄せられた本場セルテック・サポーターの中村俊輔選手に関するコメントの抜粋

Donkeyradish
セルティックがペナルティーエリア付近でフリーキックを獲得した時に、俺達はきっとこう呟くんだろうな。
「ああ、ナカがいてくれればなあ・・・」って。

Bhoys_67
ナカがスペインでも活躍出来るという意見に賛成だ。
いなくなってみて、彼がいかにチームにとって大きな存在だったか思い知ることになるのだと思う。
彼は決してボールをもらうことを嫌がらなかった選手だった。
どんなプレッシャーの中でもいつも冷静な選手だった。
信じられないようなゴールを奪える選手だった。
鋭いキラーパスと最高のボールタッチを誇る選手だった。
ディフェンスは決して誉められたものではなかったけれど、そんな選手は他にも大勢いるさ。
ナカは、他の誰にも真似の出来ない特別なものをチームにもたらしてくれていたんだ。

Rymo
素晴らしい思い出をありがとう。
彼の活躍に見合った歓送会をしてあげられなかったのは本当に残念!

madtim1967
セルティックは、ナカがちょうど最盛期を迎えている時に彼を獲得出来たのだと思う。
彼は本当に偉大な選手だったよ。
「ナカはもう終わりさ」という声もあるけれど、それは当たっていないと思う。
彼は、昨シーズンもっとも得点に絡んだ選手だったし、事実アシスト王なんだし。
僕は彼が今後2年間、スペインで活躍出来ると読んでいる。
ナカ、幸運を祈ってるよ!

Mikeybhoy77
ナカ、君はプロの鏡だったよ。
マンU戦のゴールはセルティックのサポーターとして至福の瞬間を味わわせてくれた。
キルマーノック戦での得点後の君のパフォーマンスも決して忘れないよ。

George McCluskey
彼はとてもプロ意識の高い選手だった。
いつも自分の技術を磨くための労を惜しまなかった。
彼はフィールド上で、時として芸術家の側面を見せてくれるけれど、常に職人であることにこだわり続けている。
そのことこそが、称賛に値するのだと思う。

Belgarno
一度でいいから、君の英語でのインタビューを聞いてみたかったよ。
きっとスコットランド訛りと日本語訛りの混じった変な英語で笑えたんじゃないかな。
ああ、そのチャンスはもう永遠にやってこないんだろうなぁ。
君は本物の選手だった。
ナカ、思い出をありがとう!

aboutabhoy
セルティックに撮って、ヘンリック・ラーション以来の選手だった。

eirebhoy
エスパニョールのデ・ラ・ぺーニャ選手は、いつになく調子がいいみたいだけれど、彼とナカのコンビネーションプレイを早く見たくてしょうがないな。
ナカが、スペインで名声を得ることは疑いないと思う。

King Heirik
幸運を祈るよ、ナカ! 彼のスタイルはラ・リーガに合っていると思うね。

willybhoy
彼は素晴らしい選手だし、きっとスペインでも活躍出来ると思う。
見ていて楽しかったし、多くのセルティックの若手選手達が彼から何かを学んでくれること願っている。

Dr Optimist
何だかんだ言っても、結局のところ彼は天才なんじゃないかなぁ

コメント[8], トラックバック[0]
登録日:2010年 01月 06日 02:36:12

コメント

私も中村選手が大好きです。なぜかわからないけど、彼のプレーを見てると
涙が出て、こころがカンド―カンド―してしまう。わけなんてどうでもいい
彼のプレーを出来るだけ長く見ていたいです。どうもありがとうございました。

torako @ 2010年 01月 08日 14:11:42

torakoさん

コメントをありがとうございます。

理由もなく感動できるというのは、一流選手の証なのだと思います。

ペレ、、ベスト、クライフ、プラティ二、ベッケンバウアー、マラドーナ、そしてジダンといった歴代のスーパースターのプレーを形容する際には、「凄い!」とか「カッコイイ!」とか、今風なら「ヤバイ!」といった漠然としたものしか出てこないのですが、それに相通じることではないでしょうか。

なお、相変わらず中村選手の試行錯誤は続いているようですが、ここへきてチームメイトとのコミュニケーション不足を指摘する地元の論調が聞こえてきています。しかしセルティックでは、言葉の壁を超えてチームメイトを納得させていたのですから、エスパニョールでも出来ないはずはありません。

頑張れ!中村選手!!

小谷泰介 @ 2010年 01月 19日 14:02:06

いろんな事があっても愚痴ひとつ言わず、でもやっとマリノスに帰ってきてくれてありがとう!あなたのピッチでの姿見るだけで本当に生きる勇気がわきます!俊輔選手の生き様が誤解をしていた人をもかえてしまうのです!サッカー選手として人として魅力があるからではないでしょうか?ガンバレ!俊輔らしくこれからもガンバレ!

ヤグ @ 2011年 03月 19日 20:36:39

ヤグさん

コメントを有り難うございます。

昨日の東日本大震災復興支援の為のチャリティー・マッチで、中村選手が元気な姿を見せていましたね。

永遠のフットボール少年、中村俊輔選手の健康と活躍を、被災地の復興と共に祈りたいと存じます。

小谷泰介 @ 2011年 03月 30日 16:01:05

おひさしぶりです(#^.^#)チャリティーマッチDVD予約開始しましたね!俊輔選手のすばらしいプレー私の宝物です!毎日めげても、必ずJリーグの試合の録画見てます!俊輔選手の口に出さない一つ一つの行動、本当に愛情あふれてますね!福岡戦ではゴールを入れた小野選手を激励に行くのでなく、いつもいつも、ベンチにいる天野選手に愛情たっぷりの行動!まるで天野選手がゴールを入れたみたいに、してましたね!それから狩野選手にはお誕生プレゼント贈ったりといつもスタメンでない選手にも心を配っている(#^.^#)なんてあったかい人なんだろうって、また惚れ惚れしました。人として忘れてはならない姿をみせてくれて、自分の姿勢も見直さなくては!と思いました。今シーズンはキャプテンとしてますます頼もしくみえますね♪怪我のないよう祈るばかりです!

ヤグ @ 2011年 05月 10日 22:00:24

ヤグさん

返信がかくも遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます。

今期は横浜マリノスが久しぶりに優勝争いに加わりそうな気配ですね。中村選手の個人事務所の方が、「中村選手は、最後は日本の地でこれまでの恩返しがし言っています。」と仰っているのを聞いたことがありますが、まさに有言実行の人なのだと思います。

小谷泰介 @ 2011年 07月 13日 10:28:56

わたしも中村俊輔選手が大好きです。なぜなら彼は私にとってファンタジスタだからです。確かにプレーに波があり、何でもできるオールマイティではないかもしれません。しかし、なぜか分かりませんが、引き込まれてしまう他の選手とは違う何かがあります。
彼がどう批判を受けようとただ私はプレーを見ていたい。いずれ引退しようとも、胸を熱くするあの素晴らしいシーンは私の一生涯消えることはありません。ありがとう中村俊輔さん!

Teo Tagucci @ 2011年 09月 21日 16:05:03

Teo Tagucciさん

コメントをありがとうございました。

日本が生んだ最高のファンタジスタと言えば、中村俊輔選手。というより、世界基準で唯一ファンタジスタと呼べる日本人は、中村俊輔選手しかまだいません。だから、あなたの仰るように、そのプレーに引き込まれてしまうのでしょう。

ユニフォームを脱ぐのはそう遠い日のことではないでしょうが、私としては、まだまだ現役を続けて頂きたいと思っています。

小谷泰介 @ 2011年 09月 21日 22:33:59

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プロフィール
小谷泰介
1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト。

四半世紀に及ぶ取材経験を生かしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説は、ラジオやテレビで人気を博した。
また、本場欧州にプロクラブの監督や選手の友人が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に「拝啓 川淵三郎殿」(モダン出版)や「Jリーグ入門」[講談社)などがある。
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