ボクシングの話ではあるけれども…

<ボクシング>亀田 WBAライトフライ級王者に - 横浜

【横浜 2日 AFP】ボクシング、WBAライトフライ級王座決定戦、亀田興毅(Koki Kameda、日本)vsフアン・ランダエタ(Juan Landaeta、ベネズエラ)。試合は、12ラウンド判定2-1(112-115、115-113、114-113)で亀田興毅が勝利し、初の世界挑戦でタイトルを獲得した。写真は、大相撲・第68代横綱、朝青龍(Asashoryu)から祝福を受ける亀田興毅(左)。(c)AFP/Toru YAMANAKA

AFPBB News


 私はこれまでに芸能、スポーツ、文学、漫画等の各界で活躍する様々な著名人と交流を育んで参りましたが、一言で言うと彼等、アーティストはとても純粋です。

 偉大なアーティストであればある程、彼等の欲望は真直ぐで、混り気がありません。例えば己の道を極めたい、もっとうまくなりたい、もっと強くなりたい、 沢山の人に喜んでもらいたい、そしてお金も稼ぎたいといった具合です。余計なことを考えたり、邪心があるとその道で秀でた存在にはなかなかなり得ないので す。

 今、話題のボクサーといえば亀田興毅選手ですが、彼も正にそんな純粋なアーティストに違いありません。そればかりか、若いのに大変な孝行息子ですし、兄弟思いの見上げた男だと私は心底思います。

  しかし、そんな彼が何故今、大変なバッシンッグを受け、受難の時を迎えなければならないのでしょうか。

 それはボクシングの興業という魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する魔界の犠牲となってしまったからに他なりません。

 どう贔屓目(ひいきめ)に見てもランダエタと闘った世界タイトルマッチは、亀田選手の完敗です。しかし、WBAから興行権を買い取った協栄ジムが、亀田選手を勝たせてしまったのです。そう、ジャッジ、レフェリーを選ぶ権利を得、支払いまで協栄サイドが行うとなれば、もうおわかりでしょう。あのタイトルマッチは、最初から亀田選手が勝つように仕組まれていたのです。

 興行権を買ったり、ジャッジを買収するにはお金が掛かりますが、その資金を放映権という形で提供しているのがTBSです。つまり、協栄ジムとTBSが結託して行った八百長興業なのです。否、「おい、こらぁ!どこに証拠があるんじゃ!! 殺すぞ!」と史郎さんに言われれば、確かに証拠は提出できないので、八百長と疑われても仕方のない興業と訂正しておきましょう。

 何ともやりきれませんが、協栄ジムとTBSの悪巧みは今に始まったことではなく、かつて鬼塚勝也がタノムサック・シスボーベーと戦ったタイトルマッチも全く同じ手口で、誰が見ても負け試合のボコボコにされた鬼塚選手を勝たせてしまった前科があります。

 TBSに対して腹が立つのは、報道のTBSなどと自負をするのならば、あのような露骨な判定に対してもっと疑問を投げ掛けるべきなのに、そういった ジャーナリズムの欠けらもないような放送をするからです。番組終了後に5万件以上もの抗議電話が殺到し、回線がパンクしてしまったことをもっと重く受け止めるべきでしょう。

 それなのに翌日、局内に「祝高視聴率42.4% 亀田興毅ついに夢が実現!!」などと書かれたドハデな看板まで掲出して、恥を知りなさいと申し上げたい。視聴率の為なら、また金儲けのためなら何をやっても良いのかと改めて局の上層部の良心に訴え掛けたいと思います。

 話しを亀田選手に戻しますが、彼は今、非常に精神的苦痛を味わっているはずで、それはランダエタ選手から1ラウンドに喰らった右フックの何十倍ものダメージに匹敵するでしょう。彼も賢い青年だから、何故自分が勝ったのか、もうわかっているはずです。

 はっきりと申し上げましょう。このままにしておくと、亀田興毅選手はつぶれてしまいます。それは彼の純粋だったモチベーションに今後、どうしようもない足枷、手枷がはめられてしまうからです。心技体の中で心がどうしても技体と噛み合わなくなってしまう状態といったら良いのでしょうか。これは一流を目指すスポーツ選手にとっては致命的です。

 亀田興毅選手がもし、真のチャンピオン、そして偉大なボクサーを志すのならば、タイトルを返上し、ランダエタとの再戦に臨むしか他に道はないでしょう。例え、お父さんや金平会長が何と言おうとそうするべきです。

 また、もうメンチ切りやくだらない試合前のパフォーマンスはやらないこと。世間の人はランダエタ戦であなたが、心優しい少年であることを見抜いてしまっています。リング上でのあなたの目は、どこかおびえをたたえた普通の少年のそれであり、試合前の威嚇するような鋭い眼光が、ハッタリであることが見透かされ てしまっています。リング上で大泣きをし、「おやじ、育ててくれてありがとう」、そして「お母さんもおれを産んでくれてありがとう」と叫んだ時点で、あなたのそれまで築き上げた虚偽のキャラクターは崩壊してしまったのです。

 もう、肩意地張るのは止めにして、素のままの自分を出してください。勝負は練習とリング上で決するものです。余計なことに神経を使うのはもう終わりにしましょう。

 再戦でランダエタに負けたって良いではないですか。たかが1敗です。その時には階級を1ランク上げて闘えば良いのです。

 あなたが真のチャンピオンを目指したいのならば、そしてボクシングを心から愛しているのなら、一刻も早く行動を起こされることを切望して止みません。

 さてさて、話がフットボールでなくボクシングに終始してしまって申し訳ございませんが、何故私が亀田興毅選手のスキャンダルを取り上げたかというと、フットボールの世界でも似たりよったりの八百長事件が横行しているからに他なりません。

 御存知のように、イタリアではユベントス、フィオレンティーナ、ACミラン等のクラブが審判買収等の不正行為で処分が下されたばかりですし、過去にもラテン系の国々を中心に世界中で幾つものスキャンダルが発覚し、フットボールの歴史に汚点を残してきました。

 しかし、幸いと申しましょうか、日本のフットボール界は歴史が浅いおかげもあって汚染の度合いが低く、浄化に本腰を入れれば健全な状況を保つことが出来るのです。

 トップの川淵会長がサポーターに解任デモを起こされているようでは心許ないですが、日本協会会長とJリーグチェアマンの強い意志があれば日本のフットボール界の健全性は保たれると声高に申し上げて置きたいと思います。

 当たり前のことではありますが、フットボールはフェアでありクリーンでなければならないのです。

コメント[5], トラックバック[0]
登録日:2006年 08月 11日 20:40:54

コメント

この話を読んで、腹が立つ原因がよくわかりました。
亀田にも腹が立ていたのですが、どうもそれだけでは納得いかなかったのですが、
元凶はTBSですね。
はっきりとした物言いがすごく気持ちいいです。

mumu @ 2006年 08月 15日 15:34:10

元凶はWBAから興行権を買った協栄サイドですね。TBSはその尻馬に乗って報道機関の役割を放棄した愚か者といったところですか。軽蔑に値します。

小谷泰介 @ 2006年 08月 19日 15:03:32

あるサイトの面白画像です。人気者ですねえ。

http://hakubun.ddo.jp/~sophia/ug/nightmare/n39.html

http://hakubun.ddo.jp/~sophia/ug/nightmare/n27.html

http://hakubun.ddo.jp/~sophia/ug/orchestra/o96.html

http://hakubun.ddo.jp/~sophia/ug/orchestra/o17.html

くだらないと思われましたら削除されて下さい。
http://hakubun.ddo.jp/~sophia/ug/orchestra/o00.html

笑福 @ 2006年 08月 26日 20:44:09

「興行権を買ったり、ジャッジを買収するにはお金が掛かりますが、その資金を放映権という形で提供しているのがTBSです。つまり、協栄ジムとTBSが結託して行った八百長興業」と言い切ることで、亀田家の原罪を許してしまっているのではありませんか?
このコメントは、今10月17日現在は恥ずかしい極みの文章です。
即刻、削除してください。

やま @ 2007年 10月 17日 22:45:07

やまさんへ

コメントをありがとうございました。

このブログを書いたのは、かの有名な疑惑の判定が行われた1年以上も前のことであり、当然のこととして何故あのような不可解なジャッジが行われたのかということに論点が絞られています。

私は亀田興毅選手の傍若無人な口の利き方や、史郎トレーナーの指導及び教育方針に対しては当時から不快感や嫌悪感を抱いてはいましたが、この時は全面に取り上げる話題ではないと判断した次第です。

その後、亀田興起選手の態度が改まることを期待しましたが、残念ながら再戦でランダエタ選手を下したあたりから再びエスカレートし始め、今回の亀田家の暴走に繋がってしまいました。

誠に残念なことですし、亀田家の自業自得であると思います。そして、むしろ今回のJBCの裁定は甘いくらいだと思っています。

史郎氏は、トレーナー・ライセンス剥奪に値するでしょうし、興毅選手の「大毅、肘でもいいから、目入れていけ!」という指示は厳重勧告では済まされない類のものです。(その指示に対するくだらない言い訳には、吐き気がするほどの嫌悪感を覚えます!)

眉毛の下をカットした部分を反則行為をしてまでも痛めつけて、TKOに持ってゆくしか勝機を見出せなかった大毅選手に対し、セコンド陣営が率先して反則行為を促す指示を出す異常さは、本当に許されるものではありません。

私としては今現在、亀田家をかばう気持ちなどさらさらありませんし、これで一件落着とも思っていません。(但し、大毅選手には、今、しっかりとしたカウンセリングを施さないと、まずいことになると思いますが。)

以上が、昨年来続いている亀田家をめぐる騒動に対する私の見解であります。従って、昨年の疑惑の判定に対する私のコメントを恥ずかしいとは思いませんし、削除することも致しません。

やまさんの気持ちは分からないではありませんが、亀田家に対する憎しみや怒りが渦巻いてしまっていて、書かれた文章の時期と論点を読み解けないでいらっしゃる状況を憂慮致します。

小谷泰介 @ 2007年 10月 18日 11:50:05

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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