良い監督選びは至難の業!?


就任から僅か4ヶ月間でジーコ監督がオリンピアコスを解任になりました。昨年の9月にはCSKAモスクワを解任になっているので、半年間で2回も解任されたことになりますが、私にとっては何ら驚きに値しない出来事であります。

ジーコ氏のサッカー選手としての実績と、その人間性は尊敬して余りある人物ですし、彼が鹿島アントラーズの礎として偉業を成したことは賞賛に値するものですが、日本代表の指揮官としての働き振りを見れば、残念ながら監督としては平凡だと言わざるを得ません。

私は2006年当時、あれだけの侍達を抱えていた日本代表を無駄死にさせた様を見せつけられた直後に、何故その当事者であるジーコ氏がフェネルバフチェ(トルコ)のようなビッグクラブの監督に就任出来たのか不思議でなりませんでした。

その後も、FCブニョドコル(ウズベキスタン)、CSKAモスクワ(ロシア)、オリンピアコス(ギリシア)とフットボール中堅国乃至発展途上国のトップクラブを渡り歩くわけですが、結果として4年間で4つものクラブを指揮せざるを得なかったのは、妥当なところではないでしょうか。一流の監督であれば、イングランド、イタリア、スペイン、ドイツのトップリーグからお声が掛かるはずですし、そこで成功すれば3年、4年と続けて指揮を執るか、より大きいクラブへ請われて移籍するのが常だからです。

フェネルバフチェでも、FCブニョドコルでも、CSKAモスクワでもタイトルを取ったじゃないかと思われる方がいらっしゃるかも知れませんが、彼が就任したクラブは国内では勝って当たり前の歴史と伝統と予算を持ったクラブであり、むしろタイトル無しでは済まされないところばかり。Jリーグでは、まだ15年そこそこの歴史しかないからか、ダントツの予算を誇りながら無冠であっても監督が変わらないクラブがありますが、本場欧州のリーグのビッグクラブは勝って当たり前で、どのような内容で勝つかが重視されるのです。

まあ、いかなる状況にせよ、ファーガソン監督然り、ベンゲル監督然り、そしてシャーフ監督然り、本当の一流監督は世界のトップリーグで結果を出しますし、余程のことがない限りクラブが放しません。ジーコ監督がそのレベルではないことだけは言えるでしょう。

しかし、ジーコ氏はクラブを変わっても何故かちゃんと就職先を見つけてくるので、ある意味大したものだと思いますが、一方で本場と言いながら、欧州各クラブの監督選びのレベルが自ずと知れてくるわけであります。もっともあのレアルですら、信じられないような大金をはたいて銀河系軍団と謳われるチームを有しながら3年間もタイトルとは無縁だったわけですから、良い監督選びがフットボールの本場欧州に於いてもいかに難しい作業であるかが分かります。

ジーコ氏が監督業を続けざるを得ないのは、ブラジル本国にある自身のフットボールスクールの運営に莫大な費用が掛かるからだという説がありますが、既に何年もの歴史を誇る自身のスクールの卒業生を、自らが指揮するクラブで懐刀として使えないところなども、ジーコ氏の指導者としての力量を知るヒントが隠されているような気が致します。

いずれにしましても、クラブ間の経済的格差が大きく広がった昨今に於いて、良い監督を見極めることが、ますます難しくなりつつありますが、基本的には一流といわれる監督や、成功しているといわれる監督の試合や練習を沢山見ておくことがその眼を養うことに繫がるのではないでしょうか。

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登録日:2010年 01月 26日 23:28:19

コメント

お久しぶりです小谷さん。

最近忙しい時間が続いてしまったため、すっかりご無沙汰になってしまいました。

しかし本日行われたベネズエラ戦、あれは一体何なんでしょうか・・・・・・・・
もう本当に岡田監督と協会は、この2年間何をしていたんだと言いたいです!

いくらオフ明け最初の試合だと言う事を考慮しても、あんな情けない試合はないんじゃないんでしょうか?
中盤には中村憲、小笠原、遠藤、稲本という日本屈指のタレント達を起用したにも関わらずこんな結果とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これで”W杯ベスト4”なんて高らかに言ってるんですからね・・・・・・・・

ベネズエラには失礼だとは思いますが、相手はW杯には出場せず、しかもフルメンバーではない1.5軍から2軍といえるチームで来日し、その相手にほぼフルメンバーである日本がベネズエラのプレスに押され苦戦したのですから、いかに岡田さんの”監督としての手腕が限界であるか”を改めて垣間見えたような気がします。

このまま行けばジーコ氏に続いて岡田監督も今回のW杯で日本の侍達を無駄死にさせてしまうと思います!

ボン @ 2010年 02月 02日 23:48:28

ボンさん

お久しぶりです。そしてコメントをありがとうございました。

対ベネズエラ戦の予測は付いていましたが、あそこまで攻撃が機能しないとは・・・。僅差の勝利と読んでいたのですが、ボンさんの仰るようにW杯予選落ちの限りなく2軍に近いチームにあれでは、先が思いやられます。
シーズン前のコンディションであることを考慮しても許されるレベルではありませんね。

しかし、問題はやはりあれでよいと思っている日本協会にあります。決して良いとは思っていない人達もいるのでしょうが、岡田監督を選んだ川渕さんの亡霊に怯えているのか、はたまたその彼がしっかり院政を敷いている為なのか、今回の対戦結果を嘆く声は聞こえてきません。どちらにしてもそんな日本協会に、改革が必要なことは間違いありません。

小谷泰介 @ 2010年 02月 03日 05:36:07

はじめまして
メビウスと申します
対戦結果を嘆く声が無いとのことですが、犬飼会長は「言うことない、あんな試合」と一応嘆いているようです。
まあ指揮官は、結果に問わず満足しているようですけど・・・

メビウス @ 2010年 02月 03日 17:33:28

小谷さん、お久しぶりです。
寒い日が続きますが体調など崩しておりませんか?


ベネズエラ、中国、香港戦と内容も酷く退化しているとしか思えない試合が
続いております。

選手達のプレーが苦しそうにしか見えませんね。

FWに動く選手ばかりでタメが無く相手にも読まれやすい印象です。
やはりオシムさんが言っているように大きい軸となる選手が必要かと。

もう岡田監督には無理なのが見えきっていると思います。

スターティングメンバーの発表と同時にため息ばかり。
あそこまで頑固に変えないのには呆れました。

結果が出ない選手でなくJで結果を出している前田選手や佐藤選手を
使わない意味が分かりません。
(呼んで使われず怪我されても困りますが)


会長も嘆くようなら行動して欲しいものです。
協会に何かあるのかとしか思えません。

レコバ @ 2010年 02月 12日 11:29:46

韓国戦に負けたら協会は岡田監督をクビにすべきです。

それにしても協会は何回同じ過ちをすれば気が済むのでしょうか?

これだけ結果の出ない監督を使い続けるのは日本くらいなものでしょう。

それとも今更監督は変えられないとでも思っているのでしょうか?

アニヤン @ 2010年 02月 13日 12:03:15

アニヤンさんの仰る通りですね。

結果が出ずとも何か希望が持てるモノも無いですしね。


でも・・・

韓国に負けても更迭しないでしょうね、あの会長と協会じゃ・・・

レコバ @ 2010年 02月 13日 12:07:39

メビウスさん

ご丁寧なご指摘ありがとうございました。犬養さんが韓国戦の後で、実に間抜けな発言をしていたので、近くこの発言に対する意見を述べようと思っています。

レコバさん

お気遣いありがとうございます。おで、ぼろは着て蔭様ても心は錦という感じで葉ありますが、元気です!

韓国戦は、この期に及んで大きくて軸になる選手を前線に投入しない試合を見ていて、イライラしていた次第です。

会長の監督人事に関する発言も、貴殿のおっしゃるとおりになりましたね。

韓国戦を受けての記述をアップ致しましたので、ご参照頂ければ幸いです。

小谷泰介 @ 2010年 02月 15日 11:45:55

アニヤンさん

お久しぶりでございます。そしてコメントをありがとうございます。

韓国戦後に発せられた監督人事に関する会長のコメントに対する貴殿のご意見を伺えれば幸いに存じます。

小谷泰介 @ 2010年 02月 15日 11:50:18

おそらく「良い監督」という言葉の捉え方が人それぞれ違うから、監督選びって迷走するんでしょうね。

私が考えるに、究極に言えば多くの日本人は「良い監督は人格者であり、見ていて面白いサッカーを目指している」という風に理解していると思います。ベンゲルやオシムが日本人にとって人気なのもうなずけます。実際私もアーセナルのサッカーが好きですし、ここ10年見続けています。

ただ、勝てないアーセナルを5年近く見ていて思う事があります。今のベンゲルでは勝てないと。果たしてこのままでいいのか?と。健全経営は立派のこと。でもあれだけ攻撃過多で負けていく姿を何年も見ていると、正直呆れてくる。何で手を打たないの?と。

最近自覚したことですが、私は良い監督というのは勝つ監督だと思います。内容がどんなサッカーであれ、結果を残すことのできる監督だと思います。小谷さんとはこの辺りで意見が合わなくて煙たがれるかもしれませんが、そういう意味でアジアカップ4位のオシムは日本代表にとっては良い監督だったとは言えません。(ジェフやユーゴ、あるいはグラーツにとっては良い監督かもしれません。)

彼が良い監督と謳われれば謳われるほど、じゃぁ何故アジアカップで優勝できなかったの?と日本代表サポーターの私は思います。アジアのトップグループが団子状態なら、彼の力を持って優勝できなかったのは、彼が良い監督でなかったことを意味しているような気がします。

カペッロは1年で結果を残しました。マドリーでも代表でも。マドリーやイングランドのポテンシャルを考えれば当然かもしれません。でも結果を残すことが良い監督なのです。やはりヒディンクもモウリーニョもそういうタイプのように思えます。結果を出す監督は切りにくいのです。

ただ誤解してほしくないのは、オシムの言うアイデアには私も希望を見出していますし、どうか実現して欲しかったとも思います。しかしこと代表監督に望むものはアイデアではなく結果でないでしょうか?日本のサッカーを日本化することよりも、求めるべきことは結果なのではないでしょうか?

k @ 2010年 04月 25日 09:04:16

kさんの意見に100%賛成です。監督は勝ってナンボです。

まあ、Rマドリードみたいにカペッロ監督を優勝したのに「試合が面白くない」と言ってクビにするチームもありますが、あれは例外です。

kさんがおっしゃるようにオシムは結果を出してません。オシムは確かにいい監督ですが、(多分今までのどの日本代表監督より)もし彼が今でも監督だったとしてもW杯では16強がいい所でしょうね。(16強でも日本にとってはアメージングなことですが)

こう書くと小谷氏からすぐ反論が出てくると思いますが・・・。

アニヤン @ 2010年 04月 25日 12:08:19

kさん

長文のコメントをありがとうございます。

ベンゲル氏は本当に勝てない監督でしょうか!?アーセナルは彼が監督に就任するまでは、全く持って大したクラブではなく、1970年代前半の黄金期ですら5年と続きませんでした。優勝争いに絡めるチームに仕立て上げ、ダブルを2回も達成し、10年間以上に亘ってアーセナルを常勝軍団に仕立て上げたのはベンゲル以外の何者でもありません。

クラブの財政上、ここ何年かは苦戦を強いられていますが、彼の名声が色褪せることはないでしょう。

ファーガソン、ベンゲル、モウリーニョ、アンチェロッティ、カペッロ、ヒディング、グアルディオラ、ベニーテス、ファンハール、といったビッグネームは好みの違いこそあれ、大監督である事は疑いの余地がありませんが、問題は大金を積まないと雇うことが出来ません。要するに彼らは一部の金持ちクラブか、金持ち協会のものでしかなく、庶民の味方ではないのです。

勝つことが監督として最も大事な条件であることは否定しませんが、クラブ運営に注ぎ込む金額の開きが3~5倍もある昨今のリーグを鑑みたとき、上記のビッグネーム達は勝って当たり前であると言えるのではないでしょうか。

小谷泰介 @ 2010年 05月 13日 00:07:13

アニヤンさん

オシムは、ビッグクラブ(金満クラブ)が大嫌いです。
彼は敢えて清貧クラブを選んで強くすることに生き甲斐を感じるタイプの監督なのです。

私の主張する勝ち運のある人と言う部分では物足りないことは認めますが、彼がもしビッグクラブの監督を務めたら、無冠で終わることなどないでしょうし、そうなった場合は即刻辞任するでしょうね。

小谷泰介 @ 2010年 05月 13日 00:13:26

返信あったのですね、ありがとうございます。

ベンゲルは就任して最初の10年弱、ほぼ1位か2位という順位で終えています。クラブ史上最も偉大な監督であり、最近の結果により解任されたとしても功績が色あせることはありません。全くの同意です。

ただ最近5年タイトルがありません。そして以前のように2位に入るのも厳しい。チェルシーにモウリーニョがリバプールにベニテスが来て以来、2位を確保する事が難しくなりました。同時に下位のチームもアーセナルの対処法を覚えてきています。

一番顕著なのは10年近く負け無しだったチェルシー相手に、モウリーニョが来て以来、2チームの関係が一気に逆転したことです。(正確に言えばラニエリが最後に率いた年のUCLですけど)これはベニテスに率いるバプール相手も一緒です。勝率が下がりました。長年アーセナルを見続けてきたからハッキリわかります。

何が言いたいかというと、多くの日本人が代表監督をベンゲルに任せたいという意見を聞くと不安を覚えるのです。単純にベンゲルを持ってこれば勝てると信じて疑わない人が多すぎるのです。

相手チームに良い選手、勝てる監督、勝てる戦術を持って来たら、ベンゲルだって勝てない監督なのだということをこの5年で証明しています。ベンゲルより勝てる監督っているんですよ。だから何故みんなが勝てないベンゲルを推すのかわからないんです。ベンゲルが勝てない理由は選手の質や金銭状況だけじゃないのです。あの攻撃的過ぎる戦術にも問題があるのです。

オシムに賛同している人にも同じ事がいえるのです。いわゆるオシム親派の人は、オシムに任せれば日本代表はこれだけ伸びると自分のことばかり注目しています。他のチームだって良い監督持って来たら、日本が勝てるとは限らないですよ。

より確率が高いのは世界でトップの監督ではないでしょうか?オシムって世界のトップじゃないですよ。トップならアジアカップ程度で結果だしてくれないと納得いかんでしょう。オシム・オシムと連呼するなんてあまりにも視野が狭い意見ではないでしょうか?

世界のトップに高い金が必要なのはわかりますが、年間予算が150億ある協会ですよ。今の選手達にチャーター便、ビジネスクラスにグリーン車。1日何万円もする高級ホテルが必要でしょうか?削れると思いますよ。それをトップの監督に費やしたほうが良いでしょう。勝てなければ解任すれば良いだけの話なのですから。

一つ代案として思うこととして、アジアカップで4位なのに続投をするのなら、彼の給料の一部をプールしたほうがよかったと思います。ワールドカップでこういう結果を出してくれたなら、それは返すという契約をするべきだったと思います。負けたのにプロを甘やかしても駄目ですよ。

オシムがユーゴで結果を残した時には、複数民族からの圧力があったといいます。オシムは「こいつら全員を黙らしたる」と思ったことでしょうし、その方法は勝利しかないと考えたのではないでしょうか?だからこそその圧力が彼を必死にし、結果がでたのだと思います。

果たして日本はそれだけの圧力を彼にかけたでしょうか?アジアカップで負けても、このままで大丈夫では、彼にあの時のような力はでてこないと思いますよ。。

k @ 2010年 06月 16日 20:26:39

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プロフィール
小谷泰介
1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト。

四半世紀に及ぶ取材経験を生かしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説は、ラジオやテレビで人気を博した。
また、本場欧州にプロクラブの監督や選手の友人が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に「拝啓 川淵三郎殿」(モダン出版)や「Jリーグ入門」[講談社)などがある。
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