天晴れ!サッカーダイジェスト!!




今週号(2010年3月2日号)のサッカーダイジェストは、巻頭のカラー見開きで「岡田ジャパンでは勝てない」と題し、吉田編集長が協会は監督を更迭すべきであるという論旨の記事を掲載しています。

同誌の初代、第二代、そして第三代編集長はそれぞれに存じ上げておりますが、現在の吉田編集長も、なかなかの侍とお見受けする次第です。

恐らくこの間の東アジア選手権の結果を受けて、急遽掲載を決めたと思われますが、私は甚く感動しました!

その感動は、不甲斐ない代表チームと協会に対して,同誌が本場の一流紙並みの論陣を張った行為に対するものであり、日本のフットボール報道も遂にここまで来たかという感慨に浸らせてくれるものであります。

老舗のサッカーマガジンは1969年から、イレブン(既に廃刊)とサッカーダイジェストは創刊号より愛読させていただいていますが、かつてはどんなに代表チームが迷走しようが、協会が誤った決定を下そうが、こんなことを書くと今後取材が出来なくなってしまうという日本記者クラブ並みの寄らば大樹の陰的な本末転倒の報道がなされていました。

近年は、なかなか鋭い洞察力をもった記事を見る機会が多くなったとはいうものの、今回のような明確なメッセージを持った報道は、初めてではないかと思う次第です。

本場の仏のレキップ紙、ドイツのキッカー誌、イタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙、スペインのアス紙といったメディアならば、代表が今回のような状況に陥った際にはこのような記事を掲載するだろうなといった内容の報道を、日本の専門誌であるサッカーダイジェストが展開したことに感動を覚えるのです。

少なくとも私にとっては、歴史的瞬間に遭遇したような想いでございます。

「我々は幸運だ。」という逆説的な論法から始まる冒頭の吉田編集長の渾身の巻頭メッセージも見事ですが、後半のカラーページを使って「岡田監督を更迭せよ」というタイトルで書かれた同誌の飯尾篤史記者による後任人事の提案を含めた記事も堂々たるものです。そして、久保武司氏が「協会サイドの思惑」と題として、協会の闇にスポットを当てた小論を披露し、アクセントを付けています。


まず、全署名入りの記事で堂々と論陣を張っている姿勢が評価できますし、編集長が全てに責任を持つから、「ここは協会にNOを突きつけよう!」、「我々がここで声を上げなかったら誰が言うんだ!」という真のジャーナリズム魂を感じます。また、これら一連の報道の最終的な責任は社主にありますから、日本のようなサラリーマン根性が浸透してしまったマスコミ界にあって社主の姿勢も立派であり、同誌の場合は竹谷鋭氏ということになります。

こんなことを感じるのは私だけなのかも知れませんが、マスコミがフットボール界発展の重要な一翼を担っているという観点に立つと、今回のサッカーダイジェストの報道に対して、「天晴れ!!」と、声を大にして申し上げたいと存じます。

そして、まだご覧になっていらっしゃらない方には、是非ご一読をお勧めする次第です。そして末尾ながら、私は決して同誌の回し者ではありません。

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登録日:2010年 02月 19日 03:46:26

コメント

小谷さんこんにちは。いつも拝見させていただいています。

私も今回のダイジェストの記事は素晴らしかったと思います。

思い返すとサッカーダイジェストは06年にも協会の体質を批判していましたね。

http://soccerunderground.com/blog/archives/000741.html
http://www.toshima.ne.jp/%7Eacom/kawabutikainin3.jpg

しかし批判後に編集長が辞任という流れになっています(協会批判と直接関係あるかはわかりませんが…)。
健全な批判なしに明るい未来は見込めないと思います。フットボールに限った話ではありませんが、ジャーナリストの皆さんには圧力を恐れずに奮闘していただきたいものですね。

BMP @ 2010年 02月 19日 11:15:12

読みました!

「韓国に感謝しなければならない」という件が泣けますね。

これを機にサポーターからの大きなうねりが起きればいいですね。

でもいくら騒いでも協会は何もしないだろうな。

精々この雑誌に嫌がらせをするのが関の山じゃないのかな。

全く日本人は了見が狭いからね。

ヨーロッパではクラブや代表はサポーターが育てているというのに。

いつになったら日本も実力だけでなくそういう面でも追いつくのだろうな。

でもこの雑誌は大きな一石を投じたような気がします。

素直に受け取れば小谷氏の言うように「日本もここまで来たか」とある種の

感慨を覚えます。

アニヤン @ 2010年 02月 19日 11:43:26

 東アジア選手権。正直言って、私としては、代表の試合の中で、それほど重要度の高いものとは思っていませんでした。WCのことを考えれば、能ある鷹は爪を隠す、みたいな感じでも良いのでは?とさえ思っていました。もちろん、WCに影響が出るような怪我など、決してして欲しくない、とも思ってました。
 でも、イギリス流に考えれば、ホーム試合は、ファンやサポのために力を尽くすべき試合。だとしたら、ファンの一人である私も、応援のモチベーションを上げなければいけなかったのに、今更ながら、岡田監督と代表に申し訳なかったと、悔やまれてなりません。(韓国は、中国戦での、韓国DFの負傷退場の教訓を、トゥーリオへの挑発退場という形で、日本戦で使ったみたいなのに…。親中国の一方、調査捕鯨で日本ともめてるオーストラリアならば、オーストラリア人ジャッジが、日本に辛くなることも考えられたのに…。)

 でも、私がそのことに気づくのが遅れたのには、言い訳するようですが、致し方なかった理由があります。
 最近、理不尽とも思える民主党政権へのパッシングに対する怒りで、気が治まることがなく、東アジア選手権に、気力体力が回せなかったのです。

 小沢幹事長の不起訴で、はっきりしたことがあります。
 それは、マスコミが、偽りの情報を、真実として報道していたということです。
 マスコミは、「小沢幹事長の秘書達が、小沢幹事長の関与を供述した」等の報道を、関係者からの情報として、数多く流し続けていましたが、それは偽りの情報だったわけです。
 それなのに、ほとんどのマスコミは、そのことに対して、私の知る限り、一言の謝罪も述べていません。(テレビ朝日では、一部の人達が、謝罪のようなことを言ってましたが。)
 そして、相変わらず、自民党を喜ばせたいのか?と思うような、小沢幹事長に対する、憶測による悪意の報道を続けているように思えます。

 鳩山総理の件でも同様です。鳩山総理の件については、弟の鳩山邦夫元法務大臣(総務大臣経験もある自民党議員)も同様の立場なのに、鳩山総理の方についてばかり報道するだけでなく、やはり、憶測による、悪意のある報道を繰り返していると思えます。
 
 今、日本のマスコミは、自民党が喜びそうな情報ばかり流しているように思えます。
 おととしの秋、当時のトヨタの社長は、公の場で、「自民党に厳しすぎる報道をするマスコミとのスポンサー契約は、解除しようと思う」という意味の発言をしたそうです。
 そういう企業の社長は、他にもいるのかもしれない?
 自民党が夏の参議院選挙で勝てるように、邪魔な小沢幹事長を排除して、民主党を貶めようとする勢力が、マスコミにプレッシャーを掛けることがあるのかもしれない?
 あるいは、民主党の中の自民党のスパイのような人々に、民主党の実権を握らせ、自民党に民主党を乗っ取らせようと、マスコミにプレッシャーを掛ける勢力があるのかもしれない?

 そして、マスコミがそのプレッシャーに負けたのかもしれない?

 自民党は、法律違反ではないものの、年間150億円以上もの企業献金を集めて、企業優先の、庶民いじめのような政治をしていたというのに…。

 ブッシュ政権の悪政のツケで、不景気になっているこの時代、皆がお金に困っているから、札束で横っ面を張ろうとする人間達は、権力を持っているのと同様だ、ということは分かります。でも、もし、日本のマスコミが、そのようなプレッシャーに負けたのだとしたら、私はもう、日本のマスコミを信用するのを止めます。
 「お金の力に負けて、嘘の情報で世論を作り、庶民いじめのような政治の復活に、手を貸している」ということになるので。


追伸  NHKも例外でないかも?と思っています。現在のNHKの会長は、財界の出身のはずなので。

通りすがりです @ 2010年 02月 19日 12:09:48

BMPさん

コメントをありがとうございます。
また、1ヵ月半以上も経ってから返信する無礼をお許しください。

日本には真のジャーナリストを育成するシステムが機能しておらず、またメディアそのものも新聞社の傘下にテレビ局やラジオ局があったり、節操がありません。天下の大新聞やNHK並びに民放キー局は、ジャーナリズムを学んだ学生を採用するわけではなく、一応一流と言われている大学の主として文系出身の学生を採用して、各社で独自の教育を行うわけです。

従って、自ずと社員のサラリーマン化が進み、正しい報道が成されない土壌が育ってしまいます。

記者クラブなどはその際たるもので、寄らば大樹の陰、或いは護送船団方式といったこの組織の特性は、大凡ジャーナリズムとは対極にあるべきはずのものです。その組織が我が国では何十年も大手を振って罷り通っているのですから、何をか況やであります。

本来ならば、全国紙やスポーツ紙が書かなければならない記事をサッカーダイジェストが書いたわけで、その勇気に拍手を送りたかった次第です。

小谷泰介 @ 2010年 04月 09日 21:28:20

アニヤンさん

お久しぶりです。返信がかくも遅くなってしまい、誠に申し訳ありません。

欧州ではサポーターがクラブや代表を育てるというのは言い得て妙であります。また本場欧州では、マスコミもその一助を成しているといえると思うのですが、だからセルビアのような小国の2軍代表が、アウェーで日本代表に快勝できるという論法は短絡的過ぎるでしょうか?

小谷泰介 @ 2010年 04月 09日 21:42:14

取りすがりですさん

長文のコメントをありがとうございます。
また、返信が大変遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

政治とメディアはかねてより密接な関係で繫がってきた歴史があるわけですが、BMPさんへの返信でも述べたように、この国には確固たるジャーナリズムがないという認識で情報を幅広く収集し、比較検討の上で整理された方が賢明かと存じます。

スポーツ・ジャーナリズムに限定した話ではありますが、岡田監督率いる日本代表が、既に迷走状態に入りつつあるのに、それを容認してしまう日本のマスコミの何と生温いことか。フットボール先進国のメディアであったら、既に岡田氏と協会に批判の集中砲火を浴びせていることでしょう。

小谷泰介 @ 2010年 04月 09日 21:55:35

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プロフィール
小谷泰介
1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト。

四半世紀に及ぶ取材経験を生かしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説は、ラジオやテレビで人気を博した。
また、本場欧州にプロクラブの監督や選手の友人が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に「拝啓 川淵三郎殿」(モダン出版)や「Jリーグ入門」[講談社)などがある。
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