スポーツ記者も頭を使え!

<サッカー アジアカップ予選>アルフバイシとハイボールを競る闘莉王 - 新潟

【新潟 16日 AFP】サッカー、第14回アジアカップ(Asian Cup)予選・グループリーグA、日本vsイエメン。
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(c)AFP/Toru YAMANAKA

AFPBB News


 オシム監督率いる日本代表が、初の公式戦となるアジアカップ予選対イエメン戦に2対0で勝利しました。

 しかし、それにしてもスポーツ紙一面のヘッドラインは何とかならないものでしょうか。ざっと羅列してみるとトーチュウが「オシム監督激怒 格下に2-0 もっと頭使え」、ニッカンが「オシム日本30シュートやっと2点、最低決定率」、そしてスポニチが「オシム監督あきれた 頭使え」といった具合で、どれも試合の核心を突いたものではありません。スポーツ紙ではないですが、日刊ゲンダイの「オシム監督もサジ投げる 日本代表のボロボロ」或いは「オシム日本 ジーコ以下」の見出しに至ってはカクッと力が抜けてしまいます。

 もっともスポーツ紙の一面は、駅売り用にセンセーショナルな見出しが必要なので、致し方ない部分はあるのでしょうけれども、本場欧州のレキップ紙のように文化の香り漂う格調高い見事なヘッドラインと日本は無縁なのでしょうか。

 冷静に考えてみて下さい。昨日の試合はポゼッションが72%、シュート数が30本、相手のシュート数が5、コーナーキックは12本で相手が0という数字が物語っているように日本の一方的な内容です。ジーコジャパンの時に見られた格下相手にあわやの失点というシーンもありませんでした。

 イエメンはFIFAランクが125位だが1250位だか知りませんが、FIFAのランキングなるものを鵜呑みにしていたら痛い目にあうのは皆さんよーくご存知のはず。現にこの予選では同グループのインド相手にアウェーで3対0で勝っています。

 ちなみにサウジは、この日インド相手に同じくアウェーで3対0の勝ちですから…イエメンはサウジと拮抗した実力の持ち主と考えても良いわけです。オシム氏が「日本が勝つと思うなら相手に失礼だ」と発言したのも、そういった分析がありきなのですね。

 そしてそのイエメンの今回の予選の青写真は、日本とサウジの間に割って入って、2位で予選を通過すること。従ってアウェーの日本戦のゲームプランは、攻撃を完全に捨てて、0対0で引き分けることでした。

 つまり、がっぷり四つに組めば、日本を相手に点を奪えたかも知れない実力の持ち主が、その攻撃力を封印して守りに守った試合だったわけです。

 そう考えれば、簡単に点は取れるものではなかったことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 良くぞ2点をねじ込んだとは言いませんが、点を取れなかったことをあまり卑下する必要はありません。それよりも必死の守備をするイエメンを相手に負けじと30回ものシュートチャンスと、数回のゴール前でのフリーキックのチャンスを演出できたのは悪くないぞということなのだと思います。

 また、シュートの決定率の低さは日本人選手の大きな欠点のひとつであり、オシム氏も魔法使いではないので、今後の同氏のお手並み拝見といったところでしょうか。

 なお、課題と反省点は、オシム氏が記者会見で述べた通り、イエメン・クラスの相手が超守備的な布陣を敷いた時の工夫で、そのひとつがディフェンス陣の早いボール回し。

 また、オシム氏は引いている相手にスペースを与えて誘き出すといった工夫も足りないと指摘しました。

 さらに再三にわたるゴール前の絶好のフリーキックのチャンスをことごとく無駄にしてしまったこと。誰が蹴るのかを決めるのにぐずぐずしていたのも気になります。

 日本代表にはフリーキックの名手が少なくないだけに、今後の大きな課題でしょう。

 さてさて、これらの分析を踏まえて、私が日本のスポーツ紙の記者なら、次のようなヘッドラインを考えたと思います。

  「オシム・ジャパン 緑の針ネズミをなんとか撃退!」

  「愛弟子阿部勇樹 頭を使って決勝ゴール!」

 皆様も頭を使ってヘッドラインを考えてみてはいかが?!
 以外に楽しいし、スポーツ紙のレベルはすぐに凌駕できますよ!!

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登録日:2006年 08月 18日 18:25:45

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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