つまらないチャンピオンズ・リーグ?!
<サッカー 欧州チャンピオンズリーグ>セルティック マンチェスター・Uに惜しくも逆転負けを喫する - 英国
【マンチェスター/英国 13日 AFP】サッカー、欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)・グループF・第1節、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)vsセルティック(Celtic)。試合はセルティックが前半21分にヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンク(Jan Vennegoor of Hesselink、左2)のゴールで先制するなど善戦を見せるも2-3で逆転負けを喫し、貴重なアウェーでの勝ち点を逃した。(c)AFP/PAUL ELLIS
今年もチャンピオン・リーグが開幕し、各地で熱戦の火蓋が切って落とされました。
初戦のアウェーでインテルがスポルティングに敗れはしたものの、その他のカードについては順当な結果だったと思います。セルティックの中村選手は、アウェーのマンチェスター・ユナイテッド戦で見事なフリーキックを決め、同大会日本人初ゴールを記録。残念ながらチームは惜敗しましたが、これからに期待が持てそうです。
いずれにしましても、来年の5月の決勝戦までには様々な悲喜こもごものドラマが繰り広げられることは間違いなく、今後が大いに楽しみです。
一方で、チャンピオン・リーグに関して、これはつまらんぞと思うこともあります。それは参加各クラブのユニホームについてなのですが、チェルシーがアディダス社の軍門に下ったことで、同リーグに出場している主要クラブの殆どが、アディダス社かナイキ社の製品となってしまったことです。
因みに、本選出場32チームの中で3分の2近く(20チーム)がアディダス社とナイキ社のユニホームを着用。そして英国のブックメーカーの優勝予想上位10チームの中、9チームまでが両社とオフィシャル・サプライヤー契約を結んでいるのです。
こんな発想をするのは私だけなのかも知れませんが、自称ユニホーム博士の私にとっては、何とも画一的で味気がなくガッカリであります。フットボールがビッグ・ビジネスとなってしまった本場では、もう時代の流れには逆らえないのでしょうか。
ところで、何故私がこのようにマニアックな心境に陥ってしまうのかを分析すると、どうやら私がユニホームに興味を持つようになった経緯と関係があるようです。
そもそも私がユニホームに興味を持つようになったのは、“GOAL”という随分と昔に廃刊になってしまった英国の週刊誌が切っ掛けでした。
私が寮生活を送っていた中学1年生の時、先輩に英国からの帰国子女がいて、その彼がGOAL誌を定期購読していたのです。今から38年も前のことなのですが、当時から既にカラー印刷のフットボール専門誌が存在していたこと自体が驚きでした。そして、そのGOAL誌の載っている記事や写真全てが新鮮で、暇を見つけてはその先輩の部屋に遊びに行って読むというよりは眺めていたのです。
とりわけピンナップと呼ばれる見開き2ページや、1ページをまるまる使ったスター選手のカラー写真の印象は強烈で、当時の日本サッカーリーグ(JSL)しか知らない少年にとっては、イングランドやスコットランド・リーグのアイドル達は異星人に近い存在でした。
満員のスタジアムに緑の芝生(当時は日本の芝は冬枯れをして黄色かったのです!)、そしてブロンドや長髪の西洋人選手と、その何もかもが日本で行われているところのサッカーとは違っており、違う種類のスポーツではないかと思えた程です。
就中(なかんずく)、彼等の着ているユニホームはその典型で、マンチェスター・シティのスカイブルーや、チェルシーのネイビー・ブルー、そしてウェストハムのサックスとラセット(あずき色)のコンビネーションは斬新極まりなく、産業革命で紡績と染色の技術を世界中に広めた国の威光とでも言うのでしょうか、私の目はそれらのユニホームに心を奪われたのです。
当時の英国のユニホームのトップメーカーはUMBRO社であり、イングランド代表、スコットランド代表を始め、英国のトップチームの多くは同社の製品を着ていました。
そして、今では当たり前のようになっている胸のエンブレム等の刺繍も1970年代初頭に同社が定着させたものです。
また、今や百花繚乱の趣のあるレプリカユニホームですが、これも1970年代の前半に英国で生まれ、1980年代に入って欧州を中心に急速に世界中に普及していきました。
私が生まれて初めて購入したレプリカユニホームは、1974年のアドミラル社製のイングランド代表のものですが、その頃のイタリア、ドイツ、スペインにはレプリカの概念そのものすら存在せず、マーチャンダイジングのグッズも、帽子、マフラー、ペナントくらいのものでした。
1980年代に入ってようやく、欧州のトップリーグのクラブがレプリカユニホームの販売を始めましたが、完全に定着したのは1980年代も後半に入ってからのことだったと記憶しています。
1990年代からはマーチャンダイジングの花形として各ビッグクラブのレプリカユニホームが世界規模で販売されるようになり、タイ王国では一般人の給料の1ヶ月分もするマンチェスター・ユナイテッドのリバプールのレプリカユニホームが飛ぶように売れ、話題となりました。
各メーカーも競って市場に参入し、アンブロ、アディダス、プーマ、リーボック、ポニー、ヒユメンメル、カッパ、ディアドラ、ホマ、ケルメ、メーバ、アシックス、アドミラル等々、各メーカーが総力を結集してデザインした様々な特徴とオリジナリティー溢れるユニホームが各国のリーグに花を添えるユニホームマニアにとっては幸福な時代の到来です。
しかしそれも束の間、1990年代半ばからナイキ社が市場に参入してからは様相が一変。アディダス社とともにビッグクラブとの契約獲得にしのぎを削り始めす。
特に1998年のフランスW杯が、アディダスとナイキの代理戦争と揶揄されたように、それ以降は両巨頭の市場占有率が急速に高くなって行きました。
するとどういうことが起こるかというと、各クラブ、特に名門クラブや強豪クラブのデザインがどうしても画一的になり、思い入れも感じられず殺伐とした感じになってしまうのです。
その典型がチャンピオンズ・リーグということになるわけですが、ユニホーム愛好家、マニアの私としては誠に由々しき問題であります。
ビジネスと言ってしまえばそれまでだし、弱肉強食は民主主義社会の側面でもあるので、この二極化の潮流は止められないのでしょうが、何か釈然と致しません。
とまあ、レプリカユニホームの変遷を交えて、長々と書きましたが、結局は愚痴の域を出ていない点は何卒お許しいただきたいと存じます。
こうなったら、先のワールドカップで両社の間隙を縫ってプーマ社が漁夫の利を得たように、チャンピオンズ・リーグでもアディダス社とナイキ社以外のメーカーと契約しているクラブが決勝戦に駒をすすめば良いななどと考えてしまうのであります。
そうなると決勝戦のカードは差し詰めアンブロ社と契約しているリヨン対カッパ社と契約しているブェルダー・ブレーメンあたりがいいかも知れません。それとも、リヨン対ポルトのアンブロ社同士の対決やハンブルガーSV対ボルドーのプーマ社対決の方がインパクトが強いでしょうか?!
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登録日:2006年 09月 16日 03:17:30
コメント
リール(Lille)の「AIRNESS」社製のユニフォームは、かなり珍しいのでは・・・
http://www.afpbb.com/article/889198?offset=0
この1999年に創設されたメーカーは、日本ではほとんど馴染みがないと思います。
いかがでしょうか?
ロベルト・アベリーノ @ 2006年 09月 16日 14:44:44
UEFAカップなら、ブラガ(Sporting Clube de Braga)が「LACATONI」社製の
ユニフォームを着ています。
http://www.afpbb.com/article/894263
このポルトガルのメーカーも、私はほとんど聞いたことがありませんでした(笑)。
ロベルト・アベリーノ @ 2006年 09月 16日 14:59:44
アベリーノさん、お久しぶりです。
私もリールのユニフォーム・サプライヤーはどこなんだろうと思っていました。AIRNESSと言うんですね。知りませんでした。どこの国のメーカーなのでしょうか?
ブラガのLACATONI社も初耳です。
因みに、スペインにはJOLUBI社というのがあって、かつてレアル・オビエドが1部にいたころにユニフォーム・サプライヤーをしていたのですが、社長のVIGILさんは日本にも2回ほどいらっしゃったことのある親日家で、とても良い方です。
AIRNESS,LACATONI,JOLUBI各社の健闘を祈りたいものです。
貴重な情報をありがとうございました。
小谷泰介 @ 2006年 09月 17日 02:39:49
小谷さん、こんにちは。
「AIRNESS」社は、フランスのメーカーです。
http://www.airness.fr/
私は、ナント市に友人がいる関係で、昔から「ナント・アトランティック」のファンです。
そのナントが、ここ数年知らないメーカーのユニを着ていたので、調べてみました(笑)。
プレミアでも、フルハム(フラム)が今年は確か「AIRNESS」社製のユニだと思います。
後は、ポルトガルのボアビスタや、鈴木隆行のいたゲンクなんかもそうだと思いますヨ。
「LACATONI」社のサイトはこちら。
http://lacatoni.com/
ロベルト・アベリーノ @ 2006年 09月 17日 08:32:04
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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