プレミアシップ百景(3)
今年も本場欧州では主要リーグが全て開幕。世界中で最も多くのファンを獲得しているプレミアリーグも第3節が終了しました。
W杯ではイングランド代表が低調なパフォーマンスに終わり、またしても黄金世代と謳われているルーニー、ジェラード、ランパード、コールといったイングランドのスター選手達は結果が出せず、イングランドの人々にとっては失意に満ちたシーズンオフだったことでしょう。
しかし如何なる結果にも関わらず、プレミアシップが世界中からスター軍団が集まってくるリーグ故に、新シーズンが始まるとイングランドの看板を背負った彼らは怪我でもしない限りリーグ、FAとFLの国内カップ戦、そして欧州を舞台としたチャンピオンズリーグかUEFAリーグに出続けねばなりません。そんな過酷なスケジュールを10シーズン以上も送っている彼らが、金属疲労を起こさないか心配しているのは私だけなのでしょうか。差し詰め、今週末から早くもEURO2012の予選が始まりますが、前回大会の二の舞(予選落ち)とならぬことを祈るばかりです。
さて、今季のプレミアシップは登録選手数が25人まで、そしてその中の8人以上が国籍に関わらず21歳まで3シーズン以上をイングランドかウェールズ協会傘下のクラブで過ごした選手でなければならないという新ルールが施行されました。
出だしを見る限り、マンU、 アーセナル、チェルシーのトップ3に関しては新ルールの影響を蒙っていなさそうですし、出足でつまずいているマンチェスター・シティは単にお金の使い方を知らないだけで、リヴァプールに至ってはルール以前の問題のように見受けられます。はっきりと言ってしまえば、新ルールは狙っている効果をあまり発揮しておらず、やはり21歳まで地元で3シーズンを送った選手の括りに関しては、イングランド籍を有するという一文を付け加えなければならないのでしょう。とにかくイングランド籍の将来を嘱望される若手選手が少な過ぎます。
今後のイングランド代表は、誰が監督を務めてもこの問題を解決しない限り、タイトルは獲得できないでしょう。
ドイツ協会が大胆な若手の育成に着手して約10年間で結果を出しましたが、The FA(イングランド協会)もプレミアシップが傘下のリーグだけに、そのルールに関しては思い切った改革が必要ですし、育成システムとプログラムそのもののあり方に関しても、今一度見直す必要があることは言うまでもありません。
しかし、改革の結果が出始めているドイツ代表にしても、結局は才能溢れる移民の子供達をドイツ国籍選手として育てたに過ぎない、フランス代表化を進めているに過ぎないという見方が出来るわけで、クラブ強化なるものはクラブや代表レベル如何に関わらず一筋縄では行かないことを痛感するのであります。
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登録日:2010年 09月 04日 00:04:41
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- プロフィール
- 小谷泰介
- 1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験を生かしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説は、ラジオやテレビで人気を博した。
また、本場欧州にプロクラブの監督や選手の友人が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。
著書に「拝啓 川淵三郎殿」(モダン出版)や「Jリーグ入門」[講談社)などがある。
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