オシム・ジャパン 対インド戦を終えて

<サッカー アジアカップ予選>インドvs日本、日本 播戸の2ゴールなどでインドに3-0で快勝 - インド

【バンガロール/インド 11日 AFP】サッカー、第14回アジアカップ(Asian Cup)予選・グループA、インドvs日本。
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(c)AFP/Dibyangshu SARKAR

AFPBB News


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 アジア杯予選も宿敵サウジアラビアとのホームゲームを残すのみとなりましたが、先週行われたインドとの対戦を徒然なるままに振り返ってみたいと思います。

 皆様がどう思われたか分かりませんが、あのバンガロールのピッチは、異常だったと私は感じました。

 東南アジアのピッチは非常に堅く、芝の種類も違う上、今回使用されたピッチは陸上競技と併用の為、砲丸投げやハンマー投げの鉄球の落ちた跡でデコボコだったようですが、それにしてもです。

 あのテクニシャンの三都主がトラップミスやパスミスを連発していましたし、選手達がまずはボールをキッチリと止めるといった基本的なことに腐心していたように見えました。

 
 グラウンダーのパスも、スルスルスルと地を這うことはなく、バウンドしていましたし、イレギュラーなボールの動きが随所で見られました。

 競技経験者ならご存じのように、デコボコのピッチほどやりづらいものはなく、本場の英国のプロ達も“bumpy”といって、固くてデコボコのピッチを最も嫌います。

 つまり、何が言いたいのかというと、インド戦での日本代表イレブンは、オシム氏の標榜する頭を使うフットボールや決まり事を遂行することに加え、ボール をしっかりとコントロールすることにも集中しなくてはならなかった・・・。言わば二重苦の状態でプレーしていたということです。

 各スポーツ紙は、「ピッチのコンディションが悪く」といった簡単な表現で済ませていましたが、あの悪さ加減は半端ではなく、最もやりづらい状態のひとつであったことを前提に試合を評価しなければならないと思った次第です。

 従ってチームのパフォーマンスも良いはずはなく、ゴールシーン以外はフラストレーションの募るスッキリしないものでした。

 そんな中で、播戸の2ゴールと中村憲剛のミドルシュートは、それぞれの持ち味を出し切った素晴らしいものでした。特に闘志を剥き出しにした播戸のプレーは、飢えた豹を連想させ、存在感抜群!

 あの2点目のダイビングヘッドによる得点も、常にゴールを渇望する姿勢、何ものをも恐れない勇気、そして研ぎ澄まされた反射神経がなければ到底出来ない芸当で、あっぱれのひと言です!!正に一服の清涼剤でした!

 今年度のAFCが選出するベストゴール間違いなしといったところでしょうか。

 中村憲剛の弾丸シュートも見事でしたが、招集して間もない2人を先発させ、その2人ともが存在感のあるパフォーマンスをするあたりに、オシム氏の眼力と申しましょうか目利きのすごさを感じました。

 これは私の直感ですが、佐藤寿人と播戸の2人の中のどちらかはシャドー・ストライカーとして、そして中村憲剛は中村俊輔が使えない時の代役として、2010年の代表に名を連ねているような気が致します。

 オシム氏に限らず、監督は試合中に往々にして、ベンチでブツブツとひとり言を言うか、誰かを捕えて話をするものですが、最近ゲームでは以前のようにオシム氏の話にコーチ陣が耳を傾けていないような気がします。全くの気のせいかも知れませんが・・・。

 デコボコのピッチに加え、何度も落ちてしまう照明、試合中にピッチに乱入してしまう犬と、ハプニング続きのバンガロールのスタジアムでしたが、インドに限らず、多くのアジア諸国の運営レベルは相当に低いことを再認識させられました。
 
 経済では今後インドやASEAN諸国を中心に注目されるアジア諸国ですが、フットボールに関しては世界のトップレベルとの開きはあまりにも大きいと感じました。

 この格差は南北問題にも相通じるところがあり、一朝一夕には成就するものではありませんが、FIFAを中心にアジアとアフリカ諸国の協会が真剣に憂い、取り組んでいかねばならない課題であることは間違いありません。

 日本もオーストラリアやカザフスタンのように連盟を移籍してUEFAにでも加盟できれば良いのですが、それはあり得ないことだけに、アジア諸国の格差問題、せめて運営に関する問題は中心となって討議を進め、改善の為に尽力するべきでしょう。

 残るはホームでのサウジ戦のみとなったアジア杯予選ですが、首位で通過しろとは言いませんが、絶対に勝って欲しい、そしてそれ以上に内容で上回って欲し いと心から願います。進化した代表とでも言いましょうか・・・。国内での井戸掘り第一章の集大成となる試合なのですから!

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登録日:2006年 10月 17日 12:23:21

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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