2010年 06月
■日本のフットボールの未来の為に、今私が書くべき事⑨
《選手達は本当に良くやった!しかし、感傷に浸っている閑はない。日本の将来の為には冷静に敗因を分析し、次大会こそベスト4だ!》
パラグアイの4人目のキッカーであるカルドーソが、心憎いまでに冷静に川島選手の逆をついて、ボールを左隅に流し込んだ時、4年間にわたる青き侍達の挑戦は幕を閉じました。
双方9人のキッカーの中で唯一シュートを外し、泣き崩れる駒野選手をチームメートが次々と抱きかかえるようにして励ますシーンを見て涙したのは私だけではないはずです。駒野選手を罵倒する日本人はいないでしょうし、何故決してキックの精度が高いわけではないディフェンダーの駒野選手をPKキッカーに選抜したのかを攻めるのも筋違いというものでしょう。PKの練習は念入りに行っていたはずで、同選手はその練習に於いてかなりの確率でPKを決めていたはずなのですから。
彼らが持てる力を出し切ったからこそ、今まで決して勝てなかった国外開催のW杯で二つもの白星を挙げ、三つ目が手に届く場所まで辿り着くことが出来たのです。
指揮官が迷走し、大会直前になってもなかなか結果が出ずに追い詰められる中、腐らずに団結力を高め、大幅な戦術並びに選手起用の変更に日々対処しつつ、日本のフットボール史に新たな1ページを書き加えてくれました
日本代表の選手達には、心から良くやったと拍手を送りましょう!そして敏捷性や早いパス回しのみならず、忍耐力と組織力が日本人選手の大きな武器になることを世界にて示してくれたことに感謝致しましょう!そして、胸を張って帰国してもらおうではありませんか!
しかし、だからと言って日本協会をはじめとする首脳陣、そしてコーチ陣までを手放しで褒めそやすべきでしょうか。否であります!
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登録日:2010年 06月 30日 16:48:40
England vs. Germany
12勝12敗3引き分け。PK戦による決着を引き分けと計算すると、12勝10敗5引き分け・・・。これぞ宿命のライバルにふさわしい対戦成績と言えるでしょう。今でこそ日本は韓国をライバル視出来ますが、歴史的見地からすれば勝利数は圧倒的に韓国が多く、日韓戦は厳密には永遠、或いは宿命の対決などと呼べる代物ではありません。
そう、この数字こそは、イングランドとドイツが、1世紀に亘って繰り広げてきた激戦の足跡なのです。もっとも、終戦直後からベルリンの壁が崩壊するまでの16試合は、イングランド対西ドイツ戦と呼ばれ、イングランド対東ドイツ戦の対戦成績はこの数字に含まれていません(因みにイングランドと東ドイツは4回対戦し、イングランドの3勝1分け)。
また、W杯だけでもこの両強豪は過去4回対戦しており、19666年イングランド大会の決勝戦、1970年メキシコ大会の準々決勝戦、そして1990年イタリア大会の準決勝戦ではいずれも後世に語り継がれる名勝負を繰り広げています。W杯では、過去に様々な名勝負が行われてきましたが、この2カ国ほどライバルとして互いを認め合い、火花を散らしてきたチームは見当たらず、両国のサポーターだけではなく、世界中のフットボールファンが固唾を呑んでその対戦を見つめてきました。
そして、昨日行われた南アW杯でのベスト8を賭けた戦いを終えた段階で、この両国の対戦成績はドイツの13勝12敗3引き分けへと塗り替えられたのです。
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登録日:2010年 06月 28日 06:28:03
■日本のフットボールの未来の為に、今私が書くべき事⑧
先ず始めに、岡田監督と全ての日本代表選手並びにスタッフの皆様に、深くお詫びを申し上げねばなりません。デンマークには勝てず、グループリーグ敗退を予想したことを!
世界はそんなに甘くないと、貴方達の力を過小評価していたことを!世界のフットボールを長年見てきた中で見えるものがあるなどと述べたことを!
フットボールの奥はかくも深く、私などはまだまだ未熟なジャーナリストであることを痛感すると共に、その予測の甘さを恥じ入る次第です。
土壇場に追い込まれた日本代表の中で起こっている化学反応を把握しきれず、短期間にあそこまで学習し、修正を掛けて意思統一を図り、それをピッチで体現することを全くと言って予想出来なかった自分を本当に恥ずかしく思います。本当に申し訳ありませんでした。
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登録日:2010年 06月 25日 06:56:41
日本のフットボールの未来の為に、今私が書くべき事⑦
《残念ながら、日本のグループリーグ突破はないでしょう》
デンマーク戦を直前に控えて、日本のマスコミは開幕前とは全く違ったボルテージで肯定的な報道を行っているようですが、私は何ら変わっていません。残念ながら、日本はデンマークに敗れてグループリーグを敗退するだろうと予測しています。
初戦の日本の勝利こそ予想は出来ませんでしたが、これは並外れた強運の持ち主である岡田監督と、選手達の頑張りの賜物であったと考えます。特にチーム内に亀裂が入りかねない状況にあっても、腐らずに前向きに物事を捉え、なおかつ団結力を高めた日本人選手達の態度は賞賛に値し、あの1勝はフットボールの神様から彼らへのプレゼントだったといっても良いでしょう。枠に飛んだたった2本のシュートのうちの1本が、しかもトラップミスなのにタイミング良く足元に転がって入ってしまうのですから、あれは神様の慈悲のなせる業であったと考えても罰は当たらないでしょう。
日本代表の選手達は、監督の采配に不満があっても腐らずにじっとこらえ、前向きに解決策を練ったわけですが、これが世界のスーパースターが集まる集団であったなら、フランス代表のような内紛に発展しかねず、重篤かつ危機的状態に陥っていたに違いありません。この和を尊び、規律を重んじる国民性は今後も大いに武器とするべきですし、世界と伍する為には非常に有効なfootball powerの一部となることでしょう。
考えてみても下さい。例えば中村俊輔選手は岡田ジャパンにあって絶対的選手であり、岡田監督がW杯に向けて日本を旅立つ直前まではずっと中心選手であり続けたわけです。それを勝てないからと、急造の守備的シフトを付け焼刃的に取り組んだことで外されたわけですが、点の取れないイングランド代表のカペッロ監督がルーニーを直前に先発からはずすようなものであります。それでも文句ひとつ言わずに耐えるばかりか、チームの為に出来ることを率先してこなす中村俊輔選手の姿は、アネルカ選手も見習わなければなりません。この模範的態度は楢崎選手、中村憲剛選手をはじめ多くの選手にも当てはまることかと存じます。
但し、これは逆境に陥ったときの日本人の強みであり、前回のW杯の二の舞を踏むまいとした日本人の学習能力の高さでもあるわけですが、本来ならもっと違ったポジティブな形で協調性や和を重んじる特性が生かされるべきでだったと考える次第です。
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登録日:2010年 06月 24日 03:11:25
ブブセラは自然淘汰されるべき
何人かのジャーナリストの方は、あの喧しいブブセラが南アフリカならではの雰囲気をかもし出して良いと言った肯定的な意見を述べていらっしゃり、日本のメデイアも概ね好意的な論調ですが、私はとてもそんな気にはなれません。
それは以下の理由によります。
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登録日:2010年 06月 22日 03:16:49
日本のフットボールの未来の為に、今私が書くべきこと⑥
《皆さんのコメントにお応えして ①アニヤンさん編》
(※この文章をお読みになる前に、前々回のブログ(日本のフットボールの未来の為に、今私が書くべき事⑤)とそれに対して寄せられたコメントをお読みいただければ幸いです。)
アニヤンさん
「何故何時までたってもメキシコはW杯で16強止まりなのでしょうか?」という質問ですが、それはメキシコという国のフットボールの総合力(football powerと私は呼んでいます)がそこまでしかないからとしか言いようがありません。杉山茂樹氏の「サッカー偏差値」という著書がありますが、彼の言葉を借りれば、偏差値がそのレベルだからということになるでしょうか。
つまり、メキシコの経済力、人口、民族性等々、全てに於いて彼らのfootball powerの限界が今のところはベスト8、或いはベスト4止まりなのです。メキシコの人口は1億人を超えていて世界の第11位につけていますし、GDPも一人当たり14,560ドル(2008年)で第13位と、フィジカル面ではW杯優勝を目指すには充分な規模にあるかと存じます。
しかし、国民の特性、特に総合的な知力、学力、勤勉性、持続性、忍耐力(それらは、民族の歴史や高地であるといった地理的要素、そして気候と密接な関係があります)といったメンタル面、そして列強の集まる欧州から離れているというハンディ等が加味されて、なかなか優勝に手が届かないというのが現状かと存じます。
だからといって、私はメキシコが永遠に優勝出来ないとは決して思いません。偏差値がその人や学校の努力と工夫によって上がっていくように、football powerも上げることが出来、メキシコなら決して不可能ではないと考えます。昨日も優勝経験があり、欧州王者に2度輝いている強豪フランスに快勝したように、条件が揃えば結果が出せるのです(もっともドメニク監督率いる今のフランスに勝っても高い評価は得られないのが現実かも知れませんが・・・)。
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登録日:2010年 06月 19日 17:53:07
ビディッチのハンドに物申す!
注目のドイツ対セルビア戦は、したたかに戦ったセルビアに軍配が上がり、これでグループDの行方も混沌としてまいりました。アメリカとスロヴェニアの試合も手に汗握る接戦でしたし、グループリーグの段階から白熱した試合を沢山見ることが出来るのはフットボールファン冥利に尽きます。
しかし、ドイツ対セルビア戦では非常に気になることが起きました。全く不可解な出来事と言ってもよく、それは皆様もお気付きかと存じますが、後半14分にセルビアDFのビディッチ選手が犯したハンドの反則です。ペナルティー・エリア内でのハンドですから当然PKとなり、ストイコビッチがスーパーセーブで凌いだから良いようなものの、セルビア国民にとっては初戦のクズマノビッチに続いて「ビディッチよ、お前もか!」と叫びたくなるようなプレーだったに違いありません。
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登録日:2010年 06月 19日 01:41:45
日本のフットボールの未来の為に、今私が書くべき事⑤
《スイス代表の勝利は、同じ番狂わせでも日本代表とは大違い!》
南アW杯で、日本対カメルーン戦に続いて番狂わせが起こりました。否、大番狂わせと言って良いのでしょう。今大会優勝候補の筆頭、そして世界ランク2位のスペインを、世界ランク26位の伏兵スイスが1-0で破ったのです!
そして同じ番狂わせでも、客観的に見れば現時点までで最も面白くない日本対カメルーン戦と違い、何とこの試合の面白かったこと!!
それは、攻めまくっていたスペインの攻撃の質の高さが、カメルーンのそれとは比較にならない程洗練されていたことと、同じ守備一辺倒でもスイスは攻める際にはしっかり牙を剥き、欧州チャンピオンを慌てふためかせる力を持っていたことが主たる要因です。また、チームの方向性がどちらもブレておらず、それぞれが持てる力を出し切った末の番狂わせであったことにも起因しています。
特にスイスの出来は素晴らしく、何処かのチームとは違って、組み合わせ抽選会で対戦が決まった時から練りに練ってきゲームプランを貫き通した結果のご褒美ではなかったこと思う次第です。
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登録日:2010年 06月 17日 03:36:09
日本のフットボールの未来の為に、今私が書くべき事④
岡田監督は何という強運の持ち主なのでしょうか!
大会間際になって、迷走の末に辿り着いたワントップの超守備的な戦術で、何と自身にとって、また国外でのW杯を戦う日本代表にとっての初勝利を挙げてしまいました。
「しまいました。」と表現したのは、私がこれまでの岡田監督の迷走とその試合内容から、日本代表はこのW杯できっと痛い目に会うと確信していたからです。ましてやベスト4など夢想に過ぎず、世界を驚かすことも出来ないし、予選リーグ突破もありえないと・・・。
その確信は今も揺らいでいませんが、それにしても日本のこの勝利を一体どのように解釈すればよいのでしょうか。
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登録日:2010年 06月 15日 02:18:17
- プロフィール
- 小谷泰介
- 1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験を生かしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説は、ラジオやテレビで人気を博した。
また、本場欧州にプロクラブの監督や選手の友人が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。
著書に「拝啓 川淵三郎殿」(モダン出版)や「Jリーグ入門」[講談社)などがある。
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